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【回旋筋(頚回旋筋・胸回旋筋・腰回旋筋)】イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)

椎骨間を短い間隔でつなぐように走行し、姿勢の保持や運動時に背骨の安定を微調整する役割がある【回旋筋】の解剖学構造をイラスト図解でわかりやすく解説しています。

【回旋筋】とは?どこにあるどんな筋肉?

【回旋筋】は、背骨外側に沿って椎骨横突起と棘突起間を走行する四角形の深層筋(インナーマッスル)で、「多裂筋」および「半棘筋」と共に「横突棘筋」に分類されます。

【回旋筋】は名前の通り「背骨の回旋や伸展運動を起こす作用」のある筋肉ですが、筋腹が短いので、関節運動を起こすというより、背骨を安定させるための微調整をするための運動作用です。

  • 名称:回旋筋
  • ふりがな:かいせんきん
  • 英語名:Rotatores

【回旋筋】は、作用する部位により「頚回旋筋」「胸回旋筋」「腰回旋筋」と分類しますが、それぞれ長さ(走行の法則性)により「長回旋筋」と「短回旋筋」があります。

【回旋筋】の中でも「胸回旋筋」が最も発達していて通常11対の筋肉が含まれますが、「頚回旋筋」および「腰回旋筋」は走行に一貫性がないことも多く、「多裂筋」の深部繊維のように扱われる場合もあります。

【回旋筋】起始停止

【回旋筋】は、「各椎骨の横突起」から起始して内側上方へ走行し、「1〜2レベル上の椎骨棘突起基部と椎弓板」に停止します。

 起始停止
長回旋筋椎骨横突起1椎体隔てた上位の椎骨棘突起と椎弓板
短回旋筋椎骨横突起直上の椎骨棘突起と椎弓板

【回旋筋】は、「横突棘筋」の中でも最も深層の筋肉で、「棘間筋」や「横突間筋」など更に深層にある内在性背筋群を覆っていて、【回旋筋】を含む「横突棘筋」の外側表層には「脊柱起立筋群」があります。

【回旋筋】作用

【回旋筋】は、背骨をねじる運動に作用して姿勢の調整をしています。

 両側収縮片側収縮
長回旋筋伸展回旋(反対側)
短回旋筋伸展回旋(反対側)

【回旋筋】の頸部および腰部は一貫性のある走行でなかったり欠損している場合も多く、主に作用するのは胸椎部ですが、回旋運動における効率も低く、回旋運動への寄与はごくわずかであることがわかっています。

つまり、【回旋筋】は隣接する椎骨間の動きを筋長や張力を変えながら調整することで、運動や姿勢保持において背骨の安定に寄与している筋肉と考えられます。

【回旋筋】神経支配

【回旋筋】は、脊髄神経後枝の内側枝支配です。

  • 脊髄神経(C3~S3)

【回旋筋】触診

【回旋筋(横突棘筋)】は背筋深層の筋肉であり、多層構造になっている椎間をつなぐように走行する筋肉群を明確に区別して触診することは困難ですが、走行を理解しておくことでより姿勢改善などにおいて的確なアプローチができます。

【回旋筋】ストレッチと鍛える方法

【回旋筋】は背骨の回旋作用はありますが、実際にツイストなどウェストや胸郭を捻る運動では、「腹斜筋」や「脊柱起立筋」が主に作用します。

【回旋筋】は運動時など姿勢が変わっても背骨のライン安定させる微調整に作用しているので、【回旋筋】をターゲットにする場合は、背骨と背骨の間を広げるようにしっかりと背筋を伸ばし、ごく小さな動きで背骨のラインを整えるように背骨の回旋運動をしましょう。

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