解剖学の本質はとてもシンプル。
理想の身体をデザインし、病気や怪我を予防するための必須の知識:解剖学って一体何なのかをわかりやすく説明します。
解剖学は人体の設計図
解剖学は医学を学ぶ学生が最も苦戦する科目のひとつ。
全ての基礎になる膨大な量の情報を理解して覚える必要があるからです。
でも、解剖学の本質はとてもシンプル。
人間が身体がどんな構造でできているのかという身体の設計図の理解が目的です。
もちろん、身体をメンテナンスをする場合の必須知識です。
まず家の設計図を考えてみる
設計図としてイメージしやすいものと言えば建物の設計図。
まず、想像力を働かせて、あなたが住みたい家(土台、外装、内装、家具家電、ライフラインなど生活に必要なものを全て考慮)を設計することを考えてみましょう。
ひとつだけ条件があって、一度作ったらずっと同じ家に住み続けなければいけないことを前提とします。
簡単な修理や増強はできる部分もありますが、気に入らなくたったり古くなったりしても、本体はもちろん、パーツや部品の交換もできず、一生使い続けなければいけません。
さて、どんな家を作りますか?
家の設計で最低限考慮するもの
どんな家を思い描いたでしょうか?
あなたの個性が溢れた素敵な家だと思いますが、おそらくどんな家でも以下の3点のポイントは押さえているのではないかと思います。
少なくとも上記3点が満たされていれば、安心で快適な日常生活が送れます。
家の設計図を人体に置き換えて考える
さて、先ほど想像していただいた一生住み続ける家があなたの身体だとしたらどんな感じになるでしょうか?
家の外側 = 骨・筋肉・皮膚
基礎、柱、枠組みになる骨
人体において枠組みの基礎になるのが骨盤と背骨(脊柱)。骨盤と背骨を中心に、複数の骨で枠組みを構成しています。
重要な臓器を収める空間
骨で構成された枠組みは、外見を作るとともに空間(部屋)を作り、脳・神経・心臓などの臓器)を保護します。
枠組みを補強し、血液を運ぶ筋肉
骨組みだけでは不安定な人体の外側を補強するのが筋肉の壁。血液というライフラインを全身に運搬する血管を張り巡らせ、循環させる役割も果たします。
外部からの侵食をブロックする皮膚
人体の最も表層にある皮膚は人体で一番大きな臓器。1枚の皮膚が全身をラップするように身体全体を覆っています。
家の内側 = 脳・心臓・神経・血液・臓器
続いて家の中を見てみましょう。
臓器は骨・筋肉・皮膚で守られた空間の中で活動
頭蓋骨には脳、背骨には脊髄神経、胸郭には心臓、骨盤には腸など、各空間には臓器が収まって生命維持のための活動を行っています。
栄養と老廃物を運ぶライフラインは血液と血管
活動にはエネルギーが必要ですから、全身に血管を巡らせ、血液を通じて各臓器や器官に栄養素を送り、老廃物を受け取り処理場へ運びます。
脳が司令塔
それぞれの臓器や筋肉が好き勝手に活動しては困るので、全ての臓器や器官の動きの指令は脳から出て、結果は全て脳にフィードバックされます。
神経が伝達役
脳からの指令は神経によって各臓器や器官に伝達され、フィードバックも神経によって脳に伝達されます。
健康な身体の設計図とは?
もともと人間の身体は健康を維持できるようによく考えられた設計をしています。
設計図から逸脱した状態が病気や怪我
例えば、壁の役割をしている筋肉の緊張にアンバランスが生じれば、家の柱や枠組みの役割をしている骨格が歪みます。
骨格が歪むと臓器や神経が格納されている部屋が狭くなるので、臓器や神経などが正常に働けず不具合が生じます。
これが病気や怪我につながります。
解剖学を学んでセルフメンテナンス
解剖学とはあなたの身体の設計図を知る、つまり、正常な身体の仕組みを知る学問です。
解剖学上理想の状態を維持できていれば、身体の不調は感じないはずですし、病気にもなりません。
逆を言えば、もし何か身体の不調を感じるのであれば、その原因は本来あるべき設計図とのズレから見つけられます。
このサイトでは3D動画などを使って、身体の仕組みをわかりやすく説明しています。
一生使い続ける、交換のできない自分の身体。
異常(病気やケガ)を予防し、いつまでも健康で元気でいるために、自分の身体の設計図(解剖学)を学びましょう。