水頭症~脳脊髄液循環障害~ 脳脊髄液の仕組みと働き

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脳脊髄液の仕組みと働きについて説明できますか?

脳は髄液という水に浸されています。
この髄液は、脳室で産生されて
脳表に現れ、脊髄くも膜下腔や脳表を循環
最後は、くも膜顆粒ということろで吸収される
という髄液循環をしています。

これらの正常な循環が障害されるというのは
どういうことなのか?
またそれによってどのような症状が現れるのか?

わかりやすくまとめてみたいと思います。

水頭症の定義

以下のいずれか、あるいは
すべての原因で髄液が脳室あるいは、
脳表くも膜に過剰に貯留することになり
頭蓋内圧亢進、脳室拡大した状態

1:髄液の生産量が異常に増えること
2:髄液の循環経路が閉塞したり、狭窄したりして流れにくくなること
3:髄液の吸収部位に障害が起こり、吸収量が低下すること

水頭症の原因

髄液生産部の異常

脳室内の脈絡叢で産生
生産量がほぼ一定で、
頭蓋内圧が異常に上昇した時にわずかに減少
炎症や脈絡叢が発生するとわずかに増加
*脈絡叢の代表的腫瘍(脈絡叢乳頭腫)でも
生産量は大きく変わらない

脳室内での髄液の通過障害

脳室内での髄液通路に障害物があると生じる
脳室内や脳室近傍の腫瘍
(脳室上衣腫、星細胞腫、頭蓋咽頭腫、
コロイド囊胞、松果体腫瘍、脈絡叢乳頭腫)
先天性奇形
(中脳水道狭窄症、アーノルドキアリ奇形、
ダンディウォーカー奇形)

脳表くも膜下腔での髄液の通過障害

第4脳室を出た髄液は、脳表のくも膜下腔を循環しながら
頭頂部に向かう為、
くも膜下出血や重症髄膜炎などが原因で起こる

髄液吸収部での障害

頭頂部正中線上の上矢状静脈洞内に突出した
くも膜顆粒で静脈洞内に吸収

くも膜下出血などで、凝血塊や繊維素が
吸収部を閉塞するために生じる

上矢状静脈洞血栓症でも起こりえる

年齢別水頭症の特徴

水頭症は、年齢に関係なく共通に
頭蓋内圧亢進症状が見られますが、
具体的な臨床症状は、年齢によって
特徴があります。
その特徴についてまとめます。

1:新生児から乳児期(2歳まで)

★原因
ほとんどが先天性中枢神経系疾患
・第4脳室出口付近で通過障害をきたす疾患
(アーノルドキアリ奇形
ダンディウオーカー奇形など)
・脊髄破裂(二分脊椎)
・頭蓋破裂(二分頭蓋)

★症状
頭囲拡大(正常時より、約2.5cm以上拡大)
急激な進行
大泉門膨隆
頭蓋骨縫線解離
頭皮静脈怒張

2:乳児期から学童期まで(10歳まで)

★原因
脳室内あるいは、脳室近傍の腫瘍
(特に小脳や第4脳室の髄芽腫/脳室上衣腫、
第3脳室の松果体腫瘍/脳室上衣腫、など)

★症状
早期に頭痛や嘔吐
歩行拙劣
頭蓋内圧亢進
-うっ血乳頭、外転神経麻痺
(頭蓋骨縫合は閉鎖しているので
頭囲拡大は起こらず)

3:成人期から老年期

★原因
ほとんどが後天性
・中脳水道狭窄症(閉塞症)
・正常圧水頭症

・くも膜下出血
・重症髄膜炎
・脳室内腫瘍(第3脳室コロイド嚢胞など)
・原因不明

*まれに先天性水頭症がありながら、
成人期に至るまで症状が出現せず、
成人期に合併した感染症(髄膜炎など)で
急激な発症をすることもあり。

*脳委縮による脳室拡大は
水頭症と呼ばない。
水頭症は、頭蓋内圧亢進の結果
生じる病態です!!

★症状
正常圧水頭症
軽度の記憶障害、自発性低下
思考の緩慢、尿失禁、不安定歩行などが主訴

3徴候
認知症、尿失禁、失調性歩行
(脳室-腹腔短絡術などの手術で改善あり)

CT上脳室拡大認める
*脳委縮と違い、大脳皮質の脳溝の拡大なし
脳室周囲、側脳室前角部周囲にX線低吸収域がみられる。
腰椎穿刺で髄液圧を測定 180mmH2O程度と正常範囲


原因が特定できない突発性
くも膜下出血後などの症候性がある

水頭症の症状と診断

急性であれば、頭蓋内圧亢進
-頭痛、嘔吐、うっ血乳頭(眼底鏡で測定)

乳幼児以外は、外観から
判断できない為、画像診断が必須

水頭症の治療

原因の除去と頭蓋内圧を下げる

まとめ

神経内科学とは正常との比較から病理を追求する学問です。

人間にとって正常な状態から逸脱する何かが起こった時、それは病気になります。
そのため、病気がどうかを知るためには、まず正常を正しく理解している必要があります。

神経内科学においては、病名や症状を覚える事に意味はありません。
それらは全て後付けだからです。

病気や病理について学び、理解を深めることの意義は、なぜその症状が起こるのか、
を正常との比較から追求していく事により、問題点を導き出してより適切な解決方法、予防方法を探求していくことにあります。

この考え方でできるようになる事によって、
健康維持を含めあらゆる身体の問題解決ができるようになる力が育成されていきますので、
この観点を忘れずに勉強していきましょう。

病気や病理は、知るのではなく理解する事、
自分自身の健康維持に生かして初めて有意義なものになります。

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