【縫工筋】ストレッチとトレーニングのための【イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学】

大腿(太もも)の筋肉
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【縫工筋】は腸骨から大腿前面を斜めに脛骨内側部まで走行する人体最長の筋肉で、股関節(骨盤)と膝関節運動に作用します。

【縫工筋】はランニングのときによく働くので、膝の内側が痛い鵞足炎(ランナー膝)の原因筋としてもよく知られています。

【縫工筋】の解剖学構造をイラスト解説で理解して、イメージしながら効果的なストレッチやトレーニング(筋トレ)を実践しましょう!

【縫工筋】とは?どこにあるどんな筋肉

【縫工筋】は太もも前面表層を走行する薄く長い筋肉です。
骨盤前面から太もも前側から内側へS字にテーピングをするかのように脛骨内側まで走行し、股関節および膝関節運動に作用する2関節筋です。

停止部では腱となり、薄筋および縫工筋と鷲足を形成します。

【縫工筋】英語と読み方

【縫工筋(ほうこうきん)】は英語で「Sartorius」ですが、これはラテン語で洋服の仕立て屋さんという意味です。

仕立て屋さんがあぐら座で仕事をしているとき(股関節屈曲+股関節外旋+膝関節屈曲)によく作用する筋肉であることから名前がついたとされています。

  • 名称:縫工筋
  • 縫工筋ふりがな:ほうこうきん
  • 縫工筋英語名:Sartorius Muscle

【縫工筋】起始停止

【縫工筋】は、寛骨(腸骨)前上部の突起である上前腸骨棘 (ASIS)から太ももの前を螺旋状に下って太もも内側へ向かいます。

太もも内側から膝の内側を更に下り、脛骨内側面に停止します。

停止部では、半腱様筋(ハムストリング)停止と薄筋(股関節内転筋群)停止と隣接し、3つの筋肉(半腱様筋 ・薄筋 ・縫工筋)の停止部を総称して鵞足と呼んでいます。

  • 起始:上前腸骨棘
  • 停止:脛骨粗面内側(半腱様筋 ・薄筋 ・縫工筋停止で鵞足を構成)

【縫工筋】作用

【縫工筋】は人体最長の筋肉で、2関節(股関節と膝関節)を通過するので、体幹および下肢に多様に作用します。

  • 股関節屈曲
  • 骨盤前傾
  • 股関節外転
  • 股関節外旋
  • 膝屈曲
  • 膝関節内旋
  • 恥骨結合を締める(骨盤安定)

【縫工筋】は腸骨前面から太ももの前側と内側を経て脛骨内側面まで走行するので、股関節屈曲(または骨盤前傾)が主な作用です。

また、【縫工筋】は太もも周りをクロスするように走行していて膝関節を経由して脛骨まで走行しているので、股関節屈曲する際には、股関節外旋、股関節外転、膝関節屈曲、膝関節内旋方向への力も働きます。

つまり、【縫工筋】は語源となっているあぐら姿勢、立位で足(靴)の裏をチェックするとき、脚を組むときなどにもよく働く筋肉です。

更に、【縫工筋】は対になって左右寛骨をそれぞれ内側へ押す方向の力も働くので、特に女性においては恥骨結合を締めて骨盤を安定させるためにも重要な役割を持っています。

【縫工筋】神経支配

  • 大腿神経(L2~L4)

【縫工筋】触診

【縫工筋】は、表層にあり筋腹も長いので簡単に触診できます。

骨盤前方の骨に手を触れて股関節屈曲+股関節外旋したときに浮き出てくるのが【縫工筋】です。

また、マラソンランナーのように脂肪が少なく筋肉が発達している場合は視覚でも簡単に確認できます。(地面についている側の脚で、S字テーピングのように骨盤から膝の内側に走る斜めの筋肉が【縫工筋】です。)

【縫工筋】作用をもっと深堀り(上級編)

【縫工筋】の作用(役割や機能)をより包括的に理解するために、他の筋肉との関連を整理してみます。

まず【縫工筋】起始部の上前腸骨棘には【大腿筋膜張筋】の起始もあります。

【大腿筋膜張筋】太もも外側を走行して腸脛靭帯に結合して脛骨外側に停止する筋肉なので、【縫工筋】と合わせて太もも前側の筋肉を包み込んで股関節から膝関節までの 連動や安定に重要な役割を果たしていると考えられます。

また、停止部は、太もも裏側ハムストリング(膝関節屈曲および股関節伸展に作用)の一部である半腱様筋と股関節内転筋群(股関節内転および膝関節屈曲に作用)の一部である薄筋と停止部を隣接(ほぼ一致)しています。

膝関節屈曲屈曲筋として最も強力な筋肉は、太もも裏側のハムストリングですが、股関節の位置によっては太ももの前側や内側の筋肉も膝関節屈曲に作用していて、股関節や太ももまわりの筋肉のアンバランスや機能低下、過剰な負荷による負担は膝関節に集まります。

鵞足炎などのように膝関節の内側部が痛む症状がある場合は、姿勢や股関節運動、膝関節運動に作用する筋肉の包括的な評価とアプローチが必要です。

【縫工筋】コンディショニング

【縫工筋】は、ふともも前側を構成する細い筋肉で、ランニングなどのように膝と股関節を屈曲して、脚を前上方へ出す運動でよく働く筋肉です。

股関節屈曲に作用する筋肉は他に腸腰筋や大腿直筋がありますが、股関節を持ち上げながら股関節を外旋しつつ膝関節屈曲方向への力も働くことと、同じ作用(股関節屈曲作用や膝関節屈曲作用)を持つ筋肉の中でも最も前表層にあることが【縫工筋】の特徴です。

膝関節内側への過負荷の影響は停止部(鷲足)の痛みや炎症などを通して自覚することが多いですが、このトラブルの原因となった姿勢やパフォーマンスから根本的に見直して、【縫工筋】単独ではなく、問題の原因となっている筋肉や組織に対して必要なストレッチやマッサージ、筋トレを実践する必要があります。

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