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【半棘筋(頭半棘筋・頸半棘筋・胸半棘筋)】イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)

脊髄の保護・脊柱のスムースな動きに関与する背中のインナーマッスル【半棘筋】の解剖学構造をイラスト図解でスッキリ整理して、良い姿勢を保ち、首こり・肩こり・腰痛を予防解消しましょう!

【半棘筋】とは?どこにあるどんな筋肉?

【半棘筋】は、「多裂筋」「回旋筋」と共に「脊柱起立筋群」の内側深層にある背面深層筋のグループである「横突棘筋」に含まれます。

【半棘筋】は付着部位により、「上部:頭半棘筋」「中部:頸半棘筋」「下部:胸半棘筋」に更に分類される場合がありますが、協力してひとつの筋肉のように作用します。

筋名ふりがな英語
頭半棘筋とうはんきょくきんSemispinalis Capitis
頸半棘筋けいはんきょくきんSemispinalis Cervicis
胸半棘筋きょうはんきょくきんSemispinalis Thoracis

「頭半棘筋」「頸半棘筋」「胸半棘筋」で比較すると、「頭半棘筋」が最も上位外側にあり筋腹は最大、「胸半棘筋」が最内側下方ににあります。

【半棘筋】を「横突棘筋」に含まれる3筋で比較すると筋長は、「回旋筋」<「多裂筋」<「半棘筋」の順に長く、深さは、「半棘筋」<「多裂筋」<「回旋筋」の順に深層になります。

【半棘筋】起始停止

【半棘筋】は、「椎骨棘突起」から起始し、脊柱の両側(最長筋内側)で繊維を蓄積してひとつの筋腹を構成しながら上行し、それぞれ5〜6レベル上の「椎骨横突起」に停止します。

筋名起始停止
頭半棘筋後頭骨~T6T1~T6横突起、C4~C7関節突起後頭骨の上項線と下項線の間
頸半棘筋C2~T6T1~T6横突起C2~C5棘突起
胸半棘筋T4~T10T6~T10横突起C6~T4棘突起

「頸半棘筋」は、「頭半棘筋」の深層にあり「多裂筋」を覆っていますが、後頭骨から第10胸椎までで腰椎部には存在しません。

【半棘筋】作用

【半棘筋】は単独で作用することはほとんどなく、他の背筋群(「板状筋」「後頭下筋群」「僧帽筋」など)との相互作用で、「背骨の伸展、側屈、回旋」に作用します。

筋名両側収縮片側収縮
半棘筋頭頸胸部伸展頭頸胸部側屈(同側)頭頸胸部回旋(対側)

【半棘筋】の作用は大きく身体を動かす運動のためというよりも、収縮により筋長や張力を調整することで、動作・運動・姿勢変化での背骨の動きを調整する(スムースな動きを作る)ために機能しています。

【半棘筋】神経支配

【半棘筋】は脊髄神経後枝の内側枝支配です。

筋名神経
頭半棘筋大後頭神経(C2脊髄神経の後枝)および脊髄神経(C3)
頸半棘筋脊髄神経後枝の内側枝
胸半棘筋脊髄神経後枝の内側枝

【半棘筋】触診

【半棘筋】は背筋深層の筋肉であり、多層構造になっている椎間をつなぐように走行する筋肉群を明確に区別して触診することは困難ですが、走行を理解しておくことで姿勢改善においてより的確なアプローチができます。

【半棘筋】ストレッチと鍛える方法

【半棘筋】は、特に胸郭より上の背骨のラインを整える作用があるインナーマッスルで単独での収縮は難しいので、ブリッジやツイストなど背骨の伸展や回旋を伴う運動の際に意識することでストレッチおよび強化します。

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