【小胸筋】ストレッチや筋トレでこりや痛みを解消【イラストでわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)】

肩関節(肩甲骨)の筋肉
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【小胸筋】は、サスペンダーのように肩甲骨烏口突起と肋骨をつなぎ、肩甲骨および胸郭(呼吸)運動に関与するインナーマッスルです。

【小胸筋】のコリは、「腕を動かす時の痛み」「猫背で垂れたバスト」「浅い呼吸で疲れやすい」などの痛みや悩みの原因になります。

【小胸筋】の解剖学的構造(作用や起始停止)を理解して効果的なストレッチでこりをほぐし、正しい筋トレで上向きバストや綺麗な姿勢を作りましょう。

【小胸筋】とは?どこにあるどんな筋肉?

【小胸筋】は、胸筋の代表格である「大胸筋」の深層にあり、「大胸筋」「鎖骨下筋」「前鋸筋」と共に胸郭前面に付着する筋肉群に分類されます。

  • 名称:小胸筋
  • ふりがな:しょうきょうきん
  • 英語名:Pectoralis minor

【小胸筋】は他の筋肉群と協調して肩甲骨運動筋や呼吸補助筋として作用します。

【小胸筋】起始停止

【小胸筋】は肩甲骨から肋骨に吊り下がるサスペンダーのような形の筋肉です。

起始 停止
小胸筋 第(2)3~5肋骨前面(肋軟骨付近) 肩甲骨内側縁と烏口突起

【小胸筋】は、第(2)3~5肋骨前面(肋軟骨付近)から3頭(または4頭)と肋間筋を覆う筋膜から起始し、上外側に走行して平な腱を構成して肩甲骨烏口突起に停止します。

【小胸筋】作用

【小胸筋】には様々な作用がありますが、主に肩甲胸郭関節における肩甲骨運動および肩甲骨の安定に作用します。

また、肩甲骨を固定した状態では肋骨を引き上げる作用が生じるため、努力呼吸時の呼吸補助筋としても作用します。

関節/骨 作用
小胸筋 肩甲胸郭関節 肩甲骨を前下方へ引く、肩甲骨を胸郭に安定させる
肋骨 引き上げ(呼吸補助)

【小胸筋】と「前鋸筋」が一緒に働く時は、「肩甲骨プロトラクション(肩甲骨が胸郭に沿って前外側に動く)」が生じ、腕を前方に伸ばす時にとても重要な働き(作用)です。

抵抗に対する「肩甲骨下方回旋(下角が内側に移動する)」は、【小胸筋】が肩甲骨外側を下に引く作用と「肩甲挙筋」および「菱形筋」が回転軸の内側を上方に引くことによって生じます。

「肩甲骨下制」は通常重力によって自然に生じる運動ですが、意識的に下制させたい時は【小胸筋】や【前鋸筋】が作用します。

日常の動作などで考えると、【小胸筋】は、腕を上方に引き上げてリーチ範囲を拡大したり、上向きのバストや胸を開いた姿勢を作るときに重要な筋肉です。

日常の動作や家事もほとんどが腕を前に出して行う動作なので疲労しやすい筋肉でもあり、猫背や巻き肩でスマホやパソコン作業を長時間行ったり、電車でつり革をつかまるなど脇をしめた状態で腕をあげる状態が続くと【小胸筋】コリになり、 呼吸が浅くなったり、肩こり・首こりなどにつながり、腕の痛みや痺れを引き起こす原因となることもあります。

また、野球の投球、テニスのサーブ、バドミントンのスマッシュ、水泳のクロールやバタフライなどの腕を振り下ろす動作でよく働きますので、スポーツによる誤用や過用による痛みなどが生じることもあります。

【小胸筋】神経支配

【小胸筋】は、内側胸神経と外側胸神経(C5-T1)支配です。

【小胸筋】触診

【小胸筋】は、「大胸筋」とほぼ同じ大きさがある「鎖骨胸筋筋膜」に腋窩から肋骨前面部分の組織と共に埋め込まれるように「大胸筋」の深層部に存在する腋窩前壁のインナーマッスルのひとつです。

「大胸筋」は大きく分厚い筋肉なので、直接的に触診したり徒手的な筋膜リリースなどのアプローチには正しく深い知識が必要で、バストや腋窩と接するデリケートな場所なので十分な配慮も必要です。

【小胸筋】の緊張状態(短縮など)は、体側から肩甲骨の位置を評価することで予測できます。

【小胸筋】筋繊維の中でも外側(腋窩側)の垂直繊維は、水平方向に走行する「大胸筋」の深層でも触診しやすいので、仰向けで腕を挙上して肘を曲げ、掌を床向きにして耳の近くにおいた状態で胸筋群と広背筋の間の肋骨に指を置き、「大胸筋」の下を、烏口突起から下やや内側に進んで腹直筋の上外側付着部までのラインをイメージしながら、胸鎖関節の方向(上)へゆっくりと肋骨に沿ってスライドさせて【小胸筋】に触れます。

【小胸筋】の走行を意識して肋骨に沿って指を滑らせると最初に第5肋骨の位置で筋繊維が確認でき、続いて第4肋骨の位置で筋繊維を確認できます。

リラックスした状態で適切にアプローチすれば、第3肋骨や第2肋骨まで【小胸筋】繊維を確認できます。

肋骨周囲は神経が多いため、押圧すると余計な痛みが生じます組織を押し込まないように十分に意識して配慮しましょう。

【小胸筋】は鎖骨胸筋筋膜に埋め込まれているため、【小胸筋】に直接触れることができなくても、大胸筋深層の組織をストレッチするアプローチを加えるだけでも、【小胸筋】の緊張や短縮を解消できます。

【小胸筋】の深層には「前鋸筋」と「肋間筋」があり、「鎖骨胸筋筋膜」に埋め込まれるように上肢に関連する神経や血管が走行しているため、【小胸筋】の位置は臨床ランドマークとしても重要です。

【小胸筋】ストレッチと筋トレ(押すと痛い?コリの原因と解消方法)

「【小胸筋】のあたりを押すと痛い」「バストが垂れてきた」「呼吸が浅く疲れやすい」「肩こり・首こりが慢性化している」「腕を動かすと痛みがある」こんな悩みや痛みは【小胸筋】コリが原因かもしれません。

【小胸筋】は、腕を前に出して使う動作で活躍する筋肉なので日常動作や家事動作などでも疲労しやすく、特に猫背や巻き肩でスマホやパソコン作業を長時間行ったり、電車でつり革をつかまるなど脇をしめた状態で腕をあげる状態が続くとコリが慢性化して腕を上げる時の痛みや痺れにもつながります。

「小胸筋」および「鎖骨胸筋筋膜」の短縮により生じる不良姿勢の典型例としては、【 (1) 息を吸うときに上位肋骨の動きが制限されて肩と肋骨が同時に動く(2)肩(腕)が挙げにくくなり、洗濯物干しや食器を頭上の棚に戻すなどがやりにくくなる
(3) 猫背(首や頭が前に出る)(4) 仰臥位になったときに肩先が床面から浮いている】などが挙げられます。

【小胸筋】解剖学的構造を理解して、効果的な小胸筋ストレッチでコリや痛みを解消しましょう。

【小胸筋】解剖学構造(起始停止)をイメージして深呼吸をしながらゆっくり行うことも重要なポイントです。

【小胸筋】筋膜リリース/マッサージ

【小胸筋】を触診してみて硬さや痛みを感じるようならまずはマッサージで柔軟性を取り戻しましょう。

【小胸筋】直接的にマッサージするのは難しいので、「大胸筋」深層の「鎖骨胸筋筋膜」にアプローチする意識で、腋窩からテニスボールなどで押圧するなどして【小胸筋】筋膜リリースやマッサージを行います。

【小胸筋】ストレッチ

【小胸筋】ストレッチは、何かにぶら下がったり、ダウンドッグなどのヨガポーズなどのときに肩や腕を伸展させたりすることで「鎖骨胸筋筋膜」全体にアプローチをかけると効果的です。

しっかり運動する意識を持たなくても、例えば、少し前屈みになり腕をだらんとさせた状態で【小胸筋】を軽く押圧し、ごく小さい動きで腕を回旋させると、【小胸筋】がほぐれますし、壁などを使って胸を広げるように肩関節を外転+伸展することでも(巻き型や猫背と逆の方向)【小胸筋】を効果的にストレッチできます。

また、真っ直ぐの立位姿勢(腰を反らないように注意!)で左右の肩甲骨を寄せて引き下げるように後ろで腕を組んで下に引くようにすると、【小胸筋】と周囲の組織のストレッチに加えて拮抗する僧帽筋下部の強化もできるので、肩こり解消や姿勢改善にも効果的です。

 

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