人体の最高中枢「脳」を中心とする人体の連絡網「神経」

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人体内の郵便屋さんである神経、人体の最高中枢である脳を細胞レベルに分解

中枢神経系でも、末梢神経系でも構成する要素になるものはひとつひとつの細胞です。

そして、もちろん人体の最高中枢『脳』は、細胞がただ集まっているだけでなく、「運動、知覚、知能、感情などの神経で伝達される情報が集まる中枢」として機能するという重要な役割を果たしています。つまり脳自体が神経細胞の塊なのです。

脳や神経の構成をマクロな細胞単位でみていきたいと思います。

『構成要素』

神経の構成要素は以下の3つになります。

★主役:神経細胞
-神経機能を司ります。
★脇役:グリア細胞(神経膠細胞)
-神経細胞を構造的、機能的に支えます。
★エキストラ:多数の突起
-グリア細胞から出る多数の突起のことです。

 

『配置』

脳の神経細胞の数は、生まれた時から決まっていて増えることはありません。

成人になるにつれ、できることが増えたり脳の重量が増えるのは、神経細胞から出ている樹状突起や神経軸索が伸展したり軸索を取り囲む髄鞘が増加することによって起こります。

★表層-大脳皮質(灰白質)
厚さ:約2.5mm
表面積は:約2,000cm2
140億個の神経細胞

★脳内の灰白質部分
小脳皮質
大脳基底核

★深部:大脳髄質(白質)
大脳や小脳の大部分を構成
神経細胞から出た神経軸索と軸索を取り巻く髄鞘からなる

『ニューロンとは?』 神経細胞の構造

脳全体で細胞がどのように配置されているかは、上述の通りですが、今度は、神経細胞のひとつひとつとそのつながり、神経における情報の伝達の流れについて細かく見てみます。

ニューロンの基本的構造

細胞体と細胞体から出る多数の突起により構成されています。

突起は、1)多数の樹状突起(1~2ミクロンの小さな突起)2)1本の長い神経軸索(一般的に神経線維と呼ばれる)に分かれていて、この神経細胞と突起を含めた構造体をニューロンと呼びます。

『神経間の情報交換時のそれぞれの役割』

★1)樹状突起
他の神経細胞の細胞体や神経軸索と接触する部位となり、他の神経細胞との情報のやりとり(収集、発信)をします(シナプス)

★2)神経軸索
神経細胞で作られた情報(電気信号や神経伝達物質)を他の神経細胞に伝えます。
軸索の中には、無数の繊維(フィラメント)が縦軸方向に走行し、その中を電気信号や神経伝達物質が末梢方向(神経終末部)に急速に輸送します。

*神経細胞が発電所とすれば、神経軸索は、電気を送る電線のようなものなので、神経軸索が太ければ、太い程、神経の伝達速度は、早くなります。そして訓練することで神経伝達速度を上げることが可能です。

また、神経軸索には、髄鞘と呼ばれる鞘で取り囲まれたもの(有髄繊維)髄鞘を持たないもの(無髄繊維)があります。

*髄鞘は、電線の周囲にまかれた絶縁テープのようなもので、有鞘繊維では、髄鞘間に、「ランビエの絞輪」と呼ばれる境目があるため、絶縁テープが切れた状態になります。
そのため、次のランビエの絞輪部まで、電気がショートすることにより、電気信号の伝導速度が早まります。
このように、電気信号がピョンピョンと飛び跳ねながら伝わっていく様式を、「跳躍伝導」といいます。
この「跳躍伝導」により、有髄繊維は、無髄神経より神経伝達速度が速くなります。

そしてこの有髄繊維は、中枢神経にも末梢神経にも存在します。

神経伝達物質とシナプス

神経軸索の末端は、神経終末と呼ばれ、ここから、他のニューロンに情報が伝達されます。
このニューロン同士の接合部の構造を、『シナプス』と呼びます。

神経の伝達方法は以下の2種類があります。

伝達方法1:電気的伝達刺激

神経細胞からの刺激が神経軸索や樹状突起を伝わっていく方法

伝達方法2:科学的伝達

刺激(情報)を科学的な物質(神経伝達物質)に変換して次のニューロンに伝える方法

シナプス部にはわずかな隙間があり、これをシナプス間隙(かんげき)と呼びますが、隙間があっても情報の受け渡しができる理由は、神経伝達物質が介在して伝達をサポートしてくれるからです。

神経伝達物質は、神経細胞内で生成

神経軸索内を輸送

神経終末部のシナプス小胞に保存

神経細胞から何か電気刺激が伝えられると神経伝達物質がシナプス間隙に放出

シナプスを形成している次のニューロンには、放出された神経伝達物質を受け入れるレセプターがあり

レセプターに神経伝達物質が取り込まれると、イオンチャンネルが開く

次のニューロンに電気的な刺激が伝わっていく

『代表的な神経伝達物質』

神経伝達物質は以下のようなものがあります。

アセチルコリン
 ドーパミン
 ノルアドレナリン
 γ―アミノ酪酸

例えば、ドーパミン。
大脳の黒質や被蓋にはドーパミンをたくさん含んだ神経細胞が集まっています。
そして、線条体(尾状核+被殻)にたくさんの神経線維を送り出し、ドーパミンを輸送します。
この働きによって、手足が顔面などの運動を細かく調整することができているのですが、なんらかの原因でドーパミンが黒質で作られなくなったり、線状態への神経線維が破壊されたりして、線条体にドーパミンが送り込まれなくなると、筋肉の強直が起こったり、ふるえ(振戦)が起こったりします。

これがパーキンソン病です。

 

『神経細胞を支える裏方の脳細胞~グリア細胞~』

神経細胞を考える上で、もう一つ忘れてはならない大切な縁の下の力持ちがいます。

神経細胞が運動の指令を出したり、末梢からの知覚を認識したりして脳の働きの主要な役割を果たしている一方で、その裏方として、神経細胞や軸索を支え、細胞間の隙間を埋めている細胞があります。

それが、神経膠細胞、つまりグリア細胞と呼ばれるものです。グリア細胞は、数の上では神経細胞の約10倍あります。

グリアは、「膠(にかわ)」の意味で、灰白質(大脳皮質や大脳基底核など)の中で神経細胞の間を埋め固めて、神経細胞を構造的にしっかり支えています。

また、グリア細胞のうち、星細胞は、神経細胞と血管の間に介在し、神経細胞と血管の間に介在し、神経細胞と血管の栄養、代謝物質のやりとりを仲介します。
*神経細胞は、直接血管に接することはないので、有害な物質が血管から、直接神経細胞に入ることはありません。
このように、星細胞は、関門(バリヤー)としての役割も果たしていて、この仕組みは脳組織の中でもかなり独特で、「血管脳関門」とも呼ばれています。

★グリア細胞の種類-4種類-
星細胞(星状膠細胞)
乏突起膠細胞
上衣細胞
小膠細胞(マイクログリア)

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