【菱形筋】とは、肩甲骨と背骨の間を走行する肩甲骨周囲筋(インナーマッスル)で、胸を張った「気を付け!」の姿勢筋として作用したり、懸垂や腕立て伏せ (プッシュアップ)などの自重筋力トレーニングでも重要な働きをします。
菱形筋上部の小菱形筋は、僧帽筋上部繊維や肩甲挙筋と共に肩をすくめる動作をする際にも作用しますので、猫背や肩こり予防にも意識してストレッチや筋トレしたい筋肉です。
【菱形筋】の解剖学的構造を正しく理解して効果的な菱形筋ストレッチと菱形筋筋トレをしよう!
【菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)】英語と読み方
【菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)】起始停止
小菱形筋
起始:第6・7頸椎〜第1胸椎の棘突起・項靭帯
停止:肩甲骨内側縁(肩甲棘より上部)
大菱形筋
起始:第2~5胸椎棘突起・棘間靭帯
停止:肩甲骨内側縁(肩甲棘より下部)
【菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)】作用
解剖学的表現
肩甲骨内転・下方回旋(全体および大菱形筋)
肩甲骨挙上(小菱形筋)
日常でのイメージ
菱形筋は、肩甲骨を内側へ寄せる(背骨に近づける)際に働く筋肉なので収縮させると胸を張ったような姿勢になり、懸垂や腕立てのような上腕で支える自重筋トレをする際にも重要です。
スマホやパソコン長時間使用などで猫背姿勢が慢性化している人は、菱形筋が弱化していて肩甲骨内転が上手にできなくなっている人がたくさんいます。
小菱形筋は肩甲骨挙上方向への作用もあるので、僧帽筋上部繊維や肩甲挙筋同様に肩をすくめるような運動時にも働きます。
【菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)】神経支配
【菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)】働きを3D動画で確認
【菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)】触診
肩甲骨と背骨の間に手を当て、肩甲骨を内転させる動きで収縮が確認できます。
【菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)】ストレッチと筋トレ
菱形筋群筋トレ
菱形筋ストレッチ
菱形筋群筋トレ
胸の前で大きなボールを抱えるイメージで手を前に伸ばして左右の肩甲骨の間を開けば、菱形筋をストレッチできます。
肩がすくまないように、少し引き下げるくらいのイメージで行うとより効果的です。
肩甲骨内転運動で菱形筋を強化できます。
プッシュアップや懸垂運動などの自重筋トレの際にも、菱形筋は肩甲骨を体幹に安定させつつ収縮しています。