運動麻痺の分類3 ~末梢性障害(下位運動ニューロン障害)の部位別症状~

この記事は3分で読めます

運動麻痺について正しく評価できていますか?

運動麻痺は
損傷部位や損傷の仕方によって
症状の出方が異なります。

・・ということは、
症状から損傷部位をある程度特定する事も
損傷の状況から症状を予測することも
可能です。

それぞれの損傷部位と症状の出方について
スッキリと整理できていますか?

運動麻痺の分類の仕方−3

今回は、下位運動ニューロンの障害を
障害の部位ごとにまとました。

下位運動ニューロン障害

下位運動ニューロン障害とは、
脊髄前角細胞、脊髄前根部の障害のことで、
代表的疾患としては、
ポリオ(ポリオウィルスによる急性脊髄前角炎)
進行性脊髄性筋委縮症(アラン=ドゥシェンヌ型)
などがあります。

障害部位別症状の特徴

脊髄前角細胞/脊髄前根部の障害

損傷された前角細胞、前根を通る
ニューロンが支配している筋群にのみ
麻痺が起こる

脊髄前角細胞そのものが損傷

→麻痺の筋肉がピクピクと痙攣する
繊維束攣縮が生じる

末梢神経の障害

末梢神経は、一般に下位運動ニューロンのことですが、
わかりやすくするために、
所定の筋肉へ向かう脊髄神経として説明します。

末梢神経が障害

2~3日経過すると神経変性
(ワーラー変性)

神経再生の可能性あり
50~60%程度の回復
*中枢神経は再生困難

腕神経叢の障害

第4頸髄~第1胸髄までの
脊髄神経根が合流して
網の目状に走行

神経根が単独で障害されても
症状は比較的経度

例:
C5~C6:肩~肘の運動障害
C8~Th1:肘伸展困難

代表的疾患
肩や上腕の強打、引き抜き損傷
肺尖部の腫瘍(パンコースト症候群)
前斜角筋症候群

正中神経の障害

母指、示指の屈曲困難

握りこぶしをれない

母指球の萎縮

母指と手のひらが同じ面を向く
(猿手と呼ばれる)

代表的疾患
手根管症候群
(肥厚した横手根靭帯による圧迫)

正中神経の支配域の知覚、運動障害
筋萎縮、前腕、手指の激痛

尺骨神経の障害

小指球と骨間筋の萎縮

鷲手
(フロマン兆候陽性)

撓骨神経の障害

肘、手関節、中手指節関節伸展困難

下垂手

*最も頻度が高い
長時間の腕枕、
酔っ払いがベンチの背に腕をかけて
寝込んだ場合などにも起こります。

神経-筋接合部の障害

大脳皮質から神経線維を筋肉に伝える重要な物質

神経線維の末端から放出されるアセチルコリン

代表的疾患
神経接合部でのアセチルコリンの放出障害:イートンランバート症候群
筋肉側のアセチルコリンの受入障害:重症筋無力症

各髄節レベルの支配筋領域

頸部:C1~C4
肩:C4~C8
上腕:C5~C8
前腕:C5~Th1
手:C7~Th1
体幹:Th2~Th12
横隔膜:C3~C5
臀部:L1~S1
大腿:L4~S2
下腿:L4~S2
足:L4~S2
会陰:S3~S4

神経根障害の診断方法

《上肢神経根障害の場合》
★C5根障害の神経学的特徴

-筋力検査:三角筋(C5) 上腕二頭筋(C5,C6)
*測定のしやすさ、ほぼ純粋にC5支配である三角筋がよいが
もっとも三角筋が働く外転時でも
ほかの筋の共同作用との関係をみて判断が必要
棘上筋/前鋸筋

-反射検査:上腕二頭筋腱反射

-知覚検査:上腕二頭筋腱反射

まとめ

中枢と抹消では働きが異なるため、
麻痺の性質が大きく異なります。

病気を評価するためには
まず正常の仕組みを理解していることが
大前提になりますが、
麻痺を見る際にも
この原則が当てはまります。

中枢神経の分類についてはこちら

運動麻痺の分類2 ~中枢性障害(上位運動ニューロン障害)の部位別症状~ 

中枢神経と末梢神経の分類についてはこちら

運動麻痺の分類1 ~中枢性と末梢性麻痺 上位と下位運動ニューロン~ 

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