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反射の種類とみかた【命を守る迅速な神経回路の仕組み】

反射の種類とみかた【命を守る迅速な神経回路の仕組み】

「反射神経が良い」とか「反射的に逃げた」とか反射という言葉は日常生活でも使われますが、医療の現場では、膝蓋腱反射や対光反射など【反射を神経学的検査】としてみます。


『反射』のメカニズムと種類を整理してまとめました。

ちなみに、「反射神経」という神経はありません。

反射の定義

反射とは、生体に与えられる刺激(痛み・摩擦・光など)を感受し、それに対応して生体が示す一定の反応のことです。

反射をみる検査は、比較的簡単に行えて、意識にコントロールされない反応としてスクリーニングに有効なため、臨床でもよく用いられます。

反射のメカニズム

反射は以下のようなメカニズムで起こり、この経路を反射弓といいます。

  • 生体に刺激が与えられる
  • 感覚受容器が刺激を感知する
  • 刺激が求心性伝導路を伝わって反射中枢(脊髄)へ届く
  • 反射中枢から運動指令が遠心性伝導路を伝わって目的の筋肉へ送られる
  • 筋肉の収縮が生じて反射反応が起こる
  • 反射中枢は脊髄にあるため、反射反応は無意識に生じます。

    脳まで情報を届けて統合する時間を省き、生体として必要な反応を迅速に起こすための神経経路です。

    反射の種類

    深部腱反射

    腱や骨膜などを刺激する事で筋肉が急激に進展する反射が起こります。(腱反射・骨膜反射など)

  • 一定の強さの反応あり:正常
  • 反射の減弱・消失:反射弓(末梢神経)に障害がある場合
  • 反射の亢進:反射中枢(中枢神経)に障害がある場合
  • 深部腱反射中枢(脊髄前角細胞)は、錐体路からの運動ニューロンだけでなく、錐体外路系ニューロンともシナプスを形成しています。

    表在性反射

    皮膚や粘膜に触覚刺激を加えると、筋肉が反射的に収縮を起こす反応(角膜反射・原始反射のひとつである手掌反射・腹壁反射・足底反射など)。

    正常では普通にみられる表在性反射が減弱または消失し、さらに深部腱反射が亢進した場合は錐体路障害が考えられます。

    病的反射

    約10ヶ月までの乳児を除いて、正常者ではみられない反射のこと(神経系の器質的障害で錐体路が障害されて出現する反射なので、錐体路性反射とも呼ばれます)。

    【顔面の病的反射】

  • マイヤーソン徴候(鼻根部を叩打するとまばたき出現:パーキンソン病でみられる)
  • 口とがらし反射(上口唇外側部を叩打すると口輪筋の収縮により口がとがる)
  • 【上肢の病的反射】

  • ホフマン反射
    (中指を固定し先端を抑えて下方へ屈曲させた後、急激に放すと母指と他の指が屈曲する)
  • トレムナー反射
    (中指を固定し先端の腹を上方に跳ね上げると、母指と他の指が屈曲する)
  • 【下肢の病的反射】

  • バビンスキー反射(外側足底を後方から前方へこすると、母趾が背屈(母趾現象)して、各足趾が解離する(開扇現象)
  • チャドック反射(足の外果外側を弧状にこすると母趾背屈がみられる)
  • シェーファー反射(アキレス腱を強くつまむと母趾背屈がみられる)
  • その他の反射

    その他にも・自律神経反射・嚥下反射などの生理的反射があります。

    反射は神経回路の状態を知る指標

    正常の神経経路によって生じる反射は、例えば熱いものを触ったときに何も考えなくても瞬間的に手を引っ込めたり、食事のときに気道を塞いで食べ物が肺に入らないようにするなど、生命維持や危険回避機能として人間に備わっているものです。

    吸啜反射や把握反射など赤ちゃんのときに必要でも成長と共に不要になれば自然に消失する反射もありますが、何らかの理由で反射の神経経路に障害が起こると、正常な反射の消失や亢進が起こったり、通常は起こり得ない異常反射が発生したりします。

    正常の反射反応を理解しておくことで、反射検査による正確なスクリーニングができます。

    反射神経という神経はない

    「反射神経」という神経はなく、「反射神経が良い」とか「反射的に逃げた」などの意味で使う【反射のように迅速な動き】は、脳も含めより広範囲の神経経路が関わります。

    状況を正確に判断して、瞬時に行動するには、脳と神経を含めた全身の機能を高める必要があります。

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