「球麻痺と仮性球麻痺」の違いを「解剖生理学構造の観点」から理解し、上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害の違いも理解しましょう。
球麻痺と仮性球麻痺の違いは?
構音障害(しゃべりにくい、呂律がまわらない)や嚥下障害(食べ物や飲み物が飲み込みにくい)が出る病態に、『球麻痺』がありますが、よく似た名前の『仮性(偽性)球麻痺』という病態もあります。
この2つの違いは一体何でしょうか?
『上位運動ニューロン』と『下位運動ニューロン』
球麻痺と仮性球麻痺の違いは、問題のある場所(原因)の違いです。
問題のある部位が、中枢(上位運動ニューロン)か末梢(下位運動ニューロン)かの違いで、名前や症状が似ており、言葉で書くと同じように聞こえますが、全く異なる病態です。
球麻痺とは(Bulbar Palsy)
球麻痺の定義、病理、症状の特徴、代表疾患について簡潔にまとめています。
球麻痺の定義
延髄の運動神経核の障害(下位運動ニューロン障害)
延髄にある脳神経の運動神経核の障害によって発語、発声、嚥下、呼吸、循環などの障害を来たすもの
**延髄を外側から見ると球(ボール)のようにみえるため、延髄の麻痺=球麻痺という名前になりましたが、臨床上は運動麻痺に限定しています。
球麻痺の病理
球麻痺の症状の特徴
球麻痺を伴う代表疾患:下位運動ニューロン障害
仮性(偽性)球麻痺とは (Pseudobulbar Palsy)
球麻痺の定義、病理、症状の特徴、代表疾患について簡潔にまとめています。
仮性(偽性)球麻痺の定義
両側性の皮質脊髄路の障害(上位運動ニューロン障害)
大脳皮質と下位運動脳神経核を結ぶ経路(皮質核路)の両側性障害により起こる軟口蓋、咽頭、喉頭、舌などの運動麻痺
仮性(偽性)球麻痺の病理
仮性(偽性)球麻痺の症状の特徴
仮性(偽性)球麻痺を伴う代表疾患:上位運動ニューロン障害
「上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害」の違い
上位運動ニューロン(中枢神経)と下位運動ニューロン(末梢神経)の違いの理解は非常に重要です。
「球麻痺と仮性球麻痺の違い」は、上位運動ニューロン(中枢神経)と下位運動ニューロン(末梢神経)の違いを理解するとてもよい例です。
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