肩甲帯の筋肉

【大円筋】筋トレとストレッチの基礎知識【イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)】

綺麗な逆三角形バックライン(脇の隆起)を作る【大円筋】筋トレやストレッチを効果的に行うために重要な解剖学的構造(起始停止、作用、神経支配)についてイラスト図解を使ってわかりやすく解説しています。

【大円筋】とは?どこにあるどんな筋肉?

【大円筋】は、「肩甲骨下面」から「上腕骨小結節稜」に向かって走行し、肩関節に作用する厚い筋肉です。

  • 名称:大円筋
  • ふりがな:だいえんきん
  • 英語名:Teres major

【大円筋】の主な作用は「肩甲上腕関節関伸展と内旋」で「広背筋」とほぼ同じですが、起始部が違うため作用する姿勢や条件が異なってきます。

また、【大円筋】は、「ローテーターカフ」と共に肩甲上腕関節関の安定に作用していますが、【大円筋】は、「肩甲上腕関節関節包」には付着していないので、「ローテーターカフ(肩関節を安定させる機能ユニット)」には含まれません。

【大円筋】起始停止

【大円筋】は、「肩甲骨下角後面と外側縁下部」から起始し、「広背筋」繊維と並行にらせんを描くように走行し、単一の腱となって「上腕骨結節間溝(内側唇)」に停止します。

起始停止
肩甲骨下角後面と外側縁下部上腕骨結節間溝(内側唇)

【大円筋】作用

【大円筋】の主な作用は、「肩甲上腕関節の伸展および内旋」で「広背筋」と類似しています。

関節作用
肩甲上腕関節伸展
内旋

上腕を固定している場合に【大円筋】は、「大胸筋」や「広背筋」と共に作用して体幹を引き上げる運動に作用するため「クライミングマッスル」とも呼ばれます。

また、「ローテーターカフ」や「三角筋」と共に肩関節安定にも貢献していますし、見た目では脇の幅や隆起を作り背中のシルエットに影響します。

【大円筋】神経支配

【大円筋】は、腕神経叢の枝である肩甲下神経(C5-C7)支配です。

【大円筋】触診

【大円筋】肩甲骨部分後面は「小円筋」と「棘下筋」で覆われ、前面は「肩甲下筋」と接していますが、起始部で肩甲骨下角の軟組織構造のような感じで簡単に触診できます。

「小円筋」下縁は「広背筋」上縁と並行で、繊維が融合している場合もあり、【大円筋】と「小円筋」は後腋窩ひだを形成し、筋腹や腱を癒合している場合もあります。

【大円筋】筋トレとストレッチ

【大円筋】は、運動において「広背筋」とほぼ同じ役割をしているので、基本的には「広背筋」筋トレやストレッチと同じです。

ただ、「背骨」から始まり「肩甲骨」をまたいでいる「広背筋」と「肩甲骨」から始まっている【大円筋】の解剖学構造の違いを意識し、【大円筋】筋トレやストレッチは、広背筋との区別するために肩甲骨のポジションを意識しましょう。

「肩甲骨」を固定して、上腕の運動を行うことで【大円筋】に効果的に刺激が入ります。

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