【正しい姿勢とは?】美しく機能的な姿勢を維持するための解剖学

姿勢の解剖学
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年齢を重ねても若々しくみえてパフォーマンスが常に高い健康な人と、年齢相応もしくは老けて見えてしまう人の差は【姿勢】であり、姿勢をつくるのは骨格と筋肉です。

姿勢が良いと人生得することだらけで、肩こり・腰痛・O脚・便秘・生理痛・倦怠感・肌荒れ・ぽっこりお腹、など多くの現代人が悩まされている症状は、正しく筋肉を鍛えて、骨格を整え、良い姿勢を維持することでほぼ100%解決します。

機能的で美しい【良い姿勢】を維持するための筋肉と骨格の構造を理解して、効率よく動ける健康で若々しいスタイルの自分を維持しましょう。

姿勢が良い人と悪い人の違い

【姿勢が良い】と人生得することだらけです。

左右対称でバランスのよい姿勢を人は美しいと感じるので、「姿勢が良い」だけで実年齢より若く見えたり、自信がありそうに見えるなど、相手に与える見た目の印象がよくなります。

更に、人間の身体はそもそも無駄なく無理なく動ける高性能マシンとして作られているので、その本来の機能構造を生かす【良い姿勢】を保つことで、無駄なエネルギーを使わないので疲れにくく、怪我などを予防しつつ最大のパフォーマンスを発揮できます。

人は寝ている時以外は必ず何らかの作業や運動をしていますが、作業や運動をしている際に身体の各部分の位置関係や空間に占める位置、つまり【姿勢】がどうなっているかで使う筋肉や必要なエネルギー量なども変わります。パフォーマンスが大きく変わります。

姿勢が良い 姿勢が悪い
第一印象 良い/若く見える 悪い/老けて見える
健康状態 良い 悪い
パフォーマンス 高い(疲れにくい) 低い(疲れやすい)
自信 あるように見える なさそうに見える

一方、姿勢が悪いと見た目で良い印象をもたれないだけでなく、呼吸、循環、基礎代謝など人間としての基礎機も低下するため、肩こり、腰痛、不眠、肌荒れ、太り気味、眼精疲労、など身体の不良や悩みを引き起こしてしまいます。

実際、多くの現代人が悩む身体のトラブルや不調のほとんどが姿勢の悪さによる身体の機能不全(本来の機能が十分に発揮できていない)が原因になっています。

身体が本来の機能を発揮できない状態が長期間続けば(姿勢の悪さを放置すれば)、脳卒中、高血圧、心筋梗塞、糖尿病などいわゆる生活習慣病と呼ばれる病気や、慢性腰痛や膝関節症などで活動が制限されるような機能障害につながってしまいます。

そもそも【姿勢】とは?

【姿勢】とは、空間における身体のパーツのポジショニングです。

そして姿勢の軸となるものは【骨格】であり、骨格を動かしたり特定の姿勢(空間での骨格の位置)を保持する役割を果たしているのが【筋肉】です。

人は職業や生活スタイルによって、特定の姿勢維持したり、姿勢を変えたりしながら様々な活動を行っています。

パソコンで長時間作業をしている姿勢、片手でバックや荷物を持っている移動する姿勢、電車で脚を組んでスマホを見ている姿勢、ソファでダラリとくつろぐ姿勢、など様々な姿勢がありますが、それぞれ身体のパーツの配置(ポジショニング)が異なります。

私たちは普段、いろんな姿勢を意識せずに保持できていますが、本来のアライメント(バランスが良く機能的な姿勢)とは異なる悪い姿勢(特定の部位に負担がかかり非効率な姿勢)で生活する時間が長いと、全身のバランスが崩れて、身体の機能が正しく働かなくなってしまいます。

例えば、右脚を骨折して歩くときに右脚が使えなくなったら、今までは左右の脚で支えていた全身の体重を左脚と松葉杖などを使った腕で支えなければならなくなるので、怪我をする前には大変だと感じたことのなかった歩行や椅子からの立ち上がりでさえ、とてもエネルギーを使う動作になります。

日常生活において不良姿勢を続けるということは、これと同じようなことを繰り返しているのと同じです。

姿勢の軸は【背骨】

健康で疲れにくいパフォーマンスの高い【良い姿勢】の軸になるのは【背骨】です。

【背骨】は人体筋骨格構造の大黒柱であり、姿勢変化や様々な運動や活動の運動軸にもなります。

安定した大黒柱のある家では安心して生活をすることができるように、背骨を軸とした骨格が正常な位置にある身体は、内臓なども十分なスペースの中で滞りなく活動できるので、神経・ホルモン・血液・リンパなど生命維持のためのあらゆる流れが正常で、姿勢を維持する筋肉の負担も最小限なので、健康で疲れにくく、日々の活動のパフォーマンスは必然的に高くなります。

一方、背骨を軸とした骨格やゆがんだ身体では、内臓が圧迫されたり、神経や血液などの流れも滞りがちですし、バランスをとるために一部の筋肉に過剰な負担がかかるため、疲れやすく安定したパフォーマンスが出せないだけでなく、肩こり・腰痛・O脚・便秘・生理痛・倦怠感・腰痛・関節症など様々な病気や障害の原因となるのです。

【背骨】解剖学構造構造と重力

姿勢や活動の軸である背骨の解剖学構造を正しく理解する上では、【重力】と姿勢の関係を整理する必要があります。

【姿勢】は重力との戦い

人間は、脊椎動物の中でも二本足歩行を獲得することで、頭の位置(目線)を高くし、上肢や手を広範囲に使うことで文化的な活動や高度な運動パフォーマンスができるようになりました。

その一方で、重力の影響を強く受けながらも、少ない支持面で姿勢を保持しなければないという身体的に負荷の大きい活動を日常的に行わなけばいけなくなりました。

地球上の他の生物と比べると、私たちが姿勢を維持することがどれだけ大変かがよくわかると思います。

生物分類 骨格と重力
人間(二本足歩行) 24個積み木(背骨)の上に約5キロの球体(頭)が乗った重力に垂直な構造を二本足など少ない支持面で支えながら移動や活動をする
四足動物 4本足で体重を分散して支えていて、背骨は床と並行(人間が寝ている状態に近い)なので重力の影響を受けにくい
魚類や水中生物 骨格構造を持つが、浮力により陸上の1/7程度の重力の影響しかない
空を飛ぶ生物 空気の抵抗を強く受けるが、羽を除くと非常に軽いため重力の影響はほとんど受けない
植物 垂直方向に伸びているため人間同様に重力の影響を強く受けるが、しなやか繊維束構造で負荷を回避できる
微小生物 身体が小さいためほとんど影響を受けない

人体構造の一番上にある頭(顔)の重さは、体重50kgの人で約5キロ(体重の10%程度)もあります。

つまり、私たちは24個重ねた積み木の上に5キロもの球体を乗せたとても不安定な構造のバランスを取りながら、移動したり、腕や手を使って様々な作業をしながら生活をしています。

重力に対抗する背骨の構造

私たち人間の背骨も重力の影響をしなやかにかわす植物のように、柔軟性ある可動性を兼ね備えています。

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特に、姿勢維持や人間らしい機能的な運動を考える上でポイントとなるのが背骨の生理的湾曲です。

背骨は真横から見たときにS字を描くようなカーブをしています。

  • 頸椎のカーブ(前弯)
  • 胸椎のカーブ(後弯)
  • 腰椎のカーブ(前弯)

私たち人間は、独特の湾曲構造を獲得することで、重力に対して首(頭)を起こし、上半身を起こし、立ち上がり、二本足歩行ができるようになりました。

成長と背骨の変化

背骨の整理的湾曲構造は、生まれた直後から完成されているのではなく、私たちが生まれてから二本足歩行を獲得するまでの成長過程で形成されます。

時期 背骨の形状 状態
新生児 弓形 首がすわっていない
3ヶ月 頸椎の前弯ができる 首がすわるようになる
6ヶ月 胸椎の後弯ができる お座りができるようになる
1年 腰椎の前弯ができることで背骨がS字が完成 立って歩いたり動作ができる

生まれたばかりの赤ちゃんは頭を背骨に乗せることができません(首が座らない)が、これはまだ背骨が弓形だからです。

3ヶ月頃になると頸椎の前弯ができ、「首がすわっている」状態が作れるようになります。

6ヶ月頃になると胸椎の後弯ができ、上半身を起こして維持する「お座り」ができるようになります。

1歳になるころには、腰椎の前弯ができることで背骨がS字が完成し、立ち上がりや二本足歩行ができるようになります。

つまり、私たちが寝返り→四つ這い→二本足で立てるようになるまでの過程で、重力に対抗して姿勢を維持できる骨格にアップグレードさせているのです。

姿勢を維持する筋肉と筋力

骨格を動かし様々な運動をするめに筋肉の作用が必要なことはみんな知っていますが、姿勢を維持するためにも非常に多くの筋肉が活動しています。

モデルや芸能人など見られる仕事でもしていない限り、普段姿勢を意識することはないかもしれませんが、私たちは、激しいスポーツをしている時だけでなく、寝ている時やボーッとしている時でも姿勢の維持や変化、重力や外力に対する影響から身体を守るために筋肉が作用しています。

年々筋力の衰えを感じている人も多いと思いますが、筋肉は年齢問わず鍛えれば鍛えるほど増強することができますが、使わなければ確実に退化していきます。

「老」という感じは腰が曲がって顎が突き出た老人の姿を形どったものだと言われるように、老人の腰が曲がるのは身体の軸となる背骨周りの筋肉や腹筋や背筋など背骨の正常なアライメントを保つ為に十分な体幹の筋肉量が少なくなることから始まります。

いきなり骨が変形することはありません。

現代は、スマホやパソコンなどの電子機器や交通機関も発達し、「意識」しないと運動不足になってしまいまうだけでなく、機能的ではない猫背のような姿勢を長時間保持することが多くなっています。

姿勢不良が原因で体調不良が生じている時は、ジムへ行ったり、スポーツをしようとすると、更に身体に負担をかけてしまいます。

まずは、正しい骨格を理解し、普段から機能的な姿勢で過ごすように意識した方が、有効な筋トレになります。

良い姿勢が維持できるようになると、普段の無駄なエネルギー消費や疲労感がなくなり、運動のパフォーマンスが上がるので、自然と運動量も増えて行きますし、本格的にスポーツやヨガなどを始めた時も怪我などなく効果を最大限楽しめます。

正しい姿勢の作り方

無駄なエネルギーを使わずパフォーマンスが高い機能的な姿勢を作維持するには、大きく以下の2つの要素が必要です。

  • 正しい姿勢を理解して意識する
  • 正しい姿勢を維持する筋肉を理解して意識する

不良姿勢が定着してしまっている場合、最初は難しいとか、辛いと感じるかもしれません。

でも、【良い姿勢】はもともと人間が標準装備している機能パフォーマンスの高い姿勢のことなので、むしろ不良姿勢であることが不自然です。

背骨をチェック

まず姿勢の軸である背骨のラインが正常かどうかをチェックしましょう。

真横からの静止姿勢をチェックし、以下の身体の部位をつないだラインが一直線になっていれば、機能的な背骨のラインが維持できています。

  • 肩先
  • ウェストの中心
  • 太ももの真ん中
  • くるぶし

背骨は重力を効果的に分散させつつ多様で機能的な動きを作るためにある構造なので、背骨ラインの変化から姿勢の特徴や問題点が浮き彫りになります。

インナーマッスルを鍛えて姿勢を整える

インナーマッスルは姿勢維持や調整が主な役割の筋肉群です。

インナーマッスルは骨の近くに付着する小さな筋肉で、外力や運動に対して姿勢を調整するような小さな動きしかしないので、大きな運動をする表層の筋肉(アウターマッスル)に比べて、存在を認識して意識的に動かすのは困難です。

呼吸や姿勢に意識を向けることが一番効果的なインナーマッスルの筋トレになりますが、インナーマッスルの解剖学構造理解も不可欠です。

普段の意識を変える

「上を向いて歩こうよ♪」と有名な歌にもあるように、目線を上に向ける、つまり頭を下に落とさないようにする意識も大切です。

ちなみに、セリフのないバレエでは身体の動きと表情ですべてを表現するのですが、頭が下に落ちることは絶対にないそうで、あるとすれば乞食の役の時だけだそうです。

ちょっと周りを見てみましょう。

印象のいい人というのは必ず目線が上を向いていませんか?

背筋がピン!と伸びた良い姿勢をしていませんか?

姿勢が良いとは身体が健康であることのひとつのバロメーターであるし、姿勢が良ければ身体の機能が円滑に働き、呼吸機能も十分に機能するので健康が自然に維持できますし、十分な酸素や血液が巡るので頭も冴えてスッキリしますし、目線も自然に上を向いてくるし、目にもチカラが宿ります。

姿勢にはパーソナリティや感情の影響も現れますので、気分が落ち込んだときに姿勢から整えるのも効果的です。

たとえば、自信や喜びなどプラスの感情は胸を張った姿勢に代表される伸展優位の姿勢として現れやすいし、劣等感や不安などのマイナスの感情は猫背に代表される屈曲優位の姿勢として表れやすい傾向があります。

気分が落ち込んだ時や相手に良い印象を与えたい時は、背筋の伸びた良い姿勢を意識することで相手に与える印象を良くすることができます。

なんとなく体調が優れないとか、元気が出ない時とかこそ、是非顔を上げて真っ直ぐ前をみるように心がけましょう。

胸を張って、大きく呼吸をして、脳に新鮮な酸素を送りましょう。

下を見るときも頭を落とすのではなく目線だけそっと落とすようにすれば、姿勢も崩れず印象も変わりません。

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