不安の多い人生100年時代を生き抜く思考の鍛え方

ストレスとメンタル
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100年に一度と言われる「コロナウィルス」の蔓延は年単位の戦いになり、世界中で働き方を始めとする生き方そのものを大きく変える必要性に迫られています。

人生100年時代を健康で豊かに過ごすためには、物理的に健康な身体を維持するだけではなく、時代の変化に柔軟に対応していく思考(考え方)も不可欠です。

生きている限り休まず働く脳のネットワークの特徴を理解して身体のと同じように鍛える意識を持てば、変化や不安の多い時代でも心を強く持って賢い選択や決断をして豊かに生きられるようになります。

脳のネットワークは切り替わる

人間の脳には「ON/OFF」切り替えスイッチはなく(完全にOFFになるのは死んだときだけ)常にどこかの脳内ネットワークが活性化しています。

思考に関する脳のネットワークは3種類あり、これらの切り替えがスムースなほど、賢明な決断や革新的な考え方ができると言われています。

3種類ある思考経路〜脳のネットワーク

3種類ある思考経路〜脳のネットワーク〜には、それぞれ以下のような特徴があります。

ネットワーク名 特徴
DMN(デフォルトモードネットワーク) アイデアが生まれる時(直観)などに活性化するネットワーク。右脳優位の思考。
SN(セイリエンスネットワーク) アイデアの絞り込みの時など抽象と具象やミクロとマクロを行き来する思考(大局観)。右脳と左脳を往復する思考。
CEN(セントラルエグゼクティブネットワーク) 検討した結果決断する時の論理的思考(決断力)。左脳優位。

AI世代藤井聡太さんの活躍でも注目を浴びている将棋界のスターである羽生善治さんが、『直感力』『大局観』『決断力』についてそれぞれ本を書いていますが、プロ騎士は局面ごとに100パターンくらいの手がパッと思い浮かぶそうでが、これが『直感力(DMN)』です。

パッと思い浮かんだ100パターンから『大局観(SN)』を経て3つくらいに絞り込んで、最終的に論理的考えて一番勝てる手に決める『決断力(CEN)』。

将棋の勝負では、この3つの思考パターンの繰り返しです。

賢く勝てる人の思考の特徴

2018年ハーバード大学で行われた「普通の人」と「イノベーティブ(革新的)な人」で3つの脳内ネットワークの使い方がどう違うのかを調べた研究によると、「イノベーティブ(革新的)な人」は「普通の人」に比べて3つのネットワークの切り替えがうまく、「普通の人」は特定のモードに偏りがちな傾向があるという結果が出たそうです。

つまり将棋界の革命児ともいえる藤井聡太さんや勝ち続ける羽生善治さんは、この3つの思考の切り替えにとても優れているのは間違いないでしょう。

思考経路を切り替えるスイッチは?

3つの思考の切り替えが苦手な普通の人は、まず3つの思考の違いを意識することが必要です。

3つの思考モードにはそれぞれ特徴があり、意識的に環境を変えることで切り替えやすくすることができます。

直感力(DMN)の特徴と切り替えスイッチ

「アイデアは一生懸命考えている時よりもお風呂やトイレに入っている時にいきなり浮かぶ」「アイデアが突然降ってくる」などとよく言われますが、DMN(デフォルトモードネットワーク)はひとりでボーッとしている時に優位になる思考モード(脳ネットワーク)です。

この仕組みは昔から変わらないようで、北宋時代の中国の詩人で文学者の欧陽脩は、「三上」:「馬上(乗り物に乗っているとき)」「枕上(布団で寝ているとき)」「厠上(トイレにいるとき)」の時にアイデアが生まれやすいと残しています。

つまり直感力を意識的に優位にしたい場合のスイッチは「ひとりでボーッとすること」と言えます。

決断力(CEN)の特徴と切り替えスイッチ

論理的な思考で決断するための「CEN(セントラルエグゼクティブネットワーク)」はみんなと議論している時に自然とスイッチが入る思考モードと言われています。

この観点で面白いのが「何かを決めるためではなく新しいアイデアを出すために行うブレスト(ブレインストーミング)」では、実は新しいアイデアが生まれることはほとんどなく、みんなの前でアイデアを発言したり周りの意見を聞くことでアイデアを精査して決断する思考モードに入っているということです。

確かにチーム全体でみればいろんな意見が集まるので自分ひとりでは出なかったアイデアを共有できる機会にはなりますが、個々人で見るとアイデアを生み出す思考モードではなく、決断する思考モードになっています。

大局観(SN)の特徴と切り替えスイッチ

「大局観(SN)」は直観と論理(決断)の間を行き来するモードですが、これを苦手とする人がほとんどなので多くの人の思考は直感か論理に偏っています。

森全体を見る俯瞰(ミクロ)視点と森の中の植物ひとつひとつに目を向けるマクロ視点を高速で往復して大局(全体像)を把握するのが大局観(SN)なので、現場も経営もどっちもいけるプレイングマネージャーのように忙しい思考回路で疲れますが、具体と抽象を行き来して偏りや漏れがなく全体を把握できるためより精度の高い状況判断や決断ができます。

つまり不安や変化の多い人生100年時代をより豊かに生きるには、大局観(SN)を意識的に鍛える必要がありそうです。

日常の思考パターンを整理する

では、私たちの日常生活の中のどんな時にどんな思考パターンが優位になっているのでしょうか?

思考パターンを整理するにあたって、私たちの普段生活場面を4つに区切ってみます。

何か目的に向かったアウトプット(結果)が求められている状態(仕事中/ON)とそこにいるだけで良いとされている状態(プライベート/Off)を横軸、ひとりの状態とみんなの状態を縦軸にして4つに区切ります。

ひとり
仕事(ON) 知的生産(企画・勉強・読書・資料作成など) ボーッとする時間(お風呂・トイレ・散歩・マインドフルネスなど) プライベート(OFF)
普段の仕事や雑務(会議・プレゼン・商談など) 遊びや趣味(雑談・飲み会・スポーツ・旅行など)
みんな

大局観(SN)を鍛える時間とは

人はみんなで目的を共有している時ほど論理的になり、ひとりでボーッとしている時ほど直感的な思考になる傾向があり、じっくりと考える仕事や複雑な課題はひとりの方が捗りますが、単純な事務作業はみんながいる場所の方が捗ると言われています。

4分類のうち右上にいくほど直感力(DMN)優位になり、左下にいくほど決断力(CEN)優位になるので、大大局観(SN)を鍛えられるのは、みんなでただ時間を共有している時か一人で作業に打ち込んでいる時です。

効率が求めら、簡単に欲しい情報が手に入る現代では、大局観を育む時間が減っていると言われています。

対局観を鍛えると、見ているものは同じでも視点が抽象と具象の行き来で大きく変わるため今まで見えていなかったものが見えてくるようになり、他人には見えないようなアイデアや戦略にたどり着く機会も増えて行きます。

没頭できる趣味の時間や大切な人とのたわいもない会話こそこれからの時代を賢く生きるために脳トレ時間として見直す必要があるかもしれません。

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