大脳基底核の役割とパーキンソン病 その3 【検査 診断】

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パーキンソン病の検査と診断について説明できますか?

パーキンソン病について、【症状】【原因/病理】【検査/診断】【治療】【予後】と5つの観点に分けて解説しています。

この章ではパーキンソン病の検査と診断について解説します。

この章を読むとあなたは、パーキンソン病の検査と診断について理解できるようになります。

パーキンソン病の検査と診断

パーキンソン病は、症状が特徴的でわかりやすいのですが、初期の頃は、症状がはっきりせず、気がつかれなかったり、他の病気や障害と誤解されたりすることもあります。

厚生労働省の特定疾患神経変性疾患調査研究班によると以下のような診断基準があり、神経内科でも目安にされています。

パーキンソン病診断基準

Ⅰ 自覚症状
1.安静時にふるえがある(四肢またはあごに目立つ)
2.動作が遅く、ひとつの動作に時間がかかる
3.歩行がのろく、うまく歩けない

Ⅱ 神経所見
1.毎秒4~6回ほどのゆっくりしたふるえが、安静時に起こる
2.無動・寡動:仮面様顔貌、低く単調な話し声、動作の緩慢、姿勢をうまく変えることができない
3.歯車現象を伴う、こわばり(筋固縮)がある
4.姿勢・歩行障害:前傾姿勢、歩行時に手を振らない
歩き出すと止まらない(突進現象)
小刻み歩行、立ち直り反射障害

Ⅲ 臨床検査所見
1.一般的な検査には特異的な異常がない
2.脳の画像検査(CT、MRI)では、明らかな異常がない
* 脳の黒質細胞が小さすぎて、MRIでみても細胞の破壊が確認できない

Ⅳ 鑑別診断
1.血管障害性の病気ではないことが証明されている
2.薬剤性の病気ではないことが証明されている
3.その他の変性疾患ではないことが証明されている

【診断の判定】
次の1~5のすべてを満たすものをパーキンソン病と診断する。

1.経過は進行性である。
2.自覚症状で、上記のいずれか1つ以上がみられる。
3.神経所見で、上記のいずれか1つ以上がみられる。
4.抗パーキンソン病薬による治療で、自覚症状や神経所見の明らかな改善がみられる。
5.鑑別診断で、上記のいずれの病気でもないことが証明されている。

 

【参考事項】
診断上、次の事項も参考となります。
1.パーキンソン病では神経症候に左右差を認めることが多い。
2.部反射の著しい亢進、バビンスキー徴候陽性、初期からの高度の痴呆、急激な発症はパーキンソン病らしくない所見である。
3.画像所見で、著明な脳室拡大、著明な大脳萎縮、著明な脳幹萎縮、広範な白質病変などはパーキンソン病に否定的な所見である。

【診断的投薬】
診断的投薬で症状が明らかに改善された場合は、ほぼパーキンソン病と診断することができます。

薬の効果が現れる期間は、およそ1~2週間で、ふるえがなくなったか、歩行状態が改善できたか、などが判断の目安となります。

もしも、1ヵ月ほど経っても薬の効果が現れない場合は、パーキンソン病の可能性はないと考えられます。
症候性パーキンソニズム(パーキンソン症候群)では、別の薬による治療が行われます。

【その他の検査】
脊髄液検査:
ドーパミンが減って起こる病気ですので、ドーパミン代謝産物も減っている可能性があるため、脊髄液内のドーパミン代謝産物が、パーキンソン病のマーカーとして参考になります。

血液検査や尿検査:
パーキンソン病と他の病気を区別したい場合に行われます。

PET (陽電子放射断層撮影)
SPECT(単光子放射線コンピュータ断層撮影):黒質線条体系ドパミン作動性神経回路の機能を評価するためにCTやMRI画像検査にプラスして行います。

 

治療

その4では、パーキンソン病の治療について解説していきます。

 

まとめ 

神経内科学とは正常との比較から病理を追求する学問です。

 

人間にとって正常な状態から逸脱する何かが起こった時、それは病気になります。そのため、病気がどうかを知るためには、まず正常を正しく理解している必要があります。

神経内科学においては、病名や症状を覚える事に意味はありません。それらは全て後付けだからです。

病気や病理について学び、理解を深めることの意義は、なぜその症状が起こるのか、を正常との比較から追求していく事により、問題点を導き出してより適切な解決方法、予防方法を探求していくことにあります。

この考え方でできるようになる事によって、健康維持を含めあらゆる身体の問題解決ができるようになる力が育成されていきますので、この観点を忘れずに勉強していきましょう。

病気や病理は、知るのではなく理解する事、自分自身の健康維持に生かして初めて有意義なものになります。

 

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