重症筋無力症 【症状】【原因/病理】【検査/診断】【治療】【予後】

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重症筋無力症について説明できますか?

重症筋無力症について、
【症状】【原因/病理】【検査/診断】【治療】【予後】と
5つの観点に分けて解説しています。

重症筋無力症の概要

神経接合部のAChRの障害による疾患
日本では神経難病に指定されています。

重症筋無力症の症状

部位別の特徴

障害される部位により
様々な症状が出現します。

眼の周りの筋肉

・まぶたが落ちてくる
・ものが二重に見える
・斜視
・目が疲れる
・まぶしい

口の周りの筋肉

・ものがかみにくい
・のみこみにくい
・つばがあふれる
・食べたり飲んだりするとむせる
・しゃべりにくい
・鼻声になる

顔の筋肉

・表情がうまくつくれない
・笑おうとしても怒ったような顔になる

手足の筋肉

・持ったものを落す
・字が書けない
・立てない
・歩けない
・階段が昇れない
・洗濯ものがほせない
・おふろで頭が洗えない

呼吸筋

・息がしにくい

胸腺の病変

高い確率で胸線に病変を認める

胸線腫(10―15%)
胸線過形成(70%)

初発症状

約2/3が眼の症状で発症

・眼瞼下垂
・眼球運動障害
・複視

咀嚼、嚥下、構音障害などの
口咽頭障害からの発症は 1/6程

筋力低下からの発症は、
10%程度。

症状の経過

・眼瞼型:眼症状のみにとどまる患者:約10%
・全身型:進行性(1年以内):50%
・進行性(2~3年以内):30%

重症筋無力症の原因・病理

自己抗体がAChRの障害する自己免疫疾患で
AChRの構造変化が著しい

運動神経興奮が
神経筋接合部のAChRへ伝達されない

易疲労性
筋力低下

重症筋無力症の検査・診断

・血液検査
・エドロホニウム試験
・電気生理学的検査
・胸部X線
・CT
・MRI
など

重症筋無力症の治療

・抗コリンエステラーゼ剤
・早期拡大胸腺(腫)摘出術
・クリーゼの治療
・免疫抑制剤
・ステロイド剤
・血漿交換療法
・免疫グロブリン大量療法

重症筋無力症の予後

薬物コントロールや
先を見越しての治療を行うことで
予後は比較的良好

神経筋接合部疾患とは?

アセチルコリン(ACh)の放出、受容
AChEの障害により、病変が出現すること
毒物や薬物なども神経接合部に作用し、
随意運動、呼吸筋を障害する。

1)ACh受容に障害:重症筋無力症
(AChRへの自己抗体が、神経接合部の
情報伝達をブロック)

2)ACh放出に障害:ランバートイートン筋無力症候群
(VGCCへの抗体によりACh放出が障害される)
傍腫瘍性症候群とも呼ばれる
眼症状は少なく、近位筋力低下が目立つ

ヘビ毒、フグ毒、毒グモ、ボツリヌスなども
神経接合部に作用

3)AChEの障害:サソリ、有機リン中毒
(AChが分解されず、ACh自体が毒物となる)

神経接合部の構造と役割

人間が動くため(随意運動)には、
脳からの指令が末梢神経を経て
骨格筋へと伝わり、筋収縮が生じる必要があります。

その際、神経終末と筋側の受容体とから構成されている
神経筋接合部にて、アセチルコリンによる
情報伝達が行われています。

神経終末では、膜の脱分極とともに、
アセチルコリン(ACh)が放出

筋膜側では、アセチルコリン受容体(AChR)へ
ACh分子が結合し、ACh受容体の構造が変化
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)によって分解される。

まとめ

神経内科学とは正常との比較から病理を追求する学問です。

人間にとって正常な状態から逸脱する何かが起こった時、それは病気になります。
そのため、病気がどうかを知るためには、まず正常を正しく理解している必要があります。

神経内科学においては、病名や症状を覚える事に意味はありません。
それらは全て後付けだからです。

病気や病理について学び、理解を深めることの意義は、なぜその症状が起こるのか、
を正常との比較から追求していく事により、問題点を導き出してより適切な解決方法、予防方法を探求していくことにあります。

この考え方でできるようになる事によって、
健康維持を含めあらゆる身体の問題解決ができるようになる力が育成されていきますので、
この観点を忘れずに勉強していきましょう。

病気や病理は、知るのではなく理解する事、
自分自身の健康維持に生かして初めて有意義なものになります。

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