脳トレと筋トレはまったく別のものだと思っていませんか?
筋トレには様々なアプローチ方法がありますが、脳の機能や神経伝達を一緒に鍛える必要があるため【筋トレ=脳トレ】と考えたほうが合理的です。
筋トレと脳トレの関係
近年「脳トレ」ブームでオンラインゲームや書籍でも様々なトレーニング教材が発売されている一方、ボディメイクやダイエットを目的とした「筋トレ」もまたブームです。
脳トレは筋肉に直接アプローチをするものではありませんが、情報を処理しアウトプットするという意味では筋力トレをする際にも有効に作用する機能を鍛えることもできますし、筋トレに関してはいくつかのアプローチ方法がありますが、ほとんどの場合において脳の機能を一緒に鍛える必要があるため、筋トレ=脳トレと考えたほうが合理的だし望む結果を導きやすくなります。
高齢者の交通事故を激減させたある方法
筋トレと脳トレの関係がよくわかる面白いアメリカの研究報告があるので紹介したいと思います。
アメリカは、言わずとしれた車社会で高齢者の交通事故が社会問題化し、原因としてドライバーの脳が「危ない!」と察知してから実際にブレーキを踏むまでの時間が長いことが挙げられていました。
そこで、政府は高齢者にいわゆる机上での脳トレを推奨して脳の活性化を図りましたが成果が現れませんでした。
それならと、今度は危険を察知してから実際にブレーキを踏むまでの過程を医学的・解剖学的に分析し、脳から筋肉への神経経路を鍛える筋トレのような脳トレを推奨したところ交通事故が大幅に減ったそうです。
何をするにも脳と神経が働く
危険を察知してからブレーキを踏む行為は言葉にするとたった一行ですし、時間にしても数秒ですが、医学的にその経路を説明すると細胞レベルの話は省略してものすごく簡略化しても以下のような長くなります。
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これらの反応速度が全体として遅くなる理由は神経の伝達速度の低下なので、神経の伝達速度をあげるような筋力(=脳力)トレーニングをすればいいということになります。
スポーツのパフォーマンス強化も【筋トレ + 脳トレ】
筋トレは単に筋肉を太く強くするためのものではなく(ボディビルディングなど筋肉の肥大やデザインを主な目的となる筋トレもありますが…)、目的に応じて素早く適切な動作を起こすために行います。
スポーツ選手のトレーニング方法に当てはめてみるとわかりやすいと思いますが、スポーツはかなり特殊な環境で、特殊な姿勢でバランスを取り、瞬間の筋の最大出力を高めることで身体の限界に挑み記録に挑むものなので、脳から筋肉への神経伝達経路を鍛えるという視点は必要不可欠です。
【筋トレ + 脳トレ】は現代人の脳疲労解消にも有効
現代人はかつてないほど脳で情報を処理する必要性が増えています。
肉体は疲れていないのに、脳が疲労して全身のバランスが崩れている人が非常に多くいます。
そんな現代人にとって、体を使うスポーツやトレーニングは心身のリフレッシュにとっても重要な役割を果たしますが、普段使わない体の使い方をすることによって脳の機能が活性化していることも有効に働いていると言えます。
忙しい人ほど、日々頭を使う仕事をしている人ほど、あえて時間をとってスポーツや筋トレなどで普段使わない神経経路に刺激を入れてみることをお勧めします。
【筋トレ + 脳トレ】を意識すると、身体の健康効果に加えて、今まで以上に脳機能が上がるので仕事や勉強のパフォーマンスは上がっていき、同じ時間で処理できる仕事量が増えていきますし、今まで気がつかなかったりできなかったことができるようになったという声も多く聞きます。
毎日10分でも、定期的に脳トレのつもりで筋トレやスポーツをしてみると、それだけで人生よい方向に変わっていきます。
脳は使えば使うほど活性化する
年齢を重ねても、「頭を使えば使うほど良くなる」と言われています。
神経細胞自体は増えることはなくむしろ加齢とともに減少していくのですが、神経細胞の多くは樹状突起を持っていて、他のニューロンと接合して神経回路としてのネットワークを形成する樹状突起は、年齢関係なく経験や知識を学習すればするほど成長します。
脳を鍛えながら健康で楽しく長い人生を楽しみましょう!