オリンピックに出場したり、プロスポーツ選手になったり、将来活躍するスポーツ選手になるためには、とにかく小さい頃から本格的な練習を始めることが重要だと思っている人は多いかもしれません。
もちろん低年齢から本格的なトレーニングを始めるメリットはありますが、忘れてはいけない重要な視点があります。
幼少期に特殊トレーニングを行うリスク
幼少期から本格的なトレーニングを始めると、経験をより多く積める、変なクセやこだわりがないので伸びやすいなど、メリットはたくさんありますが、子供の心身機能発達過程を尊重した上で適切なプログラムを組まないと逆効果になる可能性があります。
プロを目指すレベルのスポーツの場合は特に、日常とはかけ離れた特殊な身体の使い方をします。
それぞれスポーツ特有の特殊な動きがあり、それを身につけて競い合うレベルまで高めるには、身体が出来上がった大人の選手でさえも、常に心身を壊してしまうリスクと常に隣り合わせという過酷な世界です。
心身がまだ未発達の子供の場合は、あまり特殊すぎる動きばかりを幼少期に練習させてしまうと、正常な発達を阻害してしまうリスクもあります。
10歳までが特に重要
子供の身体は発展途上で、これまでに経験したことのない動きや身体の使い方を日々の活動の中で覚えていきます。
一般的に、【10歳頃までがゴールデンエイジ】と言われていて、この時期までにいろんな動きを経験して覚えておくことで将来の活動の幅が大きく変わってきます。
様々な経験を楽しみながら行う過程で、本人がものすごく興味を示したり、得意と思われる分野が見つかってから、専門的なトレーニングに移行していく方法が実は最も結果がでるというデータがあります。
もちろん、すでに決まった分野があるのであれば、幼少期から発達過程に合わせてトレーニングを始めること自体は効果的ですが、10歳頃まではできるだけたくさんの種類のスポーツにしかも親子で楽しみにながら触れ、人間としての成長の中でバランスの取れた機能を育てて行くという視点だけは忘れないようにしておくことを強くお勧めいたします。
適性を見極めバランスをとる視点
【適性を見極めバランスをとる視点】は、企業や学校などでの一般的な指導や教育にも通じています。
相手の可能性と能力をきちんと評価して、個性を理解して、時間をかけて育てていくことは、どんな場面でも結果を効率よく出すためのキーポントになります。
成長には必ず個性があって、特に幼少期は他人と比較することにメリットはありません。
他と比べてなぜできないのか!と焦る必要はまったくなく、その人のペースや個性に合わせての成長曲線が必ずあるので、そこにフォーカスして必要な指導やフォローをしていくことが何より重要です。
理想のパフォーマンスに至るためにはそれ相応のプロセスを踏む必要があり、根性論や理想論だけでは決してたどり着けるものではありません。
早すぎる段階で周りと比較したり、過度に狭い視点で無理を強いることは長い目でみるとマイナスの結果しか生みません。
よかれと思って相手の可能性を奪い、結果自分自身も苦しくなったりしていませんか?