運動麻痺のみかた1 ~正常の運動神経路(錐体路)の仕組み~

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運動麻痺について説明できますか?

麻痺 まひ マヒ
この言葉の意味を正しく理解していますか?

この章を読むと、麻痺と運動神経路の仕組みについて整理できるようになります。

脳卒中によって片麻痺がおこるというのはよく知られる様になってきましたが、麻痺をおこす原因は、他にもありますし、麻痺の症状や経過も様々です。

今回は、「麻痺」についてその仕組みや症状の見方についてまとめています。

運動麻痺のみかた ~正常の運動神経路(錐体路)の仕組み~

運動神経経路の仕組み

まず、正常の運動経路がどのような仕組みになっているのか確認するところからはじめます。

前提:手足、体幹、顔、あらゆる筋肉は、大脳からの指令によって動きます。

大脳にも役割分担があることは「大脳の役割分担」と言う記事でおおまかに解説していますが、運動の指令を統括している大脳皮質の部位は、中心前回(運動領野)と呼ばれる中心溝のすぐ前方にある脳の隆起(脳回)です。

運動領野は、大脳円蓋部に沿って内側面から以下の順番で、それぞれの領域を支配している神経細胞が分布しています。



体幹



顔面



咽喉頭

 

運動神経経路

では、次にそれぞれの領域から出た指令はどのような経路を通って最終器官(筋肉)まで到達するのかを説明します。
大きく分けて、以下の2つの経路があります。

皮質脊髄路:手足、体幹への指令

錐体路とも呼ばれ、大脳白質を経て、内包の後半分を通過

中脳大脳脚中央部



延髄(腹側にある錐体を通過)

延髄と頸髄の境界部で神経繊維の大部分が交叉し反対側へ
(錐体交叉)

脊髄側索を下降(外側皮質脊髄路)

目的の脊髄髄節の脊髄前角
(ここまでが上位運動ニューロン)

直接運動器の筋肉に指令を送る
ニューロン(脊髄前角細胞)とシナプスを形成
(ここからが下位運動ニューロン)

皮質延髄路:顔面、口腔、咽頭への指令

皮質脊髄路と並んで内包へ

内方膝部を通過し中脳へ

脳幹の中で、皮質脊髄路と分れて反対側に交叉し、その側の中脳、橋、延髄内にあるそれぞれの神経核へ
(ここまでが上位運動ニューロン)

次のニューロンとシナプスを形成
(ここからが下位運動ニューロン)

12対の脳神経の中で運動に関係のある脳神経インパルスを伝える経路ともいえるので、
第1:嗅神経
第2:視神経
第8:聴神経
のように純粋な知覚だけの神経は、皮質延髄路に関係しません。

関与する神経は、以下の通りです。
第3:動眼神経
第4:滑車神経
第5:三叉神経
第6:外転神経
第7:顔面神経
第9:舌咽神経
第10:迷走神経
第11:副神経
第12:舌下神経

交叉の前で障害された場合、傷害側と麻痺側は反対になります。脳卒中の際に、右脳の傷害で左の手足に麻痺が出るのはこのような神経路の仕組みによるものです。また障害部位が、上位運動ニューロンなのか下位運動ニューロンなのか?によっても出てくる症状が全く違うので症状からの損傷部位も大まかに予測することができます。

錐体路の仕組み

広い意味では、皮質延髄路も錐体路に含めます。
だとすると錐体路の役割は、簡潔にまとめると以下のようになります。

「意図的な運動(随意運動)を手足、体幹、顔面、咽頭などに
起こさせるインパルスを伝達する中枢神経系の主要な伝導路」

さらに錐体路の上位運動ニューロンは、錐体外路と呼ばれる神経路とともに下位運動ニューロンに対し、反射や運動が過剰にならないように抑制する働きもあります。

そのため、錐体路が障害されると複雑な動きを巧みに行ったり、意図的な動きができなくなったり、腱反射が亢進したりします。

 

まとめ 

正常の仕組みを知ることで病気の原因も対処法もわかるようになる

正常の仕組みについて正しく理解することによって、病気の原因や対処法が理解できるようになるのはもちろんですが、正しい仕組みを知ることによって、パフォーマンスの向上や怪我や病気の予防に生かすこともできます。

是非この知識を有効に活用できるように自分の中でしっかりと消化していくようにしてください。

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