部位別知覚障害の特徴 ~症状から原因を探る!~

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知覚障害の症状から原因部位が推定できますか?

感覚に問題がある、その症状の現れ方は原因部位により様々です。

原因別の症状の特徴について整理できていますか?

知覚障害の症状と原因が整理できます。

この章を読むとあなたは、知覚障害の症状と原因を整理して理解できるようになり、臨床においても症状から原因部位が正確に推定できるようになります。

原因別知覚障害の特徴

末梢神経、神経根の障害
単神経障害

ある末梢神経障害に単独で生じる単神経障害
(単神経炎とも呼ばれる)
障害された神経の支配領域の運動麻痺と感覚障害が同時に現れる
*末梢神経なので、運動神経と知覚神経混在

-好発部位:
・正中神経
・撓骨神経
・尺骨神経
・総腓骨神経

-代表的疾患
・外傷
・神経線維の周囲軟部組織による圧迫や絞扼
—-・手根管症候群:正中神経
—-・肘管症候群:尺骨神経
—-・足根管症候群:腓骨神経
—-・代謝性疾患(糖尿病、膠原病など)

多発性ニューロパチー

支配領域が近い末梢神経が四肢末梢部で多発性に障害されたもの
麻痺と知覚障害が四肢末梢部から同時に始まり知覚障害は、左右対称性に末梢→中枢へ進行(手袋、靴下型)

-代表的疾患
代謝性障害
血液疾患
ウィルス、細菌感染
中毒(水銀、ヒ素)

神経叢の障害

多数の末梢神経が絡み合ったものが障害されるため、単神経障害より、広範囲に知覚、運動麻痺が発生

・C5~Th1:腕神経叢(正中神経、撓骨神経、尺骨神経など)
・Th12~L4:腰神経叢(大腿神経など)
・L4~S4:仙骨神経叢(総腓骨神経、脛骨神経(合わせて坐骨神経)など)

-代表的疾患
胸郭出口症候群
頸肋(C7から第一肋骨の上に出た異常な肋骨)や前斜角筋の肥厚

頸部の過剰な捻転や上肢の挙上などの時に腕神経叢が圧迫

圧迫側の支配領域に知覚の異常や低下をきたす

神経根の障害

障害された脊髄後根のデルマトームに沿って痛み(放散痛)や知覚障害を引き起こす

-代表的疾患
変形性脊椎症
椎間板ヘルニア
*坐骨神経痛は、腰椎の石灰化や突出した椎間板によって脊髄(L4,5、S1,2)から出たばかりの神経根(後根)が圧迫され、その神経の支配領域の皮膚に疼痛(電激痛)をきたすもの

脊髄神経節の障害

皮膚や筋肉の受容器から出発した知覚の第1次ニューロンの神経細胞(脊髄神経節細胞)が含まれた後根の膨隆部の障害

代表的疾患
単純ヘルペスヘルペスウィルスによる感染症で神経節の支配領域に、電激痛と発赤。水疱形成がみられる。

『脊髄の障害』
後索の障害

深部知覚と微細触覚を伝える神経線維の通路の障害

位置覚
振動覚
識別覚
立体認知が障害
ロンベルク試験陽性+痛覚過敏

-代表的疾患:
脊髄癆
後脊髄動脈の閉塞(外傷など)

後角の障害

温痛覚や粗大触覚の神経線維が次のニューロンに接続する部位

障害髄節が司る温痛覚だけが障害
*粗大触覚が事実上保持(障害として認識されにくい)
*温痛覚は障害されているのに他の知覚が保持されている状態を知覚解離という

灰白質の障害

脊髄の中心管を取り囲む脊髄中心灰白質の病変

代表的疾患:脊髄空洞症

多髄節にわたって、中心灰白質の中に管腔が生じ、周囲を圧迫

温痛覚の両側性障害
*深部感覚は保持

脊髄内腫瘍、脊髄出血でも起こる。

半側性の脊髄障害

一側半分の脊髄が破壊される
→ブラウンセカール症候群(特徴的な知覚障害と運動麻痺)

-知覚障害
・病変部より上のレベルの脊髄後根から入る知覚神経→病変部を通過しないので問題なし
・病変のある髄節が司るデルマトーム→全知覚脱失
・温度痛覚障害
病変部およびその下1~2髄節下で後根から脊髄に入る繊維
+
病変の反対側から脊髄内に入り、交叉してから病変部を通過する繊維

病変部(正確には、病変部+その下1~2髄節):両側温痛覚障害
病変部以下:病変の反対側だけに温痛覚障害
・深部知覚、微細触覚
反対側は全く影響なし
同じ側の病変のある髄節以下で障害
・粗大触覚
経路から温度痛覚と同様に考えることができるが、微細触覚が正常に働いているため症状として自覚しにくい

-運動障害
・障害部の病変側以下に錐体路障害あり

横断性脊髄障害

損傷された脊髄髄節以下すべての知覚障害と運動麻痺、膀胱直腸障害

視床の障害

知覚に関するすべての刺激は視床に集まる(交叉済み)

一側視床が障害されると反対側の全知覚障害

代表的な疾患:視床症候群(デジュリン・ルーシー症候群)
(視床膝状体動脈の出血、閉塞による)

反対側の知覚障害
異常な自発痛(灼熱痛、視床痛)
不全片麻痺
運動失調
同名半盲

まとめ 

感覚の障害を正しく評価し、有効な検査を適切に行うことで、適切な治療方針を導き出すことができます。

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