背筋(背中の筋肉) 首(頸部)の筋肉

【後頭下筋(大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋)】とは?イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)

スマホの長時間利用などで生じた【後頭下筋:大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋】のコリを放置すると、首こり・肩こり・眼精疲労の原因となりますので、解剖学構造を理解したマッサージ、ストレッチ、筋膜リリースを実践して辛い悩みを解消しよう!

【後頭下筋】とは?どこにあるどんな筋肉?

【後頭下筋】は、背骨の中でも最も可動性のある第一および第二頸椎と後頭骨をつなぐように走行する首(頸部)の最深層部4筋肉の総称で、後頚部の筋肉としては最上位にあります。

 読み方/ふりがな英語
大後頭直筋だいこうとうちょくきんRectus Capitis Posterior Major
小後頭直筋しょうこうとうちょくきんRectus Capitis Posterior Minor
下頭斜筋かとうしゃきんObliquus Capitis Inferior
上頭斜筋じょうとうしゃきんObliquus Capitis Superior

【後頭下筋】は、最も可動性のある第一および第二頸椎と後頭骨(頭蓋骨)をつなぐように走行しているため、首が前に出るスマホ姿勢やパソコン使用で負担がかかり硬直しやすい:首こりの原因となる筋肉としても有名です。

【後頭下筋】のうち、「上頭斜筋」「下頭斜筋」「大後頭直筋」が作る3角形の中を神経や血管が通って内耳や脳に繋がっていますし、後頭部および上位頸椎および環椎や脊髄・脳を取り囲む「硬膜」にも付着しているため、不良姿勢による【後頭下筋群】のコリや緊張状態を放置すると、脳への血流や脊髄神経の働きが低下してしまい、首こりだけでなく、肩こり、眼精疲労、腕の動きの悪化、視力低下など顔・首・肩周りの不調や全身の倦怠感など様々な体調不良の原因になります。

特に、スマホの長時間利用や不良姿勢でのパソコン作業で、目線が下を向く状態が続くと疲労してコリやすいため、普段から【後頭下筋】解剖学構造を理解した姿勢や筋肉のほぐし方(マッサージやストレッチ)で正しいメンテナンス実践が重要です。

【後頭下筋】起始停止

【後頭下筋】は、「後頭下(頭蓋の外後頭隆起および項靭帯以下)」で環椎(C1)と軸椎(C2)を含むエリアに付着している大小2つの直筋と上下2つの斜筋が含まれ、それぞれ左右に対称の筋腹を持っています。

「僧帽筋」→「頭板状筋」→「頭半棘筋」と頸部を支える筋肉群の深層にあり、後頚部の筋肉としては最深層、最上部に位置します。

 起始停止
大後頭直筋軸椎(C2)棘突起後頭骨下項線外側2/3
小後頭直筋環椎(C1)後結節後頭骨下項線内側1/3
下頭斜筋軸椎(C2)棘突起環椎(C1)横突起
上頭斜筋環椎(C1)横突起後頭骨(上項線と下項線の間)

【大後頭直筋】および【小後頭直筋】は上行するにつれて筋幅が広がっていることや4筋の走行方向にも機能的な意味があり、4つの筋肉合わせて頭蓋を上位頸椎(C1,C2)に安定させつつ頭部(目線)の動きを微調整するバンドのような配置構造になっています。

【後頭下筋】作用

私たちが目を使う作業(パソコンやスマートフォンなど)をする時は、姿勢が変わっても目の位置を一定に保つことができますが、【後頭下筋】は重い頭(体重の10%もある!)を首の後ろから支え(姿勢筋)つつ、姿勢にかかわらず目線を一点に保つためにもとても重要な働きをしている頸部筋肉です。

運動面では、各筋肉の収縮により環椎後頭関節での頭部伸展とC1関節での頭部回旋に関与しますが、筋腹が小さいので大きな運動を起こす力はありません。

 同側収縮片側収縮
大後頭直筋頭部伸展頭部回旋(同側)
小後頭直筋頭部伸展(頭部回旋)
下頭斜筋(頭部伸展)頭部回旋(同側)
上頭斜筋頭部伸展頭部側屈(同側)

まとめると、【後頭下筋】は、首の上の重い頭が前や横に転がり落ちないように後ろから支えつつ、どんな姿勢になっても目線を水平に保てるように首の位置を微調整するための回旋作用や伸展作用がある筋肉群です。

【大後頭直筋】作用

【大後頭直筋】は、「C2棘突起」から筋腹幅を広げながら上行して「後頭骨下項線外側部」に付着していますので、【大後頭直筋】両側が収縮すると「頭部を伸展する方向への作用」が生じ、【大後頭直筋】片側のみが収縮すると「顔の向きを同側に回旋させる作用」が生じます。

【小後頭直筋】作用

【小後頭直筋】は「大後頭直筋」のすぐ内側に位置し、「C1後結節」から起始して筋腹幅を広げながら上行し、「後頭骨下項線内側部(下項線と大後頭孔の間)」に停止します。

【小後頭直筋】が収縮すると「頭部を伸展する方向への作用」が生じます。

【下頭斜筋】作用

【下頭斜筋】は、斜筋のうち下方にある大きい方の筋肉です。

「大後頭直筋」と同じく「C2の棘突起」から起始して、外側上方に走行し、「C1の横突起」に停止しますので、「C1回旋(顔が同側を向く)が主な作用」で、C1の長い横突起により張力を発揮しやすい構造になっています。

【上頭斜筋】作用

【上頭斜筋】は、「下頭斜筋」からバトンを受け継ぐように「C1の横突起」から起始し、筋腹を広げながら上方かつ後方に走行して「大後頭直筋」の停止部と重なります。

収縮すると「頭部を伸展する方向への作用」と「頭部を側屈する方向への作用」が生じます。

【後頭下筋】神経支配

【後頭下筋】に含まれる4筋肉は全て後頭下神経(C1)支配です。

  • 後頭下神経(C1)

【後頭下筋】のニューロンあたりの筋繊維は3〜5本と少なく、頻回な頭部(目)位置の微調整に正確かつ迅速に対応できる構造になっています。

【後頭下筋】のうち、「大後頭直筋」「下頭斜筋」「上頭斜筋」の3つの筋肉で囲まれた三角形の空間を「後頭下三角」と呼びますが、この三角形の間を「椎骨動脈」と最初の頸神経である「後頭下神経の背側枝」が通過しています。

【後頭下筋】触診

【後頭下筋】は、「僧帽筋」などの大きな筋肉に覆われる頸背部最深層にありますが、「眼精疲労」や「首の奥からくる深い首こり解消」のために解剖学理解が重要な筋肉なので、ぞれぞれの起始停止や位置関係をイメージしながら触診してみましょう。

 触診ポイント
大後頭直筋小後頭直筋の外側に触れる筋腹
小後頭直筋頭蓋骨下端(首の付け根)に指を揃えて触れた時、中央にある窪み部分
下頭斜筋頭蓋骨下端(首の付け根)から指2本分あたり
上頭斜筋頭蓋骨下端(首の付け根)外側

【後頭下筋】触診のポイントは、首(頸椎)と頭(後頭骨)の境目です。

手のひらを両耳を覆うように当てたら、人差し指と中指を揃えて指先が背骨中央になるように両手で頭部と頸部の境目を包みこみ、首を固定したまま頭をごく小さく伸展する(目線を上に向ける)と、指が触れている部分に小さな窪みを感じられますが、その位置にあるのが「小後頭直筋」です。

「環椎後頭関節」に作用する筋肉なので、首を反らすのではなく頚部は安定させたまま頭部を伸展させることがポイントです。

「小後頭直筋」外側に斜め上行する筋腹が「大後頭直筋」で、「大後頭直筋」の停止部から指で「ハの字」を描くように軸椎棘突起まで指で触れると「上頭斜筋」が触診でき、「下頭斜筋」は「小後頭直筋」が触れる部分から1横指下あたりから斜め上行する筋腹を触診できます。

また、【後頭下筋】は頸部を目線を動かすだけでも収縮が確認できます。

【後頭下筋】は、頭部を後方に引いて首の上の重い頭が前や横に転がり落ちないように後ろから支えたり、どんな姿勢になっても目線を水平に保てるように首の位置を調整するなど姿勢筋としてとても重要な役割があるので、私たちが目を使う作業(パソコンやスマートフォンなど)をする時は、姿勢が変わっても目の位置を一定に保つように微妙な調整を繰り返しています。

つまり、【後頭下筋】が意識的に首を動かさなくても目の位置が変わる程度の動きでも収縮していることです。

後頭部と首の付け根に親指を当て軽く押しながら、頭を動かさずに目を上下や左右に動かしてみると【後頭下筋】の収縮を感じられるはずです。

【後頭下筋】は「首こり & 頭痛」の原因筋?

脳神経外科を訪れる患者80%の主訴は「頭痛」ですが、手術が必要な重篤な病気である場合はそのうちの5%以下で、現代人の頭痛のほとんどが【緊張性頭痛】です。

「緊張型頭痛」は、同じ姿勢で長時間仕事を続けたり、細かい作業に集中した後などに後頭部や側頭部に感じる筋肉の過緊張によって神経を圧迫して起こる「筋収縮性頭痛」で、締め付けられるようなあるいは強く圧迫されるような痛みが比較的長く続く特徴があります。

「緊張型頭痛」を起こす原因筋はいくつかありますが、「後頭部」と「頸部」を一番深層部で繋いでいる【後頭下筋】大きな影響を与えています。

「緊張性頭痛」の根本を解決せずに放置する、または、【緊張性頭痛】に「頭痛薬」を服用するなど間違った対応をしてしまうと、副作用などで更に体調が悪くなるだけでなく、「我慢できない頭痛」「めまい」「吐き気」「自律神経症状」「うつ病などの精神症状」「視力低下」「歯の噛み合わせ不良(咬合不全、顎関節症など)」へと発展していく可能性があります。

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パソコンやスマホ使用で「首こり & 頭痛」が起こりやすい理由

目(視力)は、単純にモノを見て捉えるだけでなく、内耳(前庭機能)とともにバランス機能にも重要な役割を果たしています。

私たちの生活空間にある建物、家具、樹木などほとんどのものは地面に固定されていますが、その空間の中を動く生活の中では、頭部の動きにかかわらず安定した視野を保ち、身体の位置を精確に認識し続ける必要があります。

このための機能は「前庭動眼反射 (vestibulo-ocular reflex:VOR)」と呼ばれ、前庭器官が検出する頭部の動き(加速度)がトリガーとなり、頭部の動きと逆方向に眼球を回転させる不随意の反射性眼球運動を起こします。

例えば、スマホ画面を見ている時に誰かに呼ばれたとします。

この時、頭は呼ばれた方向へ向いたとしても目線はスマホ画面に釘付けのまま、なんてことがありますが、このように頭が動かす位置と反対方向に目線を無意識に移動できるのが「前庭動眼反射 :VOR」です。

頭の動きは前後、左右、回旋などどんな動きであっても、目はその動きと正反対の方向へ移動し、網膜で焦点を合わせていた画像を安定させています。

もし、この反射がなかったら、頭を動かす度に視覚で捉える画像がぼやけてしまって字を読むことも絵画や景色を楽しめませんし、慢性的な乗り物酔いに悩まなければならなくなります。

頭の動きを作る上部頸椎の運動方向は非常に多用で細かく、私たちの頭は常になんらかの動きをしていて、固定することはほぼありませんが、この時に【後頭下筋】は「前庭動眼反射 :VOR」を起こす目および内耳と密接に連携して頸椎に乗る頭蓋骨と目で捉える画像の安定に非常に重要な役割を果たしています。

この反射があっても、動く車の中で本を読もうとするとほぼ確実に「酔い」、頭痛やめまいなどが生じることがあります。

これは、乗り物の揺れで動く頭の位置の調整と目の前の文字を読み続けるための調整を同時に行うため、【後頭下筋】に過剰な負荷がかかっていることが原因にあります。

そして、本などアナログ媒体よりもスマホやパソコンなどのデジタル媒体を見ている時の方が【後頭下筋】の負担が大きくなります。

文字や画像の質が一定しない

1つ目の理由は、「文字や画像の質が一定しない」ことです。

画面上に形成されている画像や文字は小さな点およびスポットやラスターの集合体で、解像度が低いほど文字や画像の認識に要する労力は大きくなります。

反復動作が多いから

2つ目の理由は、「反復動作がより多いこと」です。

デジタル画面を追うと、目の動きが上下、左右と何度も往復する必要があるため、目の動きの回数が非常に多くなることで眼精疲労を生じやすくなります。

画面のコントラストや反射

3つ目の理由は、「画面のコントラストや反射」です。

デジタル画面では、例えば文字など目立たせたい部分をより明るくしてその分背景を暗くするなどひとつの画面の中でも眩しさにコントラストがありますし、画面を反射した光も目に届きますので、目が処理しなければならない情報は非常に多くなります。

姿勢が悪くなりやすいこと

スマホやパソコンなどデジタル画面を長時間見続けることで、目は焦点を合わせるために重労働をし、頭が首から落ちないように支えつつ目線に対する頭の位置の調整に作用している【後頭下筋】もオーバーワークになりがちで、これだけでも頭痛やめまいを起こす要因になりますが、さらに状況を悪化させるのが「姿勢」です。

スマホ画面やパソコン画面を見る時はどうしても首が前に出てしまうので、頭と首のバランスが悪くなり、もしその姿勢を電車や車の中など不安定な土台の上で行えばより負担が増えます。

スマホなど画面が小さくなればなるほど目の負担が増えると同時に、首が前に出やすくなりますので、目や【後頭下筋】の負担は非常に大きくなります。

鞭打ちの既往がある場合や、歯ぎしりの癖がある人も頭頸部の筋緊張のバランスが崩れやすいので、さらに問題を悪化させます。

【後頭下筋】ほぐし方(ストレッチとマッサージ)

頭痛、眼精疲労、めまいの原因にもなる【後頭下筋】の緊張をほぐす方法はいくつかあります。

ちなみにリハビリテーションセラピストなどが行う徒手療法では、頭を水平にした状態で【後頭下筋】を押圧するか、さらに顎を軽く引いて軽く牽引するなどの手技を使いますが、これらの効果は、セルフストレッチやヨガなどでも実践できます。

全身バランス(自律神経)を整える

【後頭下筋】と同じように頭蓋骨〜背骨や胸郭構造付着して、頭を体幹に安定させるためには作用している筋肉はたくさんあります。

その中でも最も大きく表層にある筋肉である「僧帽筋」と「胸鎖乳突筋」は、骨格筋でありながら脳神経XI(副神経)にも支配されている特殊な筋肉で、脳神経XI(副神経)は自律神経系の状態を調節する有名な迷走神経と複雑に絡み合った構造になっています。

【後頭下筋】を覆う「僧帽筋」「板状筋」「胸鎖乳突筋」などより浅層にある大きな筋肉にコリがある場合は、ローラーやストレッチポールなどで十分にコリをほぐして(筋膜をリリースして)ください。

不良姿勢が原因で肩こりや首こりが生じている時は、自律神経の調整機能も低下しているため、ストレスを感じやすくなったり、様々な体調不良につながりやすくなります。

反対にストレスがひどくて自律神経が乱れても、首や肩のコリにつながりやすくなります。

頭の動きだけでなく、首〜上背部や背中全体の緊張を緩めるストレッチや筋膜リリースをしたり、深い深呼吸を意識的する、頑張りすぎないように適度に休憩する、など自律神経を整える意識も首こり解消や予防にとても効果的です。

全身の筋緊張のバランスと「自立神経」整えることで、【後頭下筋】へのアプローチがしやすくなると同時に効果も実感しやすくなります。

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【後頭下筋】を押圧する(温める)

表層の大きな筋肉がほぐれたら、ハンドタオルをきつく巻いたり、専用のストレッチポールやボールなどを用意して、背臥位になった時に【後頭下筋】を押圧できる位置に置き、頸部(頭の重さ)をタオルに完全にあずけます。

最低でも5分程度このままの姿勢で深呼吸をし、【後頭下筋】を含め全身をリラックスさせます。

この時、目を閉じると視覚情報が遮断されるためよりリラックスできますし、ついでに目の周りにホットタオルなどを置いて温めることで目の周りの血流も改善するので、眼精疲労や頭痛の解消効果がより高まります。

【後頭下筋】を押圧するときのタオルやポールなどの首に触れる部分に温めたタオルなどを追加すれば押圧と温めが同時にできるので、時間節約しながら効果を高めることができますが、【後頭下筋】を温めるだけでも効果が期待できます。

しっかりと時間をとらなくても、疲れた時やパソコン作業中に、先に説明した触診方法で手を当てて温めるだけでも首コリ、肩こり、眼精疲労などの辛い悩みが楽になります。

また、首まで浸かる入浴でも【後頭下筋】を温める効果があり、日中の活動でヒートアップして脳に滞留している血液を心臓に戻すのを促進できるので、入浴中はのぼせないように注意しながら、頭の付け根まで湯船に浸ける時間をとるのも効果的です。

【後頭下筋】ストレッチ

第一および第二頸椎と後頭骨をつなぐ【後頭下筋】をストレッチするには、頸椎を動かすのではなく、頸椎をニュートラルポジションに維持しながら顎を引くように頸椎の上に乗っている頭部を動かすことです。

表層の筋肉のコリが十分にほぐれた後に、【後頭下筋】の解剖学構造を意識しながら、ごく小さな動きで刺激を加え、表層の大きな筋肉が働かないようにごくごく小さい動きで行うことがポイントです。

動きの感覚がつかみにくいので、ぬるま湯を入れたペットボトルをタオルを巻いて首の下に入れ軽く動かす方法がオススメです。

【後頭下筋】エクササイズ

【後頭下筋】の解剖学構造や動きのイメージが掴めるようになったら、エクササイズに組み込んで、全身のバランスの中で【後頭下筋】の柔軟性や筋力を高めていきます。

基本のエクササイズとしては、呼吸をしながら首を上下に数回軽く動かして準備体操をしたら、顎を軽く引いて頭部と首のつなぎ目にある【後頭下筋】をストレッチし、頭部をニュートラルポジションに戻すことを数回繰り返します。

第一および第二頸椎と後頭骨をつなぐ【後頭下筋】をストレッチするには、頸椎を動かすのではなく、頸椎をニュートラルポジションに維持しながら顎を引くように頸椎の上に乗っている頭部を動かすことです。

【後頭下筋】ストレッチは単独でやってもいいですが、背骨の軸を整えたり背骨の軸の動きを意識するヨガポーズに組み込むことで、良い姿勢を維持した上での【後頭下筋】をストレッチが自然とできるので、より効果を高めやすくなります。

例えば、「バーマナーサナ(テーブルトップポーズ)」「ビダーラアーサナ(キャットカウポーズ)」「アルダウッターサナ(半分の前屈ポーズ)」「ジャーヌシールシャーサナ(膝を頭につけるポーズ)」などがおすすめです。

【背面全体の筋膜のつながり(SBL)】のストレッチ効果を意識することで背中から肩周りの不調とあわせて全身バランスを整えられます。

また、ヨガポーズで言えば、「子供のポーズ」など頭部を床に完全にあずけ視覚情報も遮断できるポーズでも【後頭下筋】をリラックスさせる効果がありますので、意識してみましょう。

【後頭下筋】に負担をかけない環境と姿勢

そもそも目(【後頭下筋】)に負担をかけない姿勢や生活習慣を意識することが、マッサージやストレッチ以上に大切です。

特にスマホやパソコン画面を見ている時は、【後頭下筋】に大きな負担かかりやすくなっていて、無意識に起こる反射はコントロールできませんし、どれだけ意識したとしても、首が前に出たり、巻き型になるなどの姿勢の乱れもどうしても生じやすくなります。

そのため、前提を理解した上での環境設定や姿勢への意識、つまり、目(【後頭下筋】)に負担をかけない姿勢や生活習慣を意識することが、マッサージやストレッチ以上に大切です。

目に負担をかけない環境設定

パソコンやスマホを使う時間を減らすことが難しい場合は、「人体工学に基づく椅子や机を使う」「ディスプレイの位置や高さを適切に設定する」「ブルーライトをカットするスクリーンやメガネを使う」「解像度の高い機種を使う」など目に負担をかけない環境を整えましょう。

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目を休める時間を作る

【後頭下筋】は目や頭の動きに連動するので、目から情報が入り続ける状態では【後頭下筋】はリラックスできません。

また、同じ距離で長時間スマホやパソコンの画面を見続けることで、目のピント調整機能を司る筋肉も凝り固まるので、視力低下にもつながります。

少しの時間でも目を閉じて視覚情報を遮断するだけでも首・目・頭ともにスッキリしますので、忙しい時こそあえてパソコンやスマホから目を離して目を閉じてみてください(20分ごとに20秒以上が目安)。

その後の仕事が作業がより捗るはずです。

可能であれば、作業のキリがいいタイミングでさらに目をホットタオルなどで温めて血流を促進したり、目の周りの筋肉をほぐすストレッチをすることで、目の周りをスッキリさせることができ、視力低下予防にもつながります。

【後頭下筋】に負担をかけない姿勢を維持する

背骨が自然なS字カーブを描き、その上に頭が乗っている状態が最も負担がかからない姿勢です。

呼吸が浅くならないように胸を開く意識も姿勢を保持できているかどうかの目安なります。

特に片側だけ特に凝ったり痛くなったりする、肩こりや腕の痺れも起こる、など出ている症状から、普段の作業姿勢にどんな癖があるのかが明確にわかるので、姿勢の問題点や癖を分析することで、より効果的な姿勢への対策が明確になります。

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