脳性麻痺 【症状】【原因/病理】【検査/診断】【治療】【予後】

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脳性麻痺について説明できますか?

脳性麻痺について、
【症状】【原因/病理】【検査/診断】【治療】【予後】と
5つの観点に分けて解説しています。

脳性麻痺の概要

発展途上の脳に様々な原因から
発生した損傷により引き起こされる
運動機能障害を表す包括的な名称

「受胎から新生児(生後4週間以内)までの間に生じた
脳の進行性病変に基づく、永続的なしかし変化しうる
運動および姿勢の異常
その症状は満2歳までに発言する。
進行性疾患や一過性運動障害、または将来正常化するであろうと
思われる運動発達遅滞は除かれる)

<頻度>
1人/1000人

脳性麻痺の原因

1:周産期要因:70~80%
低酸素血症、虚血、出血、代謝異常、感染症など

仮死分娩
核黄疸(高ビリルビン血症)→減少傾向

2:出生前要因:20~30%
未熟性(低出生体重児、早産児)、奇形、心肺機能不全

脳性麻痺の神経生理学的分類

痙縮(直)型

 錐体路障害による伸張反射(腱反射)の亢進、
 足クローヌスの出現
 病的反射(+)
 筋緊張亢進:折りたたみナイフ現象

 上肢:屈筋群優位
 下肢:伸筋群優位
   ↓
 安静時異常姿勢

 さらに、錐体外路性筋緊張亢進である固縮も潜在
 (固縮痙性)

 痙縮(直)型両麻痺型
 60%:早産で低出生体重児
    脳室周囲白質軟化症を原因とする場合が多い
    在胎27週から32週/1,000~1,500g未満に集中
    てんかん発作、知的障害の合併は少ない

 痙縮(直)型片麻痺型
    てんかん発作、知的障害を合併することが多い

   
 痙縮(直)型四肢麻痺型
    重症例が多く、運動障害が四肢体幹すべてに起こる
    てんかん発作、知的障害も高頻度に合併
    嚥下障害の合併も多い(誤嚥性肺炎が起きやすい)

アテトーゼ型

   大脳基底核病変により
   不随意運動として、アテトーゼやジストニアが
   みられることが多い。

   てんかん発作や知的障害を合併することは
   痙縮型より少ない

   年齢とともに肩関節脱臼や頚椎の不随意運動による頚椎症などの
   関節障害がみられることもある

   1~3歳ごろからアテトーゼが出現する場合が多く
   6か月以内に出現する場合は、重症である場合がほとんど
   6歳までには出現する。

   運動発達遅延
   乳児期には、筋緊張低下、
   運動しようとするとその度に口を開き、運動が全身に放散
   定頸不良、舌口腔咽頭部筋群の協調不全による哺乳困難など
   

   
   アテトーゼ:筋緊張が動揺するゆるやかなねじ曲げ運動が
         顔面、四肢、手指にみられ固縮を伴う緊張性
         
         運動時には不随意運が見られるが
         それ以外の時は、筋緊張を伴わない非緊張性

   ジストニア:体幹を中心に全身をゆっくりとねじるような不随意運動

固縮型
失調型
振戦型
無緊張(アトニー)型

脳性麻痺の部位別分類

単麻痺

一側下肢の痙性麻痺であることが多い
同側上肢にもごく軽度障害を合併することもあり

対麻痺

両側下肢のみに麻痺があり。痙直型であることが多い

片麻痺

一側の上下肢体幹、顔面に麻痺を呈する
上肢>下肢で麻痺の程度が強い
痙縮型、アテトーゼ型でみられる

三肢麻痺

両側上肢と一側下肢の痙性麻痺であることが多い

四肢麻痺

四肢体幹すべてに同程度の麻痺があるもの
左右差があっても、同側上下肢の麻痺の程度が同じであれば
この型とする

両麻痺

四肢体幹すべて、ときに顔面にも麻痺がみられるが
上肢<下肢で麻痺の程度が強いもの

両側片麻痺

四肢体幹すべて、ときに顔面にも麻痺がみられるが
下肢<上肢で麻痺の程度が強いもの

脳性麻痺の合併症

運動領域以外の脳損傷に由来するものや
発展途上に発生する学習不足などの二次障害があるため
トータルにみてフォローが必要

重症心身障害児:IQ35以下の重度知的障害
        +重度の肢体不自由(身体障害等級1~2級)

1:栄養障害と摂食・嚥下障害
2:呼吸障害
3:知的障害(精神遅滞)
4:感覚障害:視覚、聴覚など
5:言語障害
6:てんかん発作
7:骨、関節障害

脳性麻痺の検査 診断

確定診断が可能:生後6ヵ月以降
重症児を除いては、
早期発見は困難

仮死分娩、重症黄疸、早産児、
低体重児、未熟児、筋緊張異常、
発達遅延、原始反射の異常残存

および経過より判断

-判断指標

★新生児指標
   ブラゼルトンの新生児行動評価
   小西らの自動運動の評価による新生児脳障害判定
★新生児から乳児期  
   ボイタの7種の姿勢反応を用いた評価法
   ミラーニの運動発達評価法
★乳児期からの諸行動を含めた運動発達段階評価
   乳幼児行動発達表(厚生省心身障害研究班)
   遠城寺式乳幼児分析的発達検査表

-画像診断

超音波:頭蓋内出血、脳室周囲白質軟化症(PVL)
CT
MRI

脳性麻痺の治療

整形学的治療
薬物対処療法
発達神経学的治療法(ボバース、ボイタ法)

早期から総合的な療育が必要

<乳児期>
原始反射や緊張性反射などの
異常姿勢反射の消失

立ち直り反応などの正常姿勢反応の出現

<乳児期以降>
運動発達年齢の向上

脳性麻痺の予後

歩行可能か否かの予後は
座位獲得が目安のひとつ

2歳までに座位安定→独歩可能
4歳までに座位獲得→杖歩行実用化
8歳までに座位保持不可能→歩行は望めない

痙縮型
1歳までに寝返りを獲得できない
3歳までに四つ這いを獲得できない
   ↓
歩行が不能になる可能性が大きい

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