認知症(知的神経機能障害)と生理学的脳の老化の違い

この記事は3分で読めます

認知症と脳の老化の違いを知っていますか?

『認知症』

一般的にも、かなり浸透してきている言葉ですが、その定義や意味を正しく理解している人は少ないように感じます。

認知症は加齢などによる生理学的な脳の老化とは異なります。

あなたはその違いを説明できますか?

この章を読むと”認知症”が医学的に正しく理解できるようになります。

この章を読むとあなたは

認知症と生理学的脳老化の違いが説明できるようになります。

 

 

認知症と生理学的脳老化との違い

最近物忘れがひどい…これは認知症?

最近、人の名前が出てこなくなったな~~
何をしようとしていたか、すぐ忘れちゃうんだよね・・・

年齢を重ねるごとに、誰もが感じる変化。

でも・・・これを『認知症』と定義しては大変なことになってしまいます。

人間というのは、二十歳を過ぎると、細胞の増加や成長が止まり、『老化』が始まります。

脳も身体の組織の一部ですから、同様に『老化』します。

病理学的にみても、高齢者の脳組織は、神経細胞や神経突起の減少が認められ、もちろん個人差はありますが、脳が委縮し、反射運動の低下、平衡感覚障害、理解力、記憶力の低下が生じます。

これは、誰にでも起こりえる加齢による
『脳の老化』

『脳の老化』は、『認知症』と必ずしもイコールではありません。

この前提を踏まえた上で、脳の生理学的構造を確認しながら、認知症について、詳しくみていきたいと思います。

認知症の定義

認知症の定義を一言にまとめると、
知的発育が一度完成した成人の知能障害
です。
知能は、記憶や経験によって累積された知識や物事を判断する力、問題解決をしようとする力のことです。記憶、知識、判断力のいずれかまたはすべてが一著しく障害された状態を『認知症』と呼びます。

(ちなみに、先天的な異常だったり、知的発育途上での知能障害は、『精神発達遅滞』といいます。)

脳組織の生理的老化に関するデータ
脳の生理学的老化:

加齢にともない、形態学的には、神経細胞の減少の為に脳委縮が進み機能的には、記憶力や判断力が低下する。
脳の重さは、20‐30歳にかけて最大(1200‐1600g)になり、40歳代から減少傾向80歳では、17%程度に減少する。

灰白質:20-50歳の間に減少開始
白質:70-90歳の間に減少開始
(有髄繊維の減少は、遅く始まる)

細胞減少が著しい部位
大脳:前頭葉
側頭葉:灰白質部(大脳皮質、被殻)
小脳:プルキンエ細胞
脳幹:青斑核、黒質、視床、扁桃核

画像診断での所見
前頭葉の円蓋部や大脳半球裂に面した面
側頭葉のシルビウス裂に面した部分の委縮が著名

脳の生理的老化=認知症ではない

話を元に戻しますが、脳の生理学的老化は認知症とイコールではありません。

実際、脳の委縮が画像診断上認められても、記憶力や判断力がしっかりした高齢者はたくさんいます。

「それがなぜか?」というのは、「なぜ、頭を使えば使うほどよくなるのか?」という事実を、解剖生理学的に読み解けば答えがでてきます。

なぜ、頭を使えば使うほどよくなるのか?

神経細胞の多くは、樹状突起を持っていて、この樹状突起が他のニューロンと接合して神経回路としてのネットワークを形成しています。

神経細胞自体は、増えることはなく、むしろ加齢とともに減少していくのですが、この樹状突起は、経験や知識を学習すればするほど成長します。

これが、頭を使えば、使うほど良くなるということの解剖生理学的な意味ですね。

つまり、神経細胞が減少し、脳が委縮しても、神経と神経をつなぐネットワークの基となる樹状突起が機能していれば、神経機能は、よい状態だと言えるわけです。

 

 

まとめ 

脳機能は何歳になっても向上させることができる

人間としてこの世に性を受けた瞬間から、人は死に向かい老化していきます。それは避けることのできない事実です。

ですが、私たちは何歳になっても、いえ、年齢を重ねるからこそ高められる能力もあります。脳機能もその一つ。

物忘れを年齢のせいにするのか、常に脳機能を高める努力をするのか、で人生の後半戦の充実度が大きく変わってきます。

 

 

質問受付

個別には返信できませんが、次回以降の内容や、FAQ作成時に反映させていただきます。
できるだけ具体的に書いていただけると嬉しいです。

ご意見、ご要望、応援メッセージなども大歓迎です。

いつもたくさんの応援コメント、率直なご質問ありがとうございます。大変励みになっています。

愛& 感謝!

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

  1. 2017 02.05

    失行って何?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


カテゴリー

スポンサーリンク

Amazonなら即日配送