【小頬骨筋】は、「大頬骨筋」の前内側で頬骨から上唇に向かって走行し、「上唇鼻翼挙筋」や「上唇挙筋」と共に唇に直接作用する表情筋です。
ウィンクする際にも重要な【小頬骨筋】の解剖学構造についてイラスト図解を用いてわかりやすく解説しています。
【小頬骨筋】とは?どこにあるどんな筋肉?
【小頬骨筋】は、「大頬骨筋」の前内側で頬骨から上唇に向かって走行し、「上唇鼻翼挙筋」や「上唇挙筋」と共に唇に直接作用する表情筋です。
- 名称:小頬骨筋
- ふりがな:しょうきょうこつきん
- 英語名:Zygomaticus Minor
【小頬骨筋】は、収縮すると上唇を後上方に持ち上げてほうれい線を深くする作用あり、「え」の音を出す時にもよく働きます。
他の【表情筋】と相乗的に作用して様々な感情を表現する時に活躍します。
【小頬骨筋】起始停止
【小頬骨筋】は、「大頬骨筋」の前内側で頬骨から上唇に向かって走行している【表情筋】です。
起始 | 停止 | |
---|---|---|
小頬骨筋 | 頬骨外側面前部 | 上唇の筋肉 |
【小頬骨筋】は、頬骨上顎縫合のすぐ後ろで頬骨外側面前部から起始し、上顎外側面を斜めに横切るように下前方に走行して上唇に向かいます。
その後、上唇を構成する筋肉である「上唇挙筋」や「口輪筋」と繊維を癒合しながら、「大頬骨筋」の内側に停止します。
【小頬骨筋】作用
【小頬骨筋】は、「上唇鼻翼挙筋」や「上唇挙筋」と共に上唇に直接作用する表情筋で、上唇を後上方に持ち上げてほうれい線を深くする作用があり、頬全体を引き上げる「え」の音を出す時にもよく働きます。
部位 | 作用 | |
---|---|---|
小頬骨筋 | 上唇 | 上唇を上外側に持ち上げる |
ちなみに、ウィンクした時に上唇が上がってしまうのは目尻と口角の間にある【小頬骨筋】の作用です。
【小頬骨筋】神経支配
【小頬骨筋】は、他の表情筋と同様に「顔面神経(CN VII)」支配です。
【小頬骨筋】触診
【小頬骨筋】は、「口角挙筋」表層かつ顔の脂肪組織深層、「大頬骨筋」と同じ面の上方かつ「眼輪筋」より下にある表情筋です。
停止部では「上唇鼻翼挙筋」外側かつ「大頬骨筋」内側にあり、「上唇鼻翼挙筋」と【小頬骨筋】が作る三角形の空間を「上唇挙筋」が通過します。
【小頬骨筋】と「口角挙筋」の間を顔面神経の頬骨枝が走行しています。
【小頬骨筋】鍛えるトレーニングとほぐすマッサージ
【小頬骨筋】は、ウインクする時のように上唇(口角)を「眼輪筋」に向かって上外側へ引き上げる時によく働きます。
- 【小頬骨筋】の走行を意識しながら口角(できれば上唇のみを引き上げて上の歯を見せるイメージ)をこめかみの方向へ引き上げる
- 口角(上唇)を上げたまま目を閉じて数秒キープする
- ゆっくり元の表情に戻してリラックする
- 左右交互に繰り返すとより効果的です。
左右どちらかでやりにくい場合は、やりにくい方を重点的に行いましょう。
【小頬骨筋】は、他の表情筋との関連を意識することで、効果的に表情筋をコンディショニングできます。
頬全体を引き上げる「え」の口を作ることで、頬や口角を引き上げる作用のある【大頬骨筋】などと一緒にトレーニングもできます。
余計な部分に力が入らないように、身体も心もリラックスした状態で、ひとつひとつの表情筋の働きをイメージしながら丁寧に行いましょう。
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