【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)】ふくらはぎの筋肉【イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)】

【腓腹筋とヒラメ筋】は【下腿三頭筋】と呼ばれ、「ふくらはぎ」の形を決めるアウターマッスルであり、アキレス腱になって踵に付着し、立位・歩行動作はもちろん、循環や全身の健康にも関与しています。

【下腿三頭筋】の解剖学構造についてイラスト図解でわかりやすく説明しています。

第二の心臓と呼ばれる「ふくらはぎ」の筋肉である【下腿三頭筋】を効果的に鍛えると、全身循環が改善するため、美脚はもちろん、ダイエット・美肌・冷え性や肩こりの改善など様々な健康効果が期待できます。

【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)】とは?どこにあるどんな筋肉?

【下腿三頭筋】は、下腿後面表層の筋肉群に分類される筋肉群のうち、「腓腹筋」と「ヒラメ筋」の総称で、いわゆる「ふくらはぎの筋肉」のことです。

腓腹筋が2頭のため、筋肉は2つですが3頭筋と呼びます。

筋肉名(ふりがな) 英語
下腿三頭筋 腓腹筋(ひふくきん) Gastrocnemius
ヒラメ筋(ひらめきん) Soleus

ふくらはぎ部分を構成する力強い筋肉である【下腿三頭筋】は、直立歩行を獲得した人間のために発達した筋肉群です。

【腓腹筋】はふくらはぎ(下腿後面)表層部分で大きな範囲を占める力強い筋肉です。

ギリシャ語でお腹(胃)を意味する「γαστήρ (gaster) 」脚を意味する「κνήμη (kneme)」から名前がつけられた【腓腹筋(Gastrocnemius)】は、まさに「足のお腹」のような形状と重要な機能を持っています。

【ヒラメ筋】は広い平な筋肉で、膝下から【腓腹筋】直下を走行しています。

膝関節の角度に影響される【腓腹筋】とは異なり、【ヒラメ筋】は純粋な足関節底屈筋として強い力を発揮して「腓腹筋」の作用をサポートし、抗重力筋として立位保持を維持するために常に収縮しています。

【腓腹筋】と【ヒラメ筋】の力強い筋腹は、アキレス腱となり踵に停止していますが、人差し指くらいの太さのアキレス腱が支えることができる重量は1トンほどと言われていますので、立位保持、歩行、ジャンプ、血液循環促進など二歩足歩行の人間の活動に欠かせない重要な役割を担っている【下腿三頭筋】の作用はとても強力であることがわかります。

また、【下腿三頭筋】の収縮による血液循環は、下に滞りがちな血液を心臓に戻すために重要なので、「第二の心臓」とも呼ばれています。

二本足歩行をする動物である私たち人間の生活では、重力の影響で下半身に血液の70%が集まってしまうため、心臓のポンプ機能を補う(血液を心臓に戻す働き)必要があります。

そのため、ふくらはぎの筋肉である【下腿三頭筋】は、四本足動物よりも高度に発達しています。

脚のむくみや疲れやすさ、冷えなどが気になる場合は、ふくらはぎの筋肉である【下腿三頭筋】鍛えて全身の循環を改善することで解決できる場合があります。

また、【下腿三頭筋】の大きさや形状でふくらはぎの外観が決まりますので、きゅっと引きしまったふくらはぎや足首をボディメイクするためにも、正しい解剖学知識は不可欠です。

【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)】起始停止

【下腿三頭筋】は、【腓腹筋】は大腿骨から2頭、【ヒラメ筋】は下腿骨(脛骨・腓骨)から1頭の合計3頭で起始します。

【腓腹筋】は膝窩下縁でひとつの筋腹になり、その下を併走するうように走行する【腓腹筋】と共に下腿中央あたりまで筋腹を広げたあと、徐々に筋腹を狭めて共にアキレス腱となり合して踵骨に停止します。

起始 停止
腓腹筋 外側頭 大腿骨外側上顆後外側面・外側顆上線 アキレス腱を介して踵骨後面
内側頭 大腿骨内側上顆後面・大腿骨骨幹部軸膝窩面
ヒラメ筋 ヒラメ筋線・腓骨内側縁・腓骨頭・腓骨後縁

【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)】はふくらはぎの大部分を構成する筋肉で、表層にある【腓腹筋】は二頭で膝窩下縁を形成し、その直下に【ヒラメ筋】があります。

【腓腹筋】外側頭は「大腿二頭筋」腱と一部重なり、【腓腹筋】内側頭は「半膜様筋」に覆われていて、いずれも膝関節包にも含まれます。

【腓腹筋】外側頭と内側頭は、膝窩下縁で合してひとつの筋腹になり、いわゆる「ふくらはぎ」部分となります。

【腓腹筋】表層は筋膜で覆われ、小さい伏在静脈や腓骨の連絡神経や腓腹神経と隔離されています。

【腓腹筋】深層は、膝窩筋靭帯、膝窩筋、【ヒラメ筋】、「足底筋、膝窩動脈および静脈、脛骨神経と接しています。

【ヒラメ筋】は、深層には、筋間中隔によって【下腿三頭筋】と隔てられ、長趾屈筋、長母趾屈筋、後脛骨筋、後脛骨動脈と静脈、および脛骨神経があります。

【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)】作用

【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)】足関節底屈の主動作筋で、歩行やジャンプなどの際に重力に抗して踵を持ち上げます。

関節 作用
腓腹筋 膝関節 屈曲
足関節(距腿関節) 底屈(踵挙上)
ヒラメ筋 足関節(距腿関節) 底屈(踵挙上)

【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)】は協力しあって共に作用しますが、得意分野が違います。

【腓腹筋】は膝の屈曲にも関与する二関節筋で、瞬間的に力強い底屈運動を起こす筋肉なので、ジャンプや歩行時の蹴り出しなど運動を起こす時に強く働きます。

その深層にある【ヒラメ筋】は純粋は足関節底屈筋として、主に重力に対して常に収縮する抗重力筋(姿勢保持筋)として、脊柱起立筋群、大臀筋、ハムストリングなどと共に立位保持するために作用しています。

つまり、【下腿三頭筋】は、【腓腹筋】と【ヒラメ筋】の絶妙なチームワークで構成されています。

人間の身体の重心は足首前面を通る垂直線で動くため、身体はもともと前傾しやすくなっていますので、【下腿三頭筋】が常に収縮して後ろに引くことで、立位の安定性が保たれます。

歩いたり立っている時に【ヒラメ筋】は常に収縮しているので、【ヒラメ筋】は遅筋(披露しにくい繊維)が多く含まれています。

【ヒラメ筋】による安定した土台があってこそ、【腓腹筋】による歩行、ダッシュ、ジャンプなどの力強い運動が可能となります。

また、【腓腹筋】は膝関節にも作用する二関節筋なので、膝が屈曲している時は【腓腹筋】足関節底屈力が制限されてしまいますので、膝屈曲時の主要な足関節底屈筋は【ヒラメ筋】になります。

【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)】神経支配

【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋の総称)】は、脛骨神経(S1、S2)支配です。

【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)】触診

【腓腹筋】は、ふくらはぎの盛り上がりを作っている筋肉なので簡単に触診できます。

【下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)】ストレッチと筋トレ

ふくらはぎを鍛えることで心臓の負担も減らせるので、高血圧や心臓血管系の症状の予防・改善も期待できますし、全身に血液や酸素のめぐりが良くなることで、美肌・ダイエット・冷え性改善など多様な健康効果が期待できます。

さらに、ふくらはぎを鍛えて脚の安定感を高めれば、上半身をリラックスできるようになるので、血流改善含めて、肩こり・首こりなどの根本解消につながるケースも多くあります。

キュッと引き締まったふくらはぎのラインは、美しい脚のラインに欠かせない要素でもありますので、解剖学構造を理解して効果的に美脚作り・ボディメイクをしましょう。

ストレッチをする時は、循環を促すために、足首をまわすストレッチや筋腹のマッサージも組み合わせるとより効果的です。

トレーニングの際は、膝関節の屈伸や負荷のかけ方で【ヒラメ筋】と【腓腹筋】を区別することでより効果的なボディメイクやパフォーマンス向上が期待できます。

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