不機嫌な高齢者が急増!【脳の老化と幸福度の関係】〜世界幸福度ランキングで日本は?

ストレスとメンタル
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怒りっぽい高齢者やキレるお年寄りのニュースや体験談をよく聞くようになりましたが、高齢者は本当に若者よりも起こりっぽいのでしょうか?


脳の仕組みや年齢による変化、社会の仕組みなどからその真相を紐解いていき、キレやすい高齢者への適切な接し方や、最近イライラして怒りっぽくなっていると感じる人が脳機能を高めて幸福度をあげる生活のポイントを整理してまとめました。

高齢者の不機嫌が増加している

日本の高齢者の傷害及び暴行の検挙人員は、この10年ほどで急増していて、65~69歳の高齢者で5倍、70歳以上の高齢者で10倍になり、再犯者率も34.4%と非常に高い数字が記録されています。

年齢を重ねるほど丸く穏やかになる高齢者像が一般的だった日本に、今何が起こっているのでしょうか?

海外でも同じような傾向があるのでしょうか?

高齢者は怒りっぽくなる原因

高齢者が怒りっぽくなることを示した研究結果は、【Grumpy old man syndrome】や【Irritable male syndrome】など世界中にたくさんありますが、高齢者が怒りっぽくなる背景に以下のような要因があると考えられています。

  • 「高齢になると脳の前頭葉が収縮し、判断力が低下したり感情の抑制が利かなくなるため、怒りやすくなる」
  • 「40代ごろからセロトニンが減少する(感情が老化し始める)」
  • 「男性の場合は、男性ホルモンであるテストステロンが低下し、6〜70代になると女性の更年期にも似た抑うつ症状(イライラ・不安・精神不安定)が起きる」
  • 「女性の場合は、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が減少し、更年期障害(特に感情のコントロールが難しく、イライラしたり怒りやすくなる)が生じる」
  • 「認知症や脳血管障害による機能障害(高次機能障害・感情失禁・脱抑制)」
  • 歳をとると人は穏やかになる説の方が有力

    「年を取るほど脳の前頭皮質が薄くなり、よりしわになることなどから、気が長くなり、穏やかになる」、「人間は年を取るほど、神経質ではなくなり、学習から感情をコントロールしやすくなると同時に、誠実さと協調性が増し、責任感が高まり、より敵対的でなくなる」など結論付けた研究がありなど、世界では現在でも「年を取るとより性格が穏やかに優しくなる」という説の方が有力です。

    お年寄りになればなるほど話し方がゆっくりになり、気は短くなるというより長くなる印象があり、科学的にその傾向を実証するデータは多く存在します。

    年齢と幸福度の関係

    また、欧米では年齢を重ねると幸福度が増す傾向が顕著に出ていて、その背景として以下のような要因があると分析しています。

  • 年を取るほど争いごとが少なくなり、争いごとに対するより良い解決法を出せること
  • 感情をコントロールすることを学び、怒りっぽくなくなる
  • 死が近づくと長期的なゴールを気にしなくてよくなるため、今を生きることが上手になる
  • 先進国の年代別の幸福度を追った調査では、子供の頃は非常に高いが、成人になるにつれて下がり中年ごろで最も低くなるが、高齢になるにしたがってまた上がっていくUカーブの傾向が出ています。

    日本の高齢者の幸福度が下がっている理由

    かつての日本の高齢者のイメージも、どちらかといえば年齢を重ねるごとに穏やかになっている印象があったため、特に最近の「不機嫌な高齢者が増えている傾向」が注目されています。

    高齢になれば、病気・身体的な不自由・金銭的な不安などさまざまな要素がありますが、これらは世界各国共通の話なので、日本で近年高齢者の幸福度が急激に下がっている背景には日本特有の原因がありそうです。

    幸福度を測るランキング調査などでも、日本は先進国の中では下から数えた方が早いようなかなり低い順位に終わることが多く、日本人はもともとこうした調査において自分が本当に感じているよりも低めの点数をつける傾向があることを含めても、幸福度を感じることを積極的に求めない国民性も関係しているかもしれません。

    「キレる高齢者が増えている」と指摘する若者の意見に対し、高齢者の立場からさまざまな意見を集めた資料を見ていると、背景には様々なものがあれど共通点が浮かび上がってきます。

    以下のような様々な要因で「満たされない承認欲求」または「自分の居場所がない喪失感」から生きがいを感じられないことです。

  • 仕事一筋で生きていきた人が会社という所属を失ったとき
  • 家庭内で孤独を感じたとき
  • 急激に変化する時代に適応できていないと感じたとき
  • 自分がこれまで信じてきた正義や価値観が通用しなくなったとき
  • プライドを傷つけられたとき
  • 自分が積み上げてきたものが評価されない・通用しないととき
  • 満たされない孤独や寂しさから、イライラや不満につながっていくのです。

    起こりっぽい人のへの上手な接し方

    身の回りに「起こりっぽい」「いつも不機嫌」と感じる人がいる場合は、その背景を理解した上で対応を工夫すると、多くの場合で円滑におさまります。

    敬意を示す

    コミュニケーションを円滑にするには、相手への立場を尊重して、敬意を忘れないことが何より重要です。

    高齢者の方は、長い人生で培ってきた人生経験とプライドがあるので、人生の先輩として敬う姿勢をは絶対に忘れてはいけません。

    すぐ応戦せずにペースや場所を変える

    怒っていたり、イライラしている人の対してすぐに応戦したり、相手と同じペースでやり返そうとすると、お互いに怒りや不機嫌がどんどんエスカレートします。

    まず、「一呼吸おく」「まず座りましょうか」「場所を変えておちついて話しましょうか」とお互い気持ちをおちつける時間を上手にとるようにしましょう。

    たった6秒時間を置くだけでも、怒りの感情は落ち着きます。

    怒りの背景にある感情や思いに寄り添う

    怒りや不機嫌の背景には、心配・寂しさ・不甲斐なさ・恥ずかしさ・残念・不安・悲しみなどがあるので、表に出ている怒りや不機嫌だけでなく、その背景にあるものに目を向けると、相手が本当に求めている物がわかり、冷静に対応できます。

    正論を押し付けない

    人は感情の生き物なので、それぞれ生きてきた時代と成功体験があるため、理論的に正しいと思っても感情が拒否するケースは多々あります。

    世代のギャップなどで相手の対応や言動を理不尽に感じることがあっても、一方的にこちら側の正論(正義)を押し付ける姿勢は避けましょう。

    不機嫌にならない生活のコツ

    加齢に伴い、怒りっぽくなっている、幸福感が下がっていると実感がある場合は、以下の項目を意識してみてください。

    脳を活性化させ、幸福ホルモンであるセロトニン分泌を促すためには、生活習慣を整え、積極的な社会交流や新しい挑戦が有効です。

    家族や身近な人とのかかわりを増やす

    仕事に没頭していた人は特に、会社を定年した途端、所属がなくなり、強い孤独を感じるようになってしまい、これは「不機嫌な高齢者」が日本で急増している大きな要因です。

    忙しい時間の合間でも、家族や友人と時間を大切にする、特に家族や身近な人とのコミュニケーションを大切にする意識を持つだけで、その後の人生の幸福度が大きく変わります。

    生活を整える

    規則正しい健康的な食生活をして、十分な睡眠時間を確保することで、ストレスや不安が軽減できます。

    特に、自律神経によって制御されていて、またドーパミンやセロトニンなど神経伝達物質の元のなる成分の90%以上を生産しているため腸内環境を整えておくことでストレス耐性を高めて、幸福感を感じやすくする効果が期待できます。

    ワクワク・ドキドキの初体験をする

    前頭葉を刺激するなら、ふだんと違うことをするのがいちばん効果的なので、例えば、いつも朝は家でコーヒーを飲んでいたけど、今日は喫茶店で飲んでみるとか、あえて紅茶をオーダーしてみるとか、ささいなことでもいいので、ドキドキ・ワクワクする小さな変化を楽しみましょう。

    四季の変化に目を向け、自然を五感で感じるだけでも、心身とも癒されつつ、脳の活性化が期待できます。

    決めつけずにまずは行動してみる

    年齢を重ねると、過去の経験にとらわれて、どうしても行動を起こす前から「こうすべき」「こうなるに決まってる」と決めつけてしまいがち。

    たとえ失敗したとしても、その想定外の出来事が前頭葉を刺激し、感情の老化を防いでくれるのだから、子供のころみたいに、あまり考えずにやりたいと思ったことはまず挑戦してみる、行動してみることも大切です。

    人間関係を広げる・恋愛する

    前頭葉が衰えると意欲がなくなり、引きこもりがちになり、ますます孤独を感じて不機嫌になりやすくなります。

    地域のイベント、趣味のサークル、ボランティア、習い事など仕事以外の趣味や楽しみの人間関係を確保し、人との関係を楽しみましょう。

    特に恋愛はいくつになっても脳活性化に有効で、好きな芸能人や気になる人がいるだけでも生活にハリがでます。

    高齢者が幸せを感じる社会とは

    日本は世界でトップクラスの高齢化社会で、2025年に向けて高齢化社会はますます深刻化していきます。

    社会全体に高齢者が増えたから高齢者の問題が目立つようになった部分もありますが、高齢者の承認欲求や寂しさを満たすような社会インフラや共通認識も必要です。

    まず私たちが今すぐできることは、相手に配慮したコミュニケーションです。

    挨拶、感謝、褒めるなどポジティブな言葉がけが街中で自然と行われるだけでも、人間の幸福度は高められます。

    世界を見ていても、お互い笑顔に気軽に声を掛け合う国民性の国は幸福度が高い傾向があります。

    まずは笑顔で挨拶から、みんなで始めませんか?

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