ヨガの【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】は、身体前面の筋肉を筋膜のつながりや機能的なつながりにそって全身バランスよくストレッチできるポーズなので、特に座り仕事で硬くコリがちな股関節や猫背で動きにくくなっている胸周りの柔軟性向上による猫背や姿勢改善に効果的です。
背面の筋肉や体幹のインナーマッスルも同時に筋トレできるポーズですが、普段意識しにくい方向への関節運動や姿勢保持が必要になるため、3D動画でポーズの解剖学を正しく理解して、自分の身体と相談しながら安全にポーズを深めていきましょう。
ポーズの名前と英語
「ウルドヴァ(Urdhva)」は「上向き」、「ダヌラ(hanura)」は「弓」という意味のサンスクリット語で、上向きの弓をイメージしたヨガポーズですが、上向き弓のポーズ(Upward Bow Pose)の他、車輪のポーズ(Wheel Pose)などと呼ばれることもあります。
胸を上にして背骨を後屈するブリッジポーズとしては、身体での床設置面がもっとも少なく全身を使うため最も難易度の高いポーズです。
- ブリッジポーズ
- 上向きの弓のポーズ
- Upward Bow Pose
- 車輪のポーズ
- Wheel Pose
- ウルドヴァ・ダヌラアーサナ
- Urdhva Dhanurasana
【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】効果
ヨガの【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】は、胸椎から背骨を後屈して胸を上に突き上げて開くブリッジポーズの中でも最も難易度の高いポーズですが、足首から手首、足裏から頭頂までそれぞれつながる筋膜ラインに沿ってストレッチや筋トレができるため、猫背解消はもちろん全身姿勢を整える効果に優れています。
- 身体前面全体のストレッチ効果
- 関節伸展筋群の筋トレ効果
- 全身の柔軟性向上効果
- 猫背解消効果
- 姿勢調整効果
【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】3Dポーズ解剖学
ヨガの【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】を正しく行うコツは、身体の構造や筋肉のつながりを意識することです。
普段の生活で短縮したり硬い状態になりがちな部分を伸ばすため、筋肉の短縮などで制限がある場合は、比較的可動域を出しやすい腰椎に負担が集中して危険なので、必ず十分な準備運動で全身の柔軟性を高めてから気持ちよくポーズを楽しみましょう!
【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】正しいやり方とコツ
- 仰向けになり背骨と骨盤をニュートラルに整える
- 膝を曲げて足底を床に付け、踵を骨盤に近づける
- 肘を曲げて指先が肩の方を向くように掌を床にして頭の横に置く
- 足で床を押し息を吐きながら骨盤を押あげながら股関節を伸展してお尻を床から離す
- 手でも床を押して胸椎から背骨を伸展(後屈)させて頭頂が床に着くまで体幹を持ち上げる
- 肩を後ろに押しつつ肘関節と膝関節を伸展しながら頭を床から離す
【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】筋肉解剖学
【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】は、肩関節や手関節を含んで身体全体で弧を描いて弓を作ることで筋膜でつながっている身体の前面の筋肉と広背筋をストレッチできます。
【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】は、以下の筋肉を収縮させてポーズを作り維持しています。
【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】は身体前面の筋膜のつながり(アナトミートレイン)を意識することで、ポーズが効果的に楽しめたり、できない時の対処も適切に行えます。

【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】できないときの軽減方法
【ブリッジポーズ(車輪のポーズ)】は普段の生活で動かす以上に大きな角度で動かす関節がありますので、十分な柔軟性や姿勢を支える筋力がない場合は代償動作で腰や首などに負担が集中して関節痛めてしまうことがあります。
ポーズの解剖学構造と自分の身体を理解して、十分な準備運動をしてから正しい方法で取り組みましょう。
- 膝関節ー伸展
- 股関節ー過伸展
- 背骨ー全ての椎骨間関節で過伸展
- 肩関節ー過屈曲
- 肘関節ー伸展
- 手関節ー過伸展(背屈)
股関節伸展に制限があってできない場合
パソコン作業などで座り姿勢が多い現代人は股関節屈筋群(大腿直筋や腸腰筋など)が短縮したり硬くなってしまいがちです。
股関節屈筋群に十分な柔軟性がないままブリッジをやろうとすると、骨盤が短縮した筋肉に引っ張られて前傾し、腰椎前弯を増強させてしまうので、椎間が圧迫されて腰部の神経を圧迫してしまうリスクもありとても危険です。
股関節が十分に伸展できない場合は腰の過進展が生じますが、股関節が十分に伸展できれば負担が分散されて腰椎に過剰な負担がかからなくなりますので、股関節屈筋群をストレッチして十分な柔軟性を確保してからポーズに挑戦するようにしましょう。
胸椎や胸郭が硬くてできない場合
ブリッジポーズを安全かつ効果的に実践するには、背骨全体で弧を描くように背骨全体を伸展ストレッチできることが重要ですが、背骨の解剖学的構造は場所により異なり、動きの方向や範囲の制限もそれぞれの椎間関節で異なります。
腰椎(背中下部)は矢状面での動きが主(屈曲と伸展)となる関節ですが、胸椎(背中上部)は肋骨とつながり胸郭を作っていることと、胸椎の解剖学的構造により後方伸展運動(後屈)がしにくいという性質があります。
更に普段パソコンやスマホの使用などで丸めたまま固めている(いわゆる猫背)ことが多い胸椎の柔軟性がない場合は、腰椎や頸椎の前弯を過剰に増強させることで反り動作を代償しようとしてしまうため、腰や首を痛めてしまうので、胸郭の柔軟性を十分に高めてから取り組むようにしましょう。
腕周りが硬くてできない場合
肩関節が十分に挙上(肩関節屈曲)できない場合も、腰椎の前弯増強で代償する必要が出てきてしまうので、腕が十分に挙上できることを確認してからポーズに挑戦してください。
胸郭周りの柔軟性にも関連しますが、以下の筋肉の短縮や硬さがある場合も肩関節挙上が制限されます。
また、肩関節に機能障害があり、そもそも十分に腕を挙上(通常可動域範囲を超えての肩関節屈曲)ができない場合は、危険なポーズなのでやらないようにしてください。
手首が硬い場合
手関節を背屈した状態で体重を支えるため、手関節屈筋群のストレッチ効果は高いですが、手首に負担もかかります。
手首に違和感や痛みを感じる場合は、ブロックなどを使って手関節の背屈角度を減らしたり、事前に手関節屈筋群を十分にストレッチしてから行うようにしましょう。
背骨を後屈させる感覚がわからない場合
背骨を後屈させるポーズはもともと反りやすい構造になっている首や腰を過剰に反ってしまいがちですが、一番動きを出したい関節は胸椎です。
猫背姿勢が定着している場合は、胸椎から背骨を整える感覚がわからなくなっている人も多いので、まずはより軽減した後屈のポーズで胸椎から姿勢を整える感覚をつかむようにしましょう。


