【腸腰筋】を正しく鍛えて100歳まで腰が曲がらず元気に歩く!【腸腰筋ストレッチと筋トレのためのイラスト図解剖学】

股関節(骨盤)お尻の筋肉
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【腸腰筋】は上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉であり、最強の股関節屈筋として強い力を発揮したり、立位姿勢保持筋としても重要な役割をしています。

【腸腰筋】機能が低下すると、立位、歩行、姿勢、体幹バランスが不安定になるので、股関節痛、骨盤の歪み、腰痛、転倒しやすさなどの原因にもなりとても危険です。

背骨〜骨盤〜大腿骨までをつなぐように3つの筋肉で構成される【腸腰筋】の解剖学構造をイラスト図を使ってわかりやすく解説しています。

【腸腰筋】は座り姿勢が長いと短縮してガチガチと硬い状態になりやすいため、解剖学構造を理解したストレッチや筋膜リリースで腸腰筋の柔軟性を取り戻してから、正しく筋トレをすることで効果的な鍛え方になりますので、ストレッチや筋トレを正しく効果的に行うための考え方も解説しています。

【腸腰筋】は存在しない?腸腰筋はどこにあるどんな筋肉?

【腸腰筋】とはひとつの筋肉の名称ではなく、作用が類似している「腸骨筋」「大腰筋」「小腰筋」の3つの筋肉をまとめた名前です。

  • 筋肉名:腸腰筋=「腸骨筋」+「大腰筋」+「小腰筋」
  • 腸腰筋ふりがな:ちょうようきん
  • 腸腰筋英語:Iliopsoas

「腸骨筋」「大腰筋」「小腰筋」は共同して「股関節屈曲」に作用するので、【腸腰筋】としてまとめられることが多いですが、それぞれの筋肉の起始停止が異なるためそれぞれの作用も異なります。

「腸骨筋」「大腰筋」「小腰筋」それぞれの走行や作用を理解することで、より運動パフォーマンスや姿勢改善効果が出やすくなりますので、「腸骨筋」「大腰筋」「小腰筋」と分けて解剖学構造を説明しています。

  • 筋肉名:大腰筋
  • 大腰筋ふりがな:だいようきん
  • 大腰筋英語:Psoas Major
  • 上半身と下半身をつなぐように下部胸椎から大腿骨まで走行
  • 筋肉名:小腰筋
  • 小腰筋ふりがな:しょうようきん
  • 小腰筋英語:Psoas Minor
  • 大腰筋と腸骨筋をつなぐように走行
  • 筋肉名:腸骨筋
  • 腸骨筋ふりがな:ちょうこつきん
  • 腸骨筋英語:Iliacus
  • 骨盤の内側から大腿骨に向かって走行

【腸腰筋】起始停止

「大腰筋」は腰あたりの椎骨から、「腸骨筋」は腸骨から始まり、鼠径靭帯の下にある筋裂孔を通って大腿前面に出て共通の腱となり大腿骨の小転子に停止し、「小腰筋」は大腰筋と腸骨をつなぐように走行しています。

【大腰筋】起始停止

  • 筋肉名:大腰筋
  • 起始:第12胸椎~第4腰椎まで椎体・椎間円板・全腰椎の肋骨突起・第12肋骨
  • 停止:大腿骨小転子(筋裂孔を経由)

【小腰筋】起始停止

  • 筋肉名:小腰筋
  • 起始:第12胸椎および第1腰椎椎体外側面
  • 停止:腸恥隆起・腸骨筋膜(腸骨筋膜の中へ入り込み、腸骨筋膜を介して腸恥隆起へ)

*小腰筋は、先天的に欠損している人もいます。

【腸骨筋】起始停止

  • 筋肉名:腸骨筋
  • 起始:腸骨上縁・腸骨窩
  • 停止:大腿骨小転子(筋裂孔を経由)

【腸腰筋】作用(働き)

【腸腰筋】は強力な股関節屈曲筋であり、強力な股関節伸展筋である大殿筋とともに股関節を安定させて立位バランス保持にも重要な役割を果たしています。

また、下肢(大腿)を固定すると体幹屈曲(大腰筋)や骨盤前傾(腸骨筋)に作用します。

【腸腰筋】は座り時間が長いと短縮して硬くなり筋力が低下しがちで、立っている時の重心のかけ方や、脚を組むなどの座りぐせなどで左右差が出やすいという特徴もあります。

【大腰筋】作用(働き)

  • 股関節屈曲
  • 体幹屈曲(大腿固定)
  • 姿勢維持(股関節安定)
  • 股関節外旋

【大腰筋】は腰椎から大腿骨に向かって走行しているため、大腿(太もも)を体幹(お腹の方向)に近づける運動(股関節屈曲)が主な作用です。

【大腰筋】は100メートルランナーでよく発達していることで有名で、サッカーでボールを蹴る時など力強く脚を前に降り出すとき、歩行時に脚を前に降り出すときなど上半身を安定させた状態で股関節(下半身)を大きく動かすときによく働きます。

また、大腿(ふともも)を固定した状態で作用すると、大腿(太もも)の方へ体幹(お腹の方向)が引っ張られるので、股関節から上半身を前屈する運動が生じます。

更に、体幹と脚をつないで立位でのバランスや姿勢を保持する際の抗重力筋としても重要な働きをしています。

大腿骨の内側に停止しているので、股関節を屈曲すると同時に股関節外旋方向への作用も加わります。

【小腰筋】作用(働き)

  • 腸骨筋膜を緊張させて腸腰筋としての作用を補助

小腰筋は先天的に欠損している人も多い解剖学的にも特殊な筋肉で、大腿骨には付着していないので股関節屈曲(関節運動)に直接的に関与していませんが、大腰筋と腸骨筋をつないで腸腰筋としての股関節屈曲作用を補助しています。

【腸骨筋】作用(働き)

  • 股関節屈曲
  • 股関節外旋
  • 骨盤前傾(大腿固定)
  • 姿勢維持(股関節安定)

【腸骨筋】は骨盤の内側から大腿骨に向かって走行しているため、骨盤に大腿骨を引き込むように股関節外旋を伴う股関節屈曲作用が生じます。

股関節を外側にひねりながら曲げる作用は、座位で足を組むときや座って靴下を履くときなどに活躍します。

大腿(太もも)を固定した状態で収縮すると骨盤前傾に作用するので、腸骨筋が短縮すると反り腰になりやすい傾向があります。

また、大腰筋と共にバランスや姿勢を保持する際の抗重力筋としても重要な働きをしています。

【腸腰筋】神経支配

股関節屈曲運動に主に作用する【腸腰筋】は腰神経叢と大腿神経支配です。

【大腰筋】神経支配

  • 腰神経叢の枝(L1~L4)

【小腰筋】神経支配

  • 腰神経叢の枝と大腿神経(L1)

【腸骨筋】神経支配

  • 腰神経叢の枝と大腿神経(L2~L4)

【腸腰筋】触診

【腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)】停止部にあたる鼠蹊部か筋腹のある腹部で触診できますが、深部の筋肉なので簡単ではありません。

腸腰筋の収縮を直接確認することよりも、作用している筋肉を自分の身体で感じられることが重要なので、実際にストレッチや筋トレをする時には、腸腰筋の起始停止をイメージしながら筋腹のあたりから腸腰筋を触れて探ってみましょう。

正しくイメージできることで代償動作が出にくくなり、ストレッチや筋トレの効果に大きな差がでます。

ちなみに…虫垂(盲腸)は大腰筋の上に位置するので、虫垂炎(盲腸炎)の時に股関節過伸展すると激しい痛みを感じます。

オススメの【腸腰筋】ストレッチ

腸腰筋は腰椎、骨盤、股関節の運動に関与する大きな筋肉なのでストレッチする際には複数の関節運動が作用しますが、基本的な考え方として、股関節を伸展させる方向(作用と反対方向)へ関節を動かすことで腸腰筋の起始と停止に距離が開くので筋肉が伸ばされて【腸腰筋】ストレッチできます。

腹直筋、大腿直筋、大臀筋など関連する筋肉の作用も含めて、腸腰筋がしっかりストレッチされていることを確認しながら丁寧に行いましょう。

身体の状態は人により異なるので、見本通りのポーズを取ろうとするのではなく、自分の今の身体の状態に合わせて腸腰筋をストレッチできる姿勢をとることが正しいストレッチ方法です。

比較的代償動作が出にくく腸腰筋がストレッチされている感覚がわかりやすいストレッチ方法をいくつか紹介しますので、以下の例を参考に、【腸腰筋】の解剖学構造をイメージしながら自分に合った【腸腰筋】ストレッチをしてみましょう。

臥位(寝たまま)で行う【腸腰筋】ストレッチ

ベットで寝たままでもできる初心者向けの【腸腰筋】ストレッチです。

片足ずつ行うことで左右差の確認やバランス調整しやすいですし、反対側で拮抗する筋肉のストレッチもできるので、日々の習慣にしたい【腸腰筋】ストレッチです。

やり方は仰向けに寝た状態で片方の膝をお腹に引きつけるように抱え込むだけです。

抱えている脚側は、腸腰筋と拮抗する作用がある大臀筋(お尻の筋肉)ハムストリングス(太もも裏の筋肉)のストレッチになり、伸ばしている側の脚では腸腰筋のストレッチになります。

ポイントは、脚を抱えるときに背中が丸まったり、伸ばしている脚が床から浮かないこと。

膝を曲げることが目的ではないので、伸ばしている脚側の腸腰筋が気持ちよく伸びるように姿勢は各自調整します。

腸腰筋が気持ちよく伸びていることを感じながら、呼吸を忘れず15〜30秒程度保持して元に戻します。

反対側も同じように行い、左右差がある場合はより硬く短縮している方を重点的に行ってバランスを整えましょう。

立位(マット上など)で行う【腸腰筋】ストレッチ

基本的な考え方は先ほど紹介した臥位(寝たまま)ストレッチと同じで、脚を前後に開いて後側脚の股関節伸展で腸腰筋ストレッチします。

重要なポイントも同じで、体幹は安定させたまま、骨盤が傾いたり腰が丸まったりしないようにします。

グラグラと体幹が安定しないと感じる時は椅子や机を活用して、目的である腸腰筋のストレッチに集中できるように環境を整えましょう。

以下のポイントを意識して、ご自身の状態に合わせてストレッチを深めましょう。

  • 前に出す脚の膝が足首より前に出ないこと
  • 背中を丸めず背筋をしっかりと上に伸ばす
  • 骨盤が左右や前後に傾かない
  • 太ももの付け根を意識してできるだけ後ろに大きく引く(股関節伸展)

腸腰筋のうち、大腰筋は下部胸椎と腰椎から、腸骨筋は骨盤から出ているので、ボディイメージがある人は、背骨や骨盤の動きを加えることでより腸腰筋のストレッチ効果を高めるアレンジを加えることができますが、最初は体幹と骨盤を安定させたまま股関節を伸展できる範囲で腸腰筋を選択的にストレッチする感覚をしっかりと覚えることから始めましょう。

【腸腰筋】ストレッチに効果的なヨガポーズ

ブリッジやバッタのポーズなどに代表されるヨガの後屈のポーズや戦士のポーズ(英雄のポーズ)などのように脚を前後に開くランジポーズは腸腰筋を大きくしっかりストレッチできるポーズです。

ただし効果が高いポーズほど関節への負荷も大きいので、ボディイメージがまだない場合や関節や筋肉に硬さがある場合は、関節運動範囲(可動域)の小さいストレッチメニューや初心者向けヨガポーズから始めて、腸腰筋を伸ばす感覚や他の関節や筋肉との連動を正しくイメージできるようになってからより関節可動域の大きい負荷の大きな中級者、上級者向けヨガポーズに挑戦しましょう。

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オススメ【腸腰筋】筋トレ

【腸腰筋】は、座りっぱなしの時間が長いと柔軟性や筋力が低下しやすく、また、立っている時の重心の偏り、座っている時の脚を組む癖などが原因で左右差も出やすい筋肉です。

【腸腰筋】は凝り固まった状態や左右差を放置すると、骨盤前傾による反り腰姿勢や腰痛になったり、骨盤が歪んで股関節の動きも制限されることによる痛みや様々な内臓系トラブルの原因になったり、前屈みの姿勢(いわゆる腰が曲がった高齢者のような姿勢)になりやすくなったり、立位歩行がやりにくくなったりします。

【腸腰筋】は若々しい姿勢と安定した立位歩行に不可欠な筋肉で、座り姿勢が長い現代人は若いうちから腸腰筋は短縮したり硬い状態になっていることが多いので、解剖学構造を理解したストレッチでほぐしたり、腸腰筋リリースした後に左右均等かつ柔軟性を保つように正しい鍛え方(トレーニング)で収縮させることで姿勢やパフォーマンスを改善する効果的な筋トレができ、人生100年時代を元気に乗り切れる身体が作れます。

腸腰筋は上半身を安定させた状態で脚(股関節)を力強く大きく動かしたり、立位バランスを安定させるために重要な筋肉なので、普段歩くときに腸腰筋を意識したり、その場での足踏みや足上げ、段差の上り下りなどの簡単で馴染みのある運動メニューで強化できます。

筋トレメニューとして体幹を安定させて股関節を大きく動かすマウンテンクライマー、バイシクルクランチ、ヨガの立位ポーズなども腸腰筋強化にオススメです。

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