神経路(知覚伝導路・錐体路・錐体外路)まとめ

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神経路とは身体に張り巡らされた「神経」でつなぐネット回線のようなもので、脳と皮膚・目・耳・筋肉・関節などの各末梢器官が常に神経路を通じて互いに連絡を取り合っているから感覚や運動機能が正常に働き、日常生活が問題なく送れるようになります。


正常の神経路を理解しておくことで、障害や病状の理解に役立ちます。

例えば、交叉の前で障害された場合傷害側と麻痺側は反対になりますが、脳卒中の際に右脳の傷害で左の手足に麻痺が出るのはこのような神経路の構造によるものです。
また、障害部位が上位運動ニューロンなのか下位運動ニューロンなのかによっても出てくる症状が全く違うので症状からの損傷部位も予測できます。

神経路(情報の伝導路)の役割と神経繊維の種類

スマートフォンやパソコンで友達や大切な人との会話をつなぐネット回線のように、身体には「神経」という回線が張り巡らされ、脳と各器官が常に互いに連絡を取り合っているから日常生活が問題なく送れます。

神経経路は器官と器官の間の情報伝達、つまりインターネット回線のような役割を担っていて、複数の回線がそれそれ役割を分担しています。

神経路を構成する神経繊維は主に以下の種類があります。

  • 遠心性繊維(下行性):
    身体の中心にある中枢神経から末梢へと情報を運ぶ繊維で運動神経が代表例
  • 求心性繊維(上行性):
    末梢から中枢神経へ情報を運ぶ繊維で感覚(知覚)神経線維が代表例
  • 投射繊維(上行性・下行性):
    ・大脳皮質と下位の脳部(大脳基底核・脳幹・小脳)や脊髄とを連絡する繊維
    ・大脳皮質運動野から内包に至る四肢・体幹・顔面に運動指令を伝える線維(皮質脊髄路・皮質延髄路)
    ・視床から大脳皮質知覚領野に至る感覚情報を伝える繊維
  • 連合繊維:
    ・同側半球の皮質間を連絡する繊維
    ・大脳皮質の神経細胞同士を結びつけたり、情報を集めてまとめたり、過去の記憶に照合して判断を下すなど連合的・統合的な機能を果たす
    ・前頭葉前部と後頭葉・側頭葉を結ぶ上縦束
  • 交連繊維:
    ・反対側半球の皮質間を連絡する繊維
    ・それぞれの半球から得られた情報を交換しあいながら、各半球の機能を十分生かすように働く
    ・左右の大脳半球を広くつなぐ脳梁など
  • 知覚伝道路の構造と役割〜感覚を伝える求心性経路

    知覚伝道路とは皮膚や関節などの身体中にある感覚器官を通じて得た情報を脳に伝える経路のこと。
    末梢から中枢に向かう経路のため求心性(中心に向かう)経路と呼ばれます。

    皮膚からの触圧覚、温度覚、痛覚、筋・関節からの深部感覚、内臓感覚(便意、尿意、悪心、口渇感、飢餓感、満腹感、内臓痛など)が伝達されます。

    知覚・感覚神経の上行性経路概要

    運動神経とは逆に末梢の感覚受容器がある部位が第1次ニューロンとなります。

  • 第1次ニューロン
    • 感覚受容器で感覚刺激を感知
    • 脊髄の後根を通って脊髄内へ
  • 第2次ニューロン
    • 温度覚・痛覚は脊髄後角
    • 位置覚・振動覚は脊髄後策
  • 第3次ニューロン
    • 視床
    • 大脳皮質知覚領野
  • 痛覚と温度覚(温痛覚)の神経伝導路

    痛覚と温度覚は同じ経路ですが、四肢体幹と顔面で経路が異なります。

    四肢体幹(外側脊髄視床路)

  • 第1次ニューロン
    • 温痛覚の受容器
    • 脊髄神経節
    • 後根
    • 脊髄後角で第2次ニューロンとシナプスを形成
  • 第2次ニューロン
    • 1~2髄節上行した後中心管の前方を通過し、白交連で交叉して反対側の脊髄側策前方を上行(外側脊髄視床路)して第3次ニューロンにシナプス
  • 第3次ニューロン
    • 視床
    • 大脳皮質知覚領野
  • 顔面

  • 第1次ニューロン
    • 温痛覚の受容器
    • 三叉神経節神経細胞
    • 橋(2次ニューロンにシナプス)
  • 第2次ニューロン
    • 三叉神経脊髄路核(延髄)で交叉し第3次ニューロンにシナプス
  • 第3次ニューロン
    • 視床
    • 大脳皮質知覚領野
  • 触覚・深部覚の神経伝導路

    触覚の種類に応じて別の経路を通ります。

    四肢・体幹の微細触覚・深部覚(脊髄延髄路)

  • 第1次ニューロン
    • 受容器
    • 脊髄神経節
    • 後根
    • 同側の後策に達して上行し第2次ニューロンとシナプスを形成
  • 第2次ニューロン
    • 延髄下部の後策内(薄側核・楔状束核)で反対側へ交叉
    • 内側毛帯を上行して第3次ニューロンにシナプス
  • 第3次ニューロン
    • 視床
    • 大脳皮質知覚領野
  • 四肢・体幹の粗大触覚・圧覚(前脊髄視床路)

  • 第1次ニューロン
    • 受容器
    • 脊髄神経節
    • 後根
    • 数髄節上の脊髄後角で2次ニューロンにシナプス
  • 第2次ニューロン
    • 白交連(交叉)
    • 脊髄前策(前脊髄視床路を上行)で第3次ニューロンにシナプス
  • 第3次ニューロン
    • 視床
    • 大脳皮質知覚領野
  • 顔面の微細触覚・粗大触覚・深部覚

  • 第1次ニューロン
    • 受容器
    • 三叉神経節神経細胞
    • 橋(2次ニューロンにシナプス)
  • 第2次ニューロン
    • 三叉神経主知覚核(第3次ニューロンにシナプス)
  • 第3次ニューロン
    • 視床
    • 大脳皮質知覚領野
  • 運動神経経路の構造と役割〜運動の指令を伝える遠心性経路

    運動神経経路とは、運動領野から身体の各部位に運動の指令を送る神経伝道路のこと。
    中枢から末梢に向かう経路のため遠心性(中心から離れる)経路と呼ばれます。

    運動神経路の下行性経路概要

    大脳皮質の中心前回(運動領野)と呼ばれる中心溝のすぐ前方にある脳の隆起(脳回)が運動の指令を統括。
    運動領野は大脳円蓋部に沿って内側面から(足→体幹→手→顔面→舌→咽喉頭)の順番でそれぞれの領域を支配している神経細胞が分布しています。

    それぞれの領域から出た指令が最終器官(筋肉)まで到達する経路も目的別に複数存在します。

    錐体路(皮質脊髄路と皮質延髄路)とは

    錐体路とは、「意図的な運動(随意運動)を手足、体幹、顔面、咽頭などに 起こさせるインパルスを伝達する中枢神経系の主要な伝導路」のことで、狭義では皮質脊髄路を指しますが、広い意味では皮質延髄路も錐体路に含めます。

    さらに錐体路の上位運動ニューロンは、錐体外路と呼ばれる神経路とともに下位運動ニューロンに対し反射や運動が過剰にならないように抑制する働きもあります。
    そのため、錐体路が障害されると複雑な動きを巧みに行ったり、意図的な動きができなくなったり、腱反射が亢進したりします。

    皮質脊髄路〜四肢や体幹へ指令を伝達する経路

    錐体路とも呼ばれる皮質脊髄路は、四肢や体幹への指令を伝達する経路で、以下のような経路を形成します。

  • 上位ニューロン
    • 大脳白質を経て内包の後半分を通過
    • 中脳大脳脚中央部
    • 延髄(腹側にある錐体を通過)
    • 延髄と頸髄の境界部で神経繊維の大部分(約80%)が交叉し反対側へ(錐体交叉)脊髄側索を下降(外側皮質脊髄路)
      または白交連で交叉(前皮質脊髄路)
    • 目的の脊髄髄節の脊髄前角
  • 下位ニューロン
    • 直接運動器の筋肉に指令を送るニューロン(脊髄前角細胞)とシナプスを形成
  • 皮質延髄路〜顔面・口腔・咽頭へ指令を伝達する経路

  • 上位ニューロン
    • 皮質脊髄路と並んで内包へ
    • 内方膝部を通過し中脳へ
    • 脳幹の中で、皮質脊髄路と分れて反対側に交叉し、その側の中脳、橋、延髄内にあるそれぞれの神経核へ
  • 下位ニューロン
    • 関連する器官のニューロンとシナプスを形成
  • 皮質延髄路に関連する神経は運動神経(第3:動眼神経・第4:滑車神経・第5:三叉神経・第6:外転神経・第7:顔面神経・第9:舌咽神経・第10:迷走神経・第11:副神経・第12:舌下神経)です。
    純粋な知覚神経(第1:嗅神経、第2:視神経、第8:聴神経)は、皮質延髄路に関係しません。

    錐体外路の役割と経路

    錐体外路とは錐体路と同じ場所から出て同じ場所に至る経路で、錐体路による随意運動を微妙に調整して円滑で正確な動きができるように指令を伝達しています。

  • 上位ニューロン
    • 大脳皮質
    • 大脳基底核(線条体(被殻と尾状核)赤核・黒質・中脳網様体など)
    • 脳神経核・脊髄前角の神経細胞
    • 錐体路同様内包を通過
    • 下位ニューロン
      • 錐体路とほぼ同じ経路を通るが錐体は通らず、延髄オリーブを通って脊髄前角の神経細胞へ
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