【小指伸筋】解剖学構造（起始停止、作用、神経支配）をイラスト図解を使ってわかりやすく解説しています。
【小指伸筋】とは？どこにあるどんな筋肉？
【小指伸筋】は、「腕橈骨筋」「長橈側手根伸筋」「短橈側手根伸筋」「尺側手根伸筋」「総指伸筋」と共に前腕後面表層筋群に分類される筋肉で、第5指の独立した伸展に作用します。
- 名称：小指伸筋
- ふりがな：しょうししんきん
- 英語名：Extensor Digiti Minimi
【小指伸筋】が第5指の独立した伸展に作用できることで、他の4指と区別して小指だけの伸展が可能になります。
【小指伸筋】起始停止
【小指伸筋】は、「上腕骨外側顆」から「総指伸筋」内側を走行して、「第5指の指背腱膜」に停止します。
| 起始 | 停止 |
|---|---|
| 上腕骨外側顆（共通の伸筋腱） | 第5指の指背腱膜 |
【小指伸筋】は、「短橈側手根伸筋」「尺側手根伸筋」「総指伸筋」との共通の伸筋腱を介して上腕骨外側顆から起始して細い筋腹を下降させますが、特に近位部では「総指伸筋」と結合していて区別が困難です。
前腕中央あたりから【小指伸筋】の筋繊維は「総指伸筋」と明確に分離し、「総指伸筋」内側にある独立した筋腹を確認できます。
【小指伸筋】は、前腕半分を過ぎたあたりで腱に移行し、独自の腱鞘を有して「下橈尺関節」後方を通り、「伸筋支帯」深層を通過して手背に入ります。
手背に入った腱は2本に別れ、外側腱は一部指背腱膜と融合しながら進むため、第５指のやや内側にありますが、最終的にどちらも「第5指の指背腱膜」に停止します。
【小指伸筋】作用
【小指伸筋】の主な作用は「第5指中手指節間関節の伸展」で、他の4指とは独立した小指だけの伸展が可能にする筋肉です。
| 関節 | 作用 |
|---|---|
| 第5指中手指節間関節 | 第5指中手指節間関節 |
| 手関節 | 背屈（伸展） |
また、指背腱膜を介して「尺側手根伸筋」と相乗的に作用することで手首や手指全体の伸展や尺屈にも作用します。
【小指伸筋】神経支配
【小指伸筋】は、「橈骨神経深枝」に続く「後骨間神経（C7-C8）」支配です。
【小指伸筋】触診
【小指伸筋】は、「尺側手根伸筋」の外側、かつ「総指伸筋」内側にあります。
前腕近位部では「総指伸筋」と筋繊維を癒合しているため、前腕遠位部でより明確に独立した【小指伸筋】筋腹を確認できます。
伸筋支帯レベルでは、【小指伸筋】表層を「尺骨動脈」と「尺骨神経」が走行していて、「伸筋支帯」から分離されています。
【小指伸筋】ストレッチと筋トレ
【小指伸筋】は、前腕筋群および手内筋全体の構造を把握することで効果的にコンディショニングができます。
前腕を太くするボディメイクトレーニング、手首や指を使うスポーツや動作のパフォーマンス向上や疲労時のメンテナンスなど目的に合わせて調整しましょう。
