【脳腫瘍】と【脊髄腫瘍】中枢神経と腫瘍

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中枢神経(脳と脊髄)系に発生する腫瘍の【分類】【症状】【検査・診断・治療】について整理してまとめました。


人体の司令塔である脳と脊髄(中枢神経系)に影響する範囲に腫瘍ができると、生命維持や身体機能の制限や停止に直結するため、早急な対応が必要です。

腫瘍とは

腫瘍は身体の表面や体の中に発生するかたまりの総称で、良性・悪性、生まれつきのもの(先天性)・生まれてからできるもの(後天性)、形状も平らなものや盛り上がってくるものなど様々な種類があります。

世界最大の腫瘍の重さは、2010年8月にアルゼンチンのある女性から取り除かれた24キロ(7才位の子の平均体重!)です。
18ヶ月間かけて彼女の体内で成長し、摘出手術時間は4時間を超えたそうです。

手塚治虫の名作漫画【ブラックジャック】の相棒であるピノコは、とある患者の腫瘍をパーツにして作られましたが、腫瘍は全身の臓器や器官に様々な形状で発生します。

また、腫瘍は直接身体に害を及ぼす悪性のもの(癌・悪性新生物など)ばかりではありませんが、腫瘍自体が良性であっても、人体の限られたスペースを腫瘍が占有すると他の器官を圧迫して機能障害を起こす場合もあるので、ほとんどの場合で摘出手術が必要となります。

特に人体の司令塔である脳と脊髄(中枢神経系)に影響する範囲に腫瘍ができると、生命維持や身体機能の制限や停止に直結するため、早急な対応が必要です。

脳腫瘍

脳腫瘍は頭蓋骨内に発生する腫瘍の総称で、頭蓋骨内という閉鎖的な空間に発生するため、脳や脳神経にダイレクトに影響を及ぼして重篤な機能障害を引き起こすリスクがあります。

脳腫瘍ができると、湿潤的かつ圧俳性に脳・脳神経・血管が侵されるため、局所神経症状・痙攣・内分泌障害、脳浮腫・脳脊髄循環障害・水頭症による脳圧亢進(頭蓋内圧亢進症)、頭痛・嘔吐・意識レベルの悪化、脳ヘルニアなどが生じます。

脳腫瘍の分類

  • 約80% 原発性腫瘍
  • 約20% 転移性腫瘍
  • 脳実質性腫瘍

    脳実質性腫瘍は脳組織そのものから発生する腫瘍で、発育すると健常な脳組織との境界がわかりにくく(湿潤性発育)、組織学的には良性でも全摘出が困難となることから悪性腫瘍に分類される。

    ほとんどが原発性であるが、転移性腫瘍もある。

  • グリオーマ(神経膠腫):全脳腫瘍の約1/4を占める
  • -星細胞系腫瘍(星細胞腫・退形成性星細胞腫・多形成膠芽腫)
    -乏突起膠腫
    -上衣腫
  • 髄芽腫:小児の悪性腫瘍の代表
  • 血管芽腫
  • 悪性リンパ腫
  • 胚細胞腫
  • 脳実質外腫瘍

    脳を包む硬膜や脳神経の神経鞘から発生するもので、脳実質をゆっくりと圧迫するように発育(圧排性発育)する。
    脳実質との境界が明瞭のため、手術にて全摘出可能。

  • 髄膜腫:グリオーマに次いで頻度が高い
  • 神経鞘腫:聴神経に好発
  • 下垂体腺腫
  • 頭蓋咽頭腫
  • 類表皮嚢腫
  • 転移性腫瘍

    頭蓋内組織以外の身体組織に原発した悪性腫瘍が、脳や頭蓋内に転移したもので、組織学的に悪性で、症状の進行が急速。

    転移性腫瘍には、脳実質内転移と硬膜転移があり、脳実質内転移でも周囲の脳組織と境界が明瞭な場合もある。

  • 肺癌からの転移
  • 乳がんからの転移
  • 消化系癌からの転移
  • 転移性腫瘍
  • 脳腫瘍の悪性度分類

    WHO分類に基づく臨床的悪性度(WHOGradeと5年生存率)

    gradeI 増殖力の低い
    外科的切除で治癒可能
    gradeⅡ 湿潤性で増殖力は低いがしばしば再発する
    より高いGradeの腫瘍へ進展することがあるが多くは5年生存が可能
    (悪性転化の例:びまん性星細胞腫(gradeⅡ)→退形成性星細胞腫(gradeⅢ)→膠芽腫(gradeⅣ)
    gradeⅢ 核異型や活発な核分裂活性などが高く壊死を起こしやすいなど組織学的に悪性所見を示す
    放射線化学療法単独または外科的手術と放射線化学療法の併用
    治療後2~3年生存
    gradeⅣ 組織学的に悪性で核分裂活性が高く壊死を起こしやすい
    術前・術後も急速に進行し死に至る
    周辺組織への広範囲湿潤や脳脊髄液への藩腫が生じることもあり
    膠芽腫では大部分が1年ほどで死亡

    脳腫瘍の症状

    頭蓋内圧亢進症状(腫瘍の増大による)

  • 頭痛、嘔吐、うっ血乳頭
  • 脳ヘルニアのリスク
  • 刺激性脳症状(腫瘍の圧迫や湿潤による)
  • てんかん発作(特に焦点性てんかんは要注意!!)
  • 損傷部位により特徴的な巣症状

  • 【前頭葉】
    • てんかん(痙攣)発作
    • 感情失禁
    • 運動麻痺(片麻痺)
    • 運動性失語(優位半球障害時)
    • 人格変化
    • 共同偏死
    • 嗅覚脱失

  • 【側頭葉】
    • 精神運動発作
    • 幻臭
    • 感覚性失語(優位半球障害時)

  • 【頭頂葉】
    • 知覚障害
    • 失行・失認
    • てんかん発作
    • 高次脳機能障害(優位半球障害時)

  • 【後頭葉】
    • 視交叉:視力障害、視野狭窄(両耳側半盲)

  • 【視床・脳幹・小脳】
    • 下垂体:尿崩壊
    • 視床下部:性機能異常
    • 脳幹部:嚥下障害・運動麻痺・構音障害・眼球運動障害(複視)
    • 小脳:共同運動障害・歩行障害(小脳失調)・平衡機能障害(めまい)
  • 脳腫瘍の検査・診断・治療

    症状を確認し、画像診断などで診断して経過を追います。

    腫瘍の種類や大きさ、年齢等を考慮し対処療法を行う事があるが、多くは手術療法(合併症を出さずできるだけ多く腫瘍を切除することが目的)と化学療法・放射線療法が併用されます。

    脊髄腫瘍

    脊髄腫瘍は、脊髄内および、クモ膜・硬膜・神経鞘(神経を保護する膜)・脊柱管内の軟部組織や椎体に発生した腫瘍のことで、脊髄や神経根が圧迫されるため重篤な神経症状を呈します。

    脊髄腫瘍の分類

    発生部位から以下のように分類されます。

  • 硬膜内腫瘍:ごく稀
  • 硬膜外腫瘍:転移性腫瘍で多い
    -髄内腫瘍(脊髄そのものから発生):上衣腫・高分化の星細胞腫・硬膜内髄外腫瘍
    -硬膜内髄外腫瘍:神経鞘腫・髄膜腫
  • 脊髄腫瘍の代表的腫瘍

  • 髄膜腫:脊髄の周囲の硬膜より発生
  • 神経鞘腫:神経を保護する膜より発生
  • 神経膠腫:脊髄そのものより発生
  • 上記のように良性腫瘍が多いが、癌などの悪性腫瘍・類上皮腫・血管腫などもある。

    脊髄腫瘍の症状

    腫瘍の種類に関わらず通常は脊髄圧迫症状が主で、転移性腫瘍以外では緩徐に増大する。

    四肢の神経痛や筋力低下、感覚障害(しびれなど)、比較的急激に発病して手足が動かなくなったり、尿や便の失禁,呼吸障害など重篤な症状を示す例もある。

    脊髄腫瘍の原因

    直接的な原因不明で、遺伝的要因は否定されている。

    脊髄腫瘍の検査・診断・治療

    MRIやCTなどの画像診断を行い、ほとんどは腫瘍の全摘出と脊椎の再建を行うが、腫瘍と正常組織の境界が明確でなく全摘出が難しい場合は、放射線や化学療法も検討される。

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