脊髄の構造と脊髄神経路

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中枢神経系である脊髄から全身へ

人間の全ての仕組みの司令塔である
脳からの司令は同じく中枢神経である
脊髄を通りして全身へ伝えられ、
全身のあらゆる器官を通じて得た情報は
脊髄神経を通じて脳へ届けられ統合、処理されます。

その脊髄の仕組みと
脳から脊髄を介して
全身に末梢神経でつ繋がる流れを
経路ごとにまとめています。

脊髄、脊髄路の構造

横断面

☆表面:白質
縦走する神経線維からなり
前索、側索、後索に区分

☆内部:灰白質(H状に広がる)
神経細胞からなり、
前角、側角、後角に区分
前角から出る繊維:前根
後角から出る繊維:後根

縦走する繊維

上行繊維

伝えられる感覚
皮膚からの触圧覚、温度覚、痛覚
筋、関節からの深部感覚
内臓感覚(便意、尿意、悪心、口渇感、飢餓感、満腹感、内臓痛など)

前脊髄視床路(粗大な非意識系の触覚、圧覚)

末梢

脊髄神経節

後根

後角

(白交連で交叉)

前索の前脊髄視床路

脳幹

視床

大脳皮質(感覚野)

外側脊髄視床路(痛覚、温度覚)

末梢

脊髄神経節

後根

後角

(白交連で交叉)

側策の外側脊髄視床路

脳幹

視床

大脳皮質(感覚野)

脊髄延髄路(識別性触覚、圧覚、意識型深部感覚)

末梢

脊髄神経節

後根

後索(脊髄延髄路)

延髄の後索核
(楔状束核と薄束核)

内側毛帯

毛帯交叉

視床

大脳皮質(感覚野)

前脊髄小脳路/後脊髄小脳路(非意識型深部感覚)

末梢

脊髄神経節

後根

脊髄

(以下参照)

小脳

(1)後脊髄小脳路 主として下半身
脊髄に入り後索をやや上行した後、
または直接に後角の胸髄核に達する。

ここでニューロンを代えて、
同側の側索の後外側部の表層を後脊髄小脳路として上行

下小脳脚

小脳(非交叉性)

姿勢の調節運動における個々の筋の精密な協調のために必要な情報の伝達

(2)前脊髄小脳路 主として下半身
脊髄の後角内でニューロンを代える

白交連を通って反対側に交叉

側索の表層近くを前脊髄小脳路として上行

小脳に至る。(交叉性)

姿勢や下肢の運動の全般的協調に役立つ
人では発達はあまりよくない。

(3)主として上半身(上肢と体幹上部)からの深部感覚を伝える線維

脊髄の後索を上行

延髄の後索核
(副楔状束核)で中継

下小脳脚

小脳に至る。(非交叉性)

下行繊維

皮質脊髄路(錐体路)

大脳皮質から下行

延髄錐体で交叉

反対側側索を下行

脊髄前角
~~~~~~~~~~~~~~~~

下位運動ニューロンが
前根を介して、
それぞれ対応する
体節の骨格筋を支配する

外側皮質脊髄路:錐体路の約80%

大脳皮質(運動野)

大脳脚



延髄

錐体交叉

脊髄側索

前角細胞

前皮質脊髄路

大脳皮質(脊髄路)

大脳脚



延髄

脊髄

白交連で交叉

前角細胞

錐体外路

・視蓋脊髄路
・赤核脊髄路
・前庭脊髄路
・網様体脊髄路

脊髄障害による神経症候

脊髄白質の障害

長い連絡路が障害されるため、
障害部位のレベル以下に症状が現れる
1)側索障害:(錐体路徴候)
同側性の運動麻痺
痙縮、健反射亢進、病的反射

2)後索障害:同側性の触覚、振動覚、位置覚の障害

3)前側索障害:反対側の音痛覚障害(脊髄視床路)

脊髄灰白質の障害

障害部位に対する体節性の症状

1)前角/前根障害:弛緩性運動麻痺
筋委縮などの下位運動ニューロン障害

2)後角障害:温痛覚障害

3)後根障害:全感覚の障害 神経根痛

脊髄中心部病変:温痛覚は障害されるが、
振動覚は保たれる。
(解離性感覚障害)

後索の選択的障害:固有感覚障害
音痛覚保持
仙部回避
*尾側からの脊髄視床路の繊維ほど
脊髄表面に位置する配列をとるため、
脊髄内部に病変があれば
仙髄支配の感覚は保たれることがある。

完全横断性脊髄障害

横断面は、1cmにも満たない構造で、
左右の仕切りもないので、
外部からの圧迫性病変により容易に両側性の障害をきたす。

1)運動障害(錐体路障害)
急性発症は弛緩性→次第に痙性麻痺になる
2)感覚障害
上行性感覚路:後索、脊髄視床路の障害
対応する皮膚分節以下の全感覚脱失
3)膀胱直腸障害、陰委、発汗障害(下行性運動路、交感神経など)
4)障害部位の分節性の筋委縮と弛緩性麻痺(脊髄前角など)

ブラウン・セカール症候群

(脊髄半側切断症候群)
脊髄の半分だけが障害
1)病変と反対側の温痛覚障害
2)同側の痙性麻痺、病的反射陽性、
健反射亢進、振動覚、位置覚

脊髄中心症候群

病変レベル以下の痙性対麻痺
解離性感覚障害(温痛覚障害+、固有感覚保持)
膀胱直腸障害など

前脊髄動脈の閉塞や脊髄空洞症でみられる

円錐部症候群

第3仙髄以下のことを円錐という
下肢の麻痺はないが、膀胱直腸障害、陰委が著名
肛門周囲の感覚障害

馬尾症候群

サドル麻痺(殿部、大腿後面、会陰部感覚障害)
非対称性対麻痺
膀胱直腸障害

*腫瘍、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア
くも膜炎、骨折

脊髄血管障害

原因
大動脈の硬化性閉塞
解離性大動脈瘤
胸腹部大動脈の外科的処置
脊髄髄膜炎
梅毒性髄膜炎により二次性血管炎
脊髄外からの圧迫

前脊髄動脈閉鎖症候群(前脊髄動脈血栓症)

前脊髄動脈:脊髄の前2/3を灌流
(前角、脊髄視床路、脊髄小脳路、錐体路)
*後角、後索は障害されない。
細く側副結構路に乏しく、
中位胸髄においては、動脈の数が少なく
梗塞、虚血は、胸髄の障害が多い。

初発症状:頸部、胸背部痛で突発

経過:急速に対麻痺、四肢麻痺へ
(錐体路障害)
解離性感覚障害(音痛覚× 深部感覚○)
膀胱直腸障害

★アダムキーヴィッツ動脈:
大動脈から分枝し、胸腰堆移行部左側に位置
下位胸髄から腰椎の広領域を灌流する。

閉塞すると重篤な脊髄虚血が生じる

★後脊髄動脈
脊髄表面の複数の小動脈を灌流するので
閉塞しても特定の領域に脊髄梗塞が生じにくい。

★脊髄内出血
外傷、血管奇形、血管疾患の合併症

★脊髄血管奇形
多くは先天性

脊髄疾患

★変形性脊椎症

★椎間板ヘルニア

★後縦靭帯骨化症

脊髄、延髄空洞症

脊髄灰白質に空洞を形成する原因不明の疾患

脊髄炎
放射線脊髄症

まとめ

人間の全ての仕組みの司令塔である
脳からの司令は同じく中枢神経である
脊髄を通りして全身へ伝えられ、
全身のあらゆる器官を通じて得た情報は
脊髄神経を通じて脳へ届けられ統合、処理されます。

脊髄は、分類上は脳と同じ中枢神経ですが、
ここでは末梢神経と脳を繋ぐ役割として
考えた方がすんなり理解できるかもしれません。

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