【外側線(LL)】アナトミートレイン・イラスト図解解剖学③

筋膜の機能的なつながりである「アナトミートレイン」のうち、足底から頭頂部まで背面を一直線につなぐ【LL(ラテラルライン:外側線)】についてイラスト図解を用いてわかりやすく解説します。

【アナトミートレイン】とは?

【アナトミートレイン(Aatomy Trains)】とは、Thomas Myers氏が開発した、全身の筋膜のつながりを示すマッピングのことです。

筋膜の機能的なつながり【アナトミートレイン】を理解していると肩こりや腰痛などの身体の不調の解消や運動パフォーマンスや姿勢改善に役立ちます。

 

筋膜とアナトミートレインの詳細はこちら

https://mydr123.com/myofascia-atomytrains/

【ラテラルライン(LL/外側線)】とは?

【ラテラルライン(The Lateral Line)】は、足首外側周辺足部から下腿と太ももの外側、体幹、肩、耳の後ろの頭蓋骨まで上行して身体の両外側を囲むように走行する筋膜のつながりです。

日本語では「外側線や側線」と訳されていて、英語名の頭文字をとった「LL」も使われています。

【ラテラルライン(外側線)】経由地点(骨)と筋膜のつながり

【LL(外側線)】は、足裏から身体の外側ラインを上行して首(耳)の後ろの後頭骨まで連続している筋膜のつながりです。

筋膜は多くの骨格筋のように骨に直接付着しているのではなく、骨を覆う骨膜を経由して骨格構造に付着します。

中継する骨格構造および筋膜のつながりを図にすると以下のようになり、正中線でSFLとSBLを統合するように身体の外側を走行します。

筋膜および筋肉
後頭骨隆起、乳様突起 15
14 頭板状筋、胸鎖乳突筋
第1、第2肋骨 13
12 外肋間筋、内肋間筋
肋骨 11
10 腹斜筋
腸骨稜、ASIS、PSIS 9
8 臀筋群(大臀筋・中臀筋・小臀筋)
7 大腿筋膜張筋
6 腸脛靭帯
外側顆(脛骨) 5
4 腓骨頭の前靭帯
腓骨頭 3
2 腓骨筋群(下腿外側筋群)
第1および第5中足骨底 1

【LL(外側線)】はひとつの筋膜のつながりとして定義されていますが、左右別々の2本あり、体幹部分で連結しています。

【LL(外側線)】機能と特徴

【LL(外側線)】には、私たちの姿勢を維持したり運動を円滑にするための様々な機能があります。

姿勢調整機能

【LL(外側線)】は、他のスーパーフィシャルライン(SFL・SBL)、全アームライン、スパイラルラインの作用を仲介しながらバランスを取りながら作用するので、姿勢において前後のバランス調整および左右でのバランス調整に機能しています。

【LL(外側線)】は、協調して体幹や脚を安定させることで、バックリング(座屈)を予防している機能もあります。

運動機能

【LL(外側線)】は体幹の側屈、股関節の外転、足の外反運動に作用します。

また、体幹の側屈や回旋を調整する「ブレーキ」としての役割も果たします。

【LL(外側線)】詳細

【LL(外側線)】の構造や機能をパーツごとに詳細に解説します。

足底部

【LL(外側線)】は、足の内側と外側両方から身体の外側をつなぐように走行しています。

【LL(外側線)】は足の内側アーチと外側アーチの中央である第1中足骨と第5中足骨から始まります。

第1中足骨(長腓骨筋)と第5中足骨(短腓骨筋)は腓骨筋腱の停止部で、それぞれ足底を外側に進み、立方骨を介して足首の外側面に向かって上向きに方向を変えます。

SBLに含まれ、踵骨外側下端から第5中足骨底に向かって走行している足底筋膜の外側帯は、理論上【LL(外側線)】には含まれませんが、外側のバランスに作用する【LL(外側線)】の機能に関与します。

下腿(腓骨筋)部

【LL(外側線)】外側コンパートメントは、深層の短腓骨筋とその表層にある長腓骨筋が含まれて腓骨頭まで続き、前面(SFL)と後面(SBL)に別れて中隔で結合されています。

長腓骨筋と短腓骨筋は外くるぶしを超えた部分で、中隔でそれぞれ囲まれて融合し、下腿外側部を構成します。

前中隔は外くるぶしと腓骨頭前部を走る線上にあり、腓腹筋とヒラメ筋間の後中隔は、アキレス腱から腓骨頭の後ろまで辿ることができます。

また、これらの中隔を下腿筋膜が覆っています。

腓骨筋群は立位姿勢で足の背屈を抑制するために重要な役割をしていて、短縮すると足の外反を引き起こします。

このような時は、足関節を背屈/底屈しながら、指先やナックルで【LL(外側線)】前部および後部中隔を広げたり、腓骨筋筋膜ユニットを筋繊維の走行方向に沿って筋膜を長く柔らかくするアプローチも有効です。

太もも外側部(腸脛靭帯)

腓骨頭で一区切りする【LL(外側線)】は、腓骨頭の前靭帯から脛骨外側顆へ進み、「腸脛靭帯(ITT)」の下部繊維に移行して上行します。

*腓骨筋群を包む下腿筋膜は腓骨頭で「大腿二頭筋」の筋膜にもつながりますが、この筋膜のつながりはスパイラルライン(SL)において構成要素になります。

【LL(外側線)】において、「腸脛靭帯(ITT)」は脛骨外側顆(実質膝外側全体)から始まり腸骨(腸骨稜・ASIS・PSIS)に停止するまでとみなします。

「腸脛靭帯(ITT)」下部の組織は下腿骨(脛骨および腓骨)にも付着して下腿の前部および足部の筋膜も含み、脛骨外側顆から腿太もも下部外側で細く太い帯状の繊維を触診できます。

「腸脛靭帯(ITT)」は、アキレス腱と同じように広く薄く組織形状を変化させながら上行して股関節に達し、大腿骨大転子を包み込みます。

「腸脛靭帯(ITT)」の緊張は、外転筋群による上から作用や「外側広筋(大腿四頭筋)」による下からの作用によって増強し、特に片脚立ちの時に股関節を安定(大腿骨頭を寛骨臼に収めて安定させる)に大きく貢献しています。

更に、「腸脛靭帯(ITT)」大腿骨頸部にかかる体重の負荷を緩和するテンセグリティ構造としても機能していて、この機能は外側広筋(大腿四頭筋)の収縮によって強化されます。

また、「腸脛靭帯(ITT)」の繊維は周囲の繊維と絡み合っていて姿勢の骨盤角度によって「腸脛靭帯(ITT)」の前縁と後縁の収縮を調整しています。

緊張が左右不均衡の場合は骨盤が側傾し、「腸脛靭帯(ITT)」と股関節内転筋群の緊張がアンバランスの場合内版膝や外反膝の原因になります。

股関節および臀部

大腿骨大転子を包み込みながら上行する【LL(外側線)】は、更に幅を広げ、筋膜腸骨稜外縁に付着してASISからPSISまで伸び、股関節およびお尻の筋肉群(大腿筋膜張筋・大臀筋・中臀筋)を包み込みます。

これらの筋肉群は、腸脛靭帯(ITT)筋膜の深層部と筋膜でつながり、歩行などの際に地面に接している方の脚に体幹が乗って歩行バランスを安定させるために機能しています。

股関節外転筋群が、オープンチェーンにおける「股関節外転」に作用することはほどんどなく、歩行などの際に片脚立ちになった時に張力を高めて内転予防に作用しています。

腸骨稜からウエスト

骨盤以下の【LL(外側線)】は、太ももから骨盤に向かう連絡経路がASIS (上方)とPSIS(後方)に別れた「Y字」のような形状になっていていて、アナトミートレインの基本原則の例外となる方向転換が加わりながら、体幹部へ連結しています。

腸骨稜は、広背筋と三層構造になっている腹筋群の付着部になっていますが、【LL(外側線)】は腸骨稜から腹斜筋群へと筋膜をつなげ、体幹前面と後面を縫い合わせるようなクロス構造を構成しながら、耳の後ろまで上行します。

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胸郭

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肩から頸部

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【LL(外側線)】代償姿勢や動作

【LL(外側線)】は、左右のアンバランス調整に重要な役割を果たしていてる筋膜のつながりなので、機能低下などによって以下のような典型的な姿勢や動作になります。

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問題 機能制限の要因
足首回内・回外
足首背屈制限
内反膝または外反膝
内転制限(外転筋短縮)
腰椎側屈(腰椎圧迫)
骨盤と胸郭が近く
肩から首の制限

 

【LL(外側線)】を意識したトレーニングやエクササイズ

【LL(外側線)】を意識することで、機能的でパフォーマンスの高い姿勢を維持できるようになります。

問題点を明確にして、適切な筋膜リリース、ストレッチ、筋力トレーニングをしましょう。

詳しくは会員限定サイトで

 

 

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