胸郭の筋肉

【大胸筋】筋トレとストレッチのための【イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)】

【大胸筋】を鍛えるトレーニングメニューで、正しく【大胸筋】筋トレやストレッチができるように、【大胸筋】解剖学構造(起始停止・作用・神経支配など)についてイラスト図解を使ってわかりやすく解説しています。

【大胸筋】とは?どこにあるどんな筋肉?

【大胸筋】は胸郭前面を広く覆って上腕骨まで走行する厚みのある強力な筋肉です。

いわゆる胸板やバストの土台となる【大胸筋】は、男性では胸板、女性でバストアップなど見た目に大きく影響するわかりやすい筋肉のひとつです。

  • 名称:大胸筋
  • ふりがな:だいきょうきん
  • 英語名:Pectoralis Major

【大胸筋】は上肢(腕)を体幹に安定させて「肩関節の内転と内旋」にも作用する他、肋骨を動かす「呼吸補助筋」としても作用します。

【大胸筋】起始停止

【大胸筋】は扇型の大きなひとつの筋肉ですが、起始部は3つのパーツに分類され、それぞれの起始から出た筋繊維は収束してひとつの腱となり、「上腕骨大結節稜」に停止します。

 大胸筋部位読み方/ふりがな英語起始
鎖骨部(上部)さこつぶclavicular part鎖骨内側1/2~2/3
胸肋部(中部)きょうろくぶsternocostal part胸骨前面、第1~6肋骨の肋軟骨
腹部(下部)ふくぶabdominal part腹直筋鞘前葉

【大胸筋】作用

【大胸筋】全体としては、上半身を見た目(胸板の厚さ・バストアップの土台)となり、肩関節(肩甲窩上腕関節)における「上腕骨の内転および内旋に主に作用する」力強い筋肉です。

 関節作用
全体肩関節(肩甲窩上腕関節)内転・内旋
肩関節(肩甲胸鎖関節)肩甲骨を前下方に引く
鎖骨部肩関節(肩甲窩上腕関節)水平屈曲(90度まで)
胸肋部肩関節(肩甲窩上腕関節)伸展補助(屈曲→伸展)

「鎖骨部」単独では、肩関節(肩甲窩上腕関節)の水平屈曲(90度まで)に作用します。

「胸肋部」単独では拮抗運動が生じ、上腕骨を解剖学的ポジションに戻そうとする作用(屈曲位から伸展位)が生じます。

【大胸筋】が「広背筋」と一緒に働いて、上腕骨が体幹(肩甲帯)に固定されている場合は、体幹を前方または上方に持ち上げる力(作用)が生じますが、この動きは登山、「クライミング」「プッシュアップ」「プランク」などの自重トレーニングなどの際に身体を支える主要筋のひとつになります。

また、停止部から起始部に作用する時は、肋骨を引き上げる動作が生じ、スポーツや咳などで呼吸が苦しい時の努力呼吸時の「呼吸補助筋」として作用します。

【大胸筋】神経支配

【大胸筋】は、腕神経叢に由来する「外側胸筋神経」と「内側胸筋神経(C5-T1)」支配です。

  • 内側および外側胸筋神経(C5~T1)

【大胸筋】触診

【大胸筋】は、男性では「皮膚・皮下組織・筋膜の直下」にありますが、女性は「乳房」に覆われています。

【大胸筋】深層には「小胸筋」と「前鋸筋」があり、「上位6肋骨前面」を覆っています。

また、「鎖骨下窩(モーレンハイム窩、三角筋胸筋三角)」 と呼ばれる「大胸筋」「三角筋」「鎖骨」の間の三角形の窩(溝)は、肩関節の損傷確認や鎖骨下動脈のランドマークなどになっています。

【大胸筋】筋トレとストレッチ

【大胸筋】は3方向の繊維に別れているため、ターゲットを細分化するとより効果的な筋トレやストレッチができます。

「後ろで肘で掴む」「頭の後ろに両手を添える」「壁や床を使う」などして肩関節を伸展や外転方向へ動かすことで【大胸筋】ストレッチができます。

ヨガポーズでも【大胸筋】を気持ちよくストレッチできるポーズがたくさんあります。

【大胸筋】筋トレ方法は、「ダンベル」「ディップス」「腕立て伏せ(プッシュアップ)」などの自重トレーニングなどが代表的ですが、姿勢や負荷のかけ方で目的や状況に合わせてトレーニングメニューをアレンジできます。

下行する【大胸筋】上部繊維、横行する【大胸筋】中部繊維、上行する【大胸筋】下部繊維ぞれぞれの解剖学構造を意識しながら筋トレをやストレッチを実践することで、トレーニング効果を高められます。

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