多発性硬化症〜ミエリン障害(脱髄)

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多発性硬化症は、神経細胞の軸索を覆っている「ミエリン」が障害(脱髄)される疾患で、【難病】に指定されています。


多発性硬化症の【症状】【原因・病理】【検査・診断】【治療・予後】について整理してまとめました。

多発性硬化症の由来

多発性硬化症は、亡くなった患者さんの脳や脊髄を手で触ると固く感じるような病変が多数あることからこの病名がつけられたそうです。

英語では、Multiple(多発する)Sclerosis(硬化)と表現され、頭文字をとってMS(エムエス)と呼ばれています。

多発性硬化症の原因・病理

多発性硬化症(MS)は、脳・脊髄・視神経を中心に、あらゆる神経に病巣(脱髄)が発生することで、様々な機能障害を呈する疾患です。

正常の神経伝達

電気ケーブルの導体まわりを絶縁体が囲っているように、正常な有髄神経線維では、神経の電気活動を伝える神経軸索の周りを髄鞘が囲っていていることで正常な神経伝達が行われています。

脱髄とは

脱髄は神経軸索を取り囲んでいる髄鞘が壊れて神経軸索がむき出しになった状態のため、神経の電気信号がスムースに伝達できなくなり、機能障害が生じます。

導体がむき出しになったような壊れた電気ケーブルでは電気が正常に伝達されず、家電が正常に動かないようなイメージです。

髄鞘(ミエリン)が障害される原因に「自己免疫」が関係していて、なんらかのきっかけで自分の細胞を自分で攻撃してしまうことで脱髄が起きているという説が有力ですが、未だ詳細は明らかになっていません。

多発性硬化症の症状

病巣より以下のように様々な症状を呈します。

また、経時的に悪化していく場合と、寛解(症状が一時的に軽くなったり消えたりするが病気が完全に治った状態ではない)と再発を繰り返しながら経過していく場合があります。

■視覚障害(視神経・脳機能)
・視力低下
・視野が欠ける
・二重に見える
・ぼやける
・文字が読めない
・色がわからない
・何となく暗い
・目を動かすと痛みを感じる
・目の奥が痛い

■運動障害(麻痺・失調)
・上手く歩けない
・力が入らない
・すぐに力がなくなってしまう
・ガクガクする
・つっぱる

■感覚障害
・感覚が鈍い
・温度の感覚がわからない
・熱さと冷たさの感覚が逆になる
・皮膚の上に薄い紙が置かれているような感じがする

■異常感覚
・チクチクする
・ピリピリする
・ジンジンする
・しびれる
・かゆい
・小さな虫が歩いているように感じる
・レルミッテ徴候(首を曲げると腰から足にかけてしびれや痛みが走る症候で発作的に起こる)

■痛み
・焼けるように痛い
・針で刺されたように痛い
・感電したように痛い
・体を何かで締め付けられているように痛い
・有痛性強直性痙攣(手足を動かすと痛みを伴っていわゆる「つった」状態になる)

■疲労
・急にエネルギーが切れた感じ
・起きたばかりなのに疲れている
・突然重度の疲労感を感じる

■めまい(平衡障害)・ふるえ ・ふらふらする
・まっすぐ歩けない
・酔っぱらっているよう、いつもグルグル回っている感じがする
・吐き気
・ふるえ

■言語障害

■嚥下障害

■しゃっくりがとまらなくなる

■排泄障害(自律神経障害)
・トイレの回数が多い
・急にトイレに行きたくなる
・尿が出にくい・失禁・残尿感
・便秘

■認知・感情の障害
・物忘れが多くなった
・判断力が低下した
・集中力がない
・うつ症状

■体温との関連
・「ウートフ徴候」:体温が上がると一時的に症状がひどくなったり、別の症状が出てきたりすることで体温が下がれば症状は回復する。
・お風呂に入ると力が入らなくなる
・お風呂に入ると視力が悪くなる
・運動すると体がふにゃふにゃになる

多発性硬化症の検査・診断

大脳および脊髄のMRI検査所見は必須で、以下3点が満たされた時に確定診断とされます。

  • 2か所以上の中枢神経病変を示す臨床兆候
  • 2回以上の発作または6か月以上の進行性の経過
  • 他の病気が否定される
  • 多発性硬化症の治療・予後

    薬物による対処療法やリハビリテーションにより、経過を追いながら生活の質を維持するための治療が行われます。

    初発から急速に進行していく場合もあるが、寛解・再発を繰り返しながら徐々に障害が進行していく場合が多いため、経過観察が重要。

    寛解とは、症状が一時的に軽くなったり消えたりした状態で、病気が完全に治った状態ではありません。

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