先天異常【症状】【原因/病理】【検査/診断】【治療】【予後】

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先天異常について説明できますか?

先天異常について、
【症状】【原因/病理】【検査/診断】【治療】【予後】と
5つの観点に分けて解説しています。

先天異常の概要

出生前に要因があり、
出生時すでに存在する機能あるいは形態以上の総称

・先天性神経疾患
・先天性筋疾患
・血液疾患
・免疫異常
・先天性代謝異常
・先天奇形
など

療育の対象となる。

療育とは?

乳幼児期からの発達や成長に応じた総合的な対応
長期の医療と教育、生活指導を通して社会的自立を目標とする

先天異常の成因による分類

単一遺伝子の異常

ひとつの遺伝子の異常で起こる

・常染色体優性遺伝
・常染色体劣性遺伝
・X連鎖優勢遺伝
・X連鎖劣性遺伝

染色体異常

染色体の数の異常、構造の異常

多因子遺伝性疾患:易罹病性と胎生期に受けた環境要因の総合効果が
      一定の閾値限界を超えた時に発症
―神経管閉鎖不全(無脳症、二分脊椎)、口唇口蓋裂、多指症、
 先天性心疾患、高血圧、糖尿病、統合失調症

外因による先天異常

―サリドマイド症候群、先天性水俣病、
 抗痙攣薬による奇形、胎児性アルコール症候群
 胎児性ワーファリン症候群、放射線障害、禁煙障害
 子宮内感染症(トキソプラズマ症、サイトメガロウィルス感染症、
 風疹、梅毒、HIV感染症

先天異常各論

ダウン症候群(常染色体異常)

<原因 病理>
1対であるべき21番染色体の1本過剰
1人/1,000人 
高齢になるほど確立増加
35歳 1/300
40歳 1/100
45歳 1/45

<症状>
―身体機能
成長、運動発達の遅延:
出生時の身長と体重はほぼ正常範囲
フロッピーインファント
著名な筋力低下はないが、
筋緊張低下の為、
定頸、座位保持、歩行開始が遅れ
歩容も稚拙

低身長で肥満になることが多く、
幼少期からの食生活管理が重要

―知的障害
全例にみられ、中等度障害が多い

―奇形
特徴的願貌
(短頭、後頭部扁平、眼裂斜上、
内眼角贅皮、鞍鼻)
先天性心疾患―約50%
(心内膜床欠損、心室中隔欠損)
消化器奇形―約10-20%
(鎖肛、十二指腸狭窄など)

小耳症、巨舌、環椎軸椎不安定
副直筋離開、先天性股関節脱臼、
第5指内弯、第5指単一屈曲線

<検査 診断>
染色体検査にて確定診断
標準型:93%
 46本の染色体のうち、
 21番染色体を1本過剰に持ち1個の核内染色体の総数が47本

転座型:5%
 21番染色体に過剰に存在する染色体の1本が他の染色体に転座している場合

モザイク型:2%
 受精卵の段階では1個の核型であったものが、
 細胞分裂を繰り返すうちに核型の変化を生じた細胞群が混在するようになった状態
 正常核型の細胞と21番トリソミーまたは転座型トリソミーの細胞の混在

<治療>
対処療法

<予後>
重篤な心疾患や白血病を除けば、
平均寿命は50歳

母斑症(皮膚神経症候群)

外胚葉由来の皮膚と中枢神経系で同時に出現する
先天異常のこと

 1:結節性硬化症:ブルヌヴィーユ・プリングル病
   <遺伝形式>
   常染色体優性遺伝疾患
   
   <症状―3徴候>
   顔面血管線維腫
   てんかん発作(点頭てんかん)
   知的障害

   4-5歳頃より頭蓋内石灰化が出現し、
   腎臓、心臓に嚢腫や腫瘍が見られることがある

スタージ・ウェーバー症候群

   一側の三叉神経領域に一致した母班(ポートワイン班)と
   同じ側の脳軟膜の血管腫、反対側の痙攣と麻痺
   60%以上に知的障害を伴う

   緑内障などの眼症状、てんかんなどの脳症状も伴うことがあり。
   遺伝性はないとされている。

レックリングハウゼン病

   <遺伝形式>
   常染色体優性遺伝疾患
30人/10万人
   
   <症候>
   学童期より序々に生じる
   大小種々の半球状隆起の神経線維腫と
   これよりも先発する色素斑(カフェオレ斑)
   
   側湾症や神経線維腫の圧迫麻痺がみられることも
   知的障害も60%に合併

ウィルソン病

   <病理>
   体内各臓器に銅が沈着して症状が発生

   胆汁への銅排出の障害
    ↓
   肝臓に銅が蓄積
    ↓
   飽和状態
    ↓
   全身に銅遊離が放出
    ↓
   脳(大脳基底核)、角膜
   肝臓、腎臓などに銅が取り込まれて
   臓器障害が発生する

   <遺伝形式>
   常染色体劣性遺伝
   1人/4万人 

   <症状>
   ―錐体外路症状
   安勢時振戦、固縮、構音障害、舞踊様運動
   羽ばたき運動
   ↓
   構音不能、運動不能
  
   -精神症状
   進行とともに知能も低下する

   -カイザーフライシャー角膜輪:
    角膜縁に淡緑色または褐色の色素沈着輪

   -肝硬変:必発
   
   -腎尿細管障害(ファンコニー症候群)
    学童期後半に発症することが多い

   ―骨粗鬆症

   -造血器障害:溶血発作による貧血と黄疸

<検査 診断>
  血清銅値の低下
  尿中銅排泄量の増加
  血清セルロプラスミン値の低下
  肝組織内銅沈着
  カイザーフライシャー角膜輪

 
<治療> 
 低銅食:チョコレート、貝類、コーヒー、緑黄色野菜など
     銅含有量の多い食品を避ける
 体内蓄銅の除去:銅キレート薬:銅―ペニシラミン
 銅吸収抑制:腸管での銅吸収を阻害する亜鉛を服用
 対処療法:抗パーキンソン薬、機能訓練など

<予後>
 早期診断、治療で正常な生活を送ることが可能
   

ポルフィリン症

 <概念>
 ポルフィリンの代謝障害
 ポルフィリンやその前駆物質を大量に排泄する疾患
   
   ヘモグロビン=ヘム+グロビン
   ヘム=鉄+ポルフィリン

 <原因>
 遺伝性/薬剤/アルコール/日光/内分泌
 
 <症状による分類>
 肝性
 骨髄性
 骨髄肝性
 
 <症状>
 光過敏症(皮膚の露光部の発赤、水疱、潰瘍、色素沈着、白班など)
 急性腹症(腹部激痛、嘔吐、便秘)
 四肢麻痺
 意識障害
 尿ポルフィリンの増加 赤ぶどう酒色の尿

フェニルケトン尿症

 <概念>
 フェニルアラニンが過剰に蓄積する

 <病理 遺伝形式>
 常染色体劣性遺伝
 先天性アミノ酸代謝異常
 
 <症状>
 脳の蛋白、脂質合成障害
  ↓
 知的障害、痙攣、脳波異常

 <治療>
 生後2~3ヶ月までに低フェニルアラニン食療法を
 開始すれば、正常に発育する。

 新生児マススクリーニングの対象

 <新生児マススクリーニング>
 早期発見、発症前の治療を目的とした検査
 公費で対応可能

フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症
ホモシスチン尿症、ガラクトース血症
 

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