【表情筋】(表情を作る顔の筋肉)は20種類以上あり、顔の印象は表情筋の使い方やコンディション(柔軟性や筋力)で大きく変わります。
【表情筋】は顔の皮膚や頭蓋に付着する筋肉なので、解剖学構造を理解したトレーニング、ストレッチ、マッサージなどを効果的に実践すれば、高額でリスクも大きい美容整形などよりも安全かつ効果的に、老け顔(ほうれい線、シワ、たるみなど)を予防したり、二重顎を解消したり、笑顔が魅力的なスッキリとした小顔もデザインできますし、その効果をずっと維持できるようになります。
目次
【表情筋】とは?どこにあるどんな筋肉?
【表情筋】とは表情に関与する筋肉全体のことを指し、目、鼻、口の動きにも関与する筋肉だけでなく、頭蓋骨に付着する頭の筋肉や首周りの筋肉なども含みます。
【表情筋】は他の骨格筋のように骨から骨への結合ではなく、主に頭蓋骨から顔や頭の皮膚に付着しているものが多く、「頬筋」以外は筋膜にも囲まれていませんが、関連する表情筋ごとに筋繊維が一部癒合した構造になっています。
脂肪など皮下組織があるので、各表情筋それぞれの筋走行ははっきりと確認できませんが、【表情筋】が収縮することで様々な表情変化や顔のパーツの動きが生まれます。
ほとんどの【表情筋】は、顔面神経(CN VII)支配です。
【表情筋】作用(役割)
【表情筋】の主な役割(作用)は、表情を作って感情や気分を相手に伝えるコミュニケーションです。
【表情筋】は、顔面の骨から起こり顔面の皮膚に停止する頭部浅頭筋群のことで、収縮により表情を作りますが(顎関節以外)関節運動には直接関与しませんが、表情筋を含む顔や頭の筋肉は、「咀嚼する」「話す」「聞く」「見る」「目を閉じる」「眉毛を動かす」「シワを作る」「笑う」など頭蓋に集中する器官を使う動作(目・口・鼻などの運動)にも作用しています。
特に眼球周りを囲む「眼輪筋」と口の周りを囲む「口輪筋」は、表情筋のハブと言えるくらい複数の表情筋と連携しています。
また、口角にある繊維筋ハブである「モダイオラス(口角結節)」には、「頬筋」「口輪筋」「笑筋」「口角下制筋」「大頬骨筋」「小頬骨筋」「上唇挙筋」「下唇下制筋」、「上唇鼻翼挙筋」などの筋や周辺繊維も含まれます。
これら表情筋のつながりや連動も意識することで、より実践的で役立つ知識になります。
【表情筋】機能低下するとどうなる?対処法は?
【表情筋】は表情を作ったりやフェイスラインなど顔の印象決める筋肉であり、「発声」「咀嚼(口の開閉)」「嚥下」「瞬き(目の開閉)」など生きるために必要な活動やコミュニケーションにもとても重要な役割を果たしています。
【表情筋】も身体の筋肉と同じように自分の意思で動かせる骨格筋なので、【表情筋】の筋力が低下したり、凝り固まったりして柔軟性が無くなると、「たるみ」「シワ」「二重顎」「老け顔」などの原因になりますし、表情も顔の動きも乏しくなり、周囲に与える印象が悪くなってしまいます。
また、【表情筋】のコリや筋力低下を放置すれば、美容や見た目の印象の問題だけでなく、「声が出にくい」「目が開けにくい(閉じにくい)」「顎がガクガクする」「慢性的な頭痛」「慢性的な肩こりや眼精疲労」など日常生活に直結する健康問題につながることもあります。
逆にいうと、【表情筋】の解剖学構造を理解して、正しい方法でマッサージや筋トレを実践すれば、顔周りの悩みのほとんどが解消できます。
特に普段パソコン作業が多く、表情筋をあまり使わない人は、眼精疲労、頭や首のコリと連動して【表情筋】が凝り固まっていますので、正しい【表情筋】トレーニングをすれば、顔周りも頭もスッキリするので、見た目も作業効率も劇的に改善します。
実際、「目が重くどんよりしている」「口元が下がって疲れた印象」「もったりした二重顎」など、よくある顔の悩みは【表情筋】のコリをほぐすだけでも、「整形したか」と思うくらい、「ぱっちりした目」「スッキリしたフェイスライン」「口角が上がりやすくなる」など顔の印象が劇的に改善する人がたくさんいます。
【表情筋】を正しくコンディショニングするには表情筋の解剖学構造の理解が不可欠ですが、20種類以上ある【表情筋】は筋繊維が交織して複雑にからみあっており、独立した筋として存在しないため、個別の理解に加えて機能ごとにの連携やつながりの理解も必要です。
このページでは、頭蓋表層から顔の皮膚に走行して直接的に表情を【表情筋】を大きく作用の枠組みに区切ってまとめ、【表情筋】と同じ様に頭蓋に付着して表情にも影響を与える【咀嚼筋】と【頭の筋肉】についても追記しています。
顔全体の解剖学構造をまず理解して、全体のバランスを考えながら、表情筋トレーニングをしましょう。
まず最初に理解したい!【表情筋】のハブ
【表情筋】は、主に頭蓋骨から顔や頭の皮膚に付着している筋肉なので、顔のパーツ(目、口、鼻など)ごとに作用する【表情筋】の繊維がそれぞれ癒合して連動しますので、ひとつひとつの筋肉を独立して動かすことが非常に難しい構造になっています。
そのため、老け顔やほうれい線を解消して若々しく豊かな表情を作るエクササイズを効果的に行うには、表情筋のつながりも含めた【表情筋】構造を理解する必要があります。
顔のパーツの中でも、表情、顔の印象や若々しさを決める二大要素は「目」と「口」ですが、目の周りを囲むように存在する【眼輪筋】と口の周りを囲むように存在する【口輪筋】は、隣接する多数の【表情筋】とつながっていて、【表情筋】のターミナル駅やハブ空港のような役割もしています。
そのため、まず【眼輪筋】と【口輪筋】の解剖学構造から理解し、目もとや眉の動き、頬や唇の動き、鼻の構造など関連するパーツを整理していくと【表情筋】の全体像がわかりやすく、普段のエクササイズに使える解剖学知識になります。
【眼輪筋】眼球を囲む表情筋のハブ
【眼輪筋】作用のイメージ(アニメーション画像)です。
【眼輪筋】は名前の通り、目の周りを輪っかのように囲む筋肉で、目を閉じる動作が主な作用です。
おでこや眉の筋肉はもちろん、口角や上唇の動きに関与する筋肉も【眼輪筋】と繋がっているため、目を含む顔上部の印象や動き全てに関与する筋肉です。
詳しい解説はこちら
【口輪筋】口周りを囲む表情筋のハブ
【口輪筋】作用のイメージ(アニメーション画像)です。
【口輪筋】は名前の通り、口の周りを輪っかのように囲む筋肉で、最大限に収縮するとキスをするような口を作ります。
口角や頬など口の動きを作る筋肉は全て【口輪筋】と直接繋がっているため、口を含む顔下部の印象や動き全てに関与する筋肉です。
詳しい解説はこちら
目と眉の動きに作用する【表情筋】
「目は口程に物を言う」という言葉がありますが、目(眼球)は表情に最もインパクトを与える要素であり、眉や眉間の動きも目(眼球)と連動します。
コロナウィルスの影響などでマスクをつけていて鼻や口の動きがわからなくても、目の動きから読み取れるものは多いですし、口が笑っていても(口角が上がっていても)目が笑ってないと感じる時などもありますよね。
目(眼球)の動きや印象に関与する主な筋肉には以下の種類があります。
分類 | 筋肉名 | 主な作用 | |
---|---|---|---|
目 | 眼輪筋 | Orbicularis Oculi | まぶたを閉じる |
皺眉筋 | Corrugator Supercilii | 眉間(鼻根上)に縦シワを作る | |
前頭筋 | Frontalis | 眉を引き上げる・前頭にシワを作る |
目の周りの筋肉は、鼻や眉毛周りの筋肉、頬の筋肉、側頭部の筋肉と隣接しているので、周囲の筋肉の緊張状態も目のパッチリ感や大きさの印象に大きな差が出ます。
実際頭蓋のわずかなずれや眉のわずかな位置の差なで肉眼で見える目の大きさはかなり変わります。
また、おでこ(帽状腱膜)を介して頭部から背部における筋膜のつながり(SBL)の影響も受けるので、眉の位置(上がり具合)の変化は身体の状態を示すバロメーターにもなります。
【眼輪筋】表情筋イラスト図解
【眼輪筋】は左右の眼窩をそれぞれ円盤状に囲むドーナツ状の表情筋で、まぶたを閉じる作用があり、頬や眉の筋肉、側頭部の筋肉ともつながっていて、目尻のシワを作る筋肉でもあります。
【眼輪筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【眼輪筋】は、パソコン作業やスマホで目が疲れた時にエクササイズ(筋トレやストレッチ)をすることで血行が改善し、眼精疲労予防、視力低下予防にもなりますし、たるんだまぶたをスッキリさせたり、目をぱっちり大きくしたり、視界をクリアにする効果も期待できます。
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【眼瞼挙筋とミューラー筋】表情筋イラスト図解
【眼瞼挙筋とミューラー筋】はまぶたの淵にある瞼板を持ち上げる(目を開く)作用がある筋肉で、眼輪筋の深層部にあります。
【皺眉筋】表情筋イラスト図解
【皺眉筋】は「上眼瞼挙筋」「眼輪筋」と共に眼窩周囲の筋肉に分類される表情筋で、左右の眉毛の内側で「眼輪筋」深層に小さい筋腹を構成します。
【皺眉筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【皺眉筋】は「眼輪筋」や「前頭筋」と相乗的に作用して強い日差しや水滴などから眼球を守るために目をひそめる時や、眉間部分に縦じわを寄せて不快や苦痛を表現する時によく働く表情筋です。
スマホやパソコン作業を頑張っているときはついつい眉間にシワがよりがちで【皺眉筋】が凝り固まっています。 目疲れや重くなったまぶたをスッキリさせたい時は【皺眉筋】をマッサージしてほぐすと効果的で、表情もほぐれて印象もよくなります。
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【前頭筋】表情筋イラスト図解
【前頭筋】は頭の筋肉でもありますが、収縮することで眉毛を(関節的にまぶたも)引き上げておでこに横シワを作る表情筋です。
【前頭筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
筋膜のつながりで頭の疲れや首コリとも相互に影響しやすい構造になっているため、無意識に緊張している時間も多い筋肉ですし、目の周りの「眼輪筋」筋力が低下すると【前頭筋】での代償運動が大きくなり、ますます【前頭筋】が凝り固まって、頭痛や眼精疲労が悪化する原因になってしまいます。
頭のマッサージと併用して【前頭筋】コリをほぐしていくことで、目の周りの印象や目や頭の重だるさが劇的に解消します。
鼻の動きに作用する【表情筋】
「目鼻立ちが整っている」という表現がよく使われますが、目が大きく輝きがあり、鼻筋が通っていると「美しい」と感じます。
分類 | 筋肉名 | 主な作用 | |
---|---|---|---|
鼻 | 鼻筋 | Nasalis | 鼻背の皮膚や鼻孔を動かす |
鼻根筋 | Procerus | 左右の眉内側を押し下げて眉間に横シワを作る |
これは必ずしも骨格だけの問題ではなく、全体のバランスが整っていれば、鼻が低くても、一重でも「整った美しさ」は生まれ、それは筋肉のバランスで整えられます。
鼻周りには筋肉や軟部組織も多いので、正しいセルフケアを行えば、メイクで陰影を作るよりも簡単で持続する美顔術になります。
また、鼻の筋肉は呼吸にも影響しますので表情や見た目だけでなく、精神面を安定させる深い呼吸をするためにも意識したい筋肉です。
【鼻根筋】表情筋イラスト図解
【鼻根筋】は鼻の上から眉間に向かって眉間を埋めるように走行する三角形の小さな筋肉です。
【鼻根筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【鼻根筋】は、いわゆる眉をひそめる表情筋で、怒っている時や困っている時に眉間に横シワを作る作用があり、凝り固まると眉間のシワが定着してしまいます。
鼻の頭(眉間の間)にある筋肉なので、適度な柔軟性を維持することで、左右の目と鼻の境目をスッキリ見せることにつながります。
【鼻筋】表情筋イラスト図解
【鼻筋】は鼻の背面を覆う左右ペアの筋肉で、それぞれ更に横部(鼻孔圧迫筋)と翼部(鼻孔開大筋)に別れます。
【鼻筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【鼻筋】が収縮すると鼻翼の形や大きさを変えたり、鼻の皮膚にしわを寄せる働きが生じ、感情表現、呼吸促進、鼻の穴(鼻孔)の大きさを変えたりできます。
頬の動きに作用する【表情筋】
頬に筋腹がある表情筋は、口周りの筋肉とも連携して口角を外側や上側に引き上げる作用がありますので笑顔を作るときにもよく働きます。
分類 | 筋肉名 | 主な作用 | |
---|---|---|---|
頬 | 笑筋 | risorius | 口角を外側(やや上)に引く |
頬筋 | Buccinator | 臼歯に押し付ける(頬を凹ませる) | |
大頬骨筋 | zygomaticus major | 口角を上外側に引き上げる | |
小頬骨筋 | zygomaticus minor | 上唇を後上方に持ち上げる |
頬の筋肉に張りや柔軟性がなくなると鼻下の広がりや口角の下がり、ほうれい線も目立つ様になり老けた印象や疲れた印象を与えてしまいます。
若さやハツラツと元気な印象を与えるキュッと上がった頬で、自分自身も周りの空気もアゲていきましょう!
【大頬骨筋】表情筋イラスト図解
【大頬骨筋】は筋肉名の由来となっている「頬骨」から口角に向かって走行している薄い筋肉です。
【大頬骨筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【大頬骨筋】には口角を上外側に引き上げる作用があり、「笑筋」と共に笑顔を作る時によく働きます。
【小頬骨筋】表情筋イラスト図解
【小頬骨筋】は、「大頬骨筋」の前内側で頬骨から上唇に向かって走行し、「上唇鼻翼挙筋」や「上唇挙筋」と共に唇に直接作用する表情筋です。
【小頬骨筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【小頬骨筋】は頬や唇に作用する他の表情筋と相乗的に作用して様々な感情を表現したり、「E(いー)」の音を出す時にもよく働きます。
また、目尻と口角の間にあるため、ウィンクした時に上唇が上がってしまうのは【小頬骨筋】の作用です。
【頬筋】表情筋イラスト図解
【頬筋】は頬の主要構成要素である薄い四角形の筋肉で、頬の脂肪を支えて頬の張りを維持しています。
【頬筋】が収縮すると頬を臼歯に押し付ける作用が生じ、咀嚼中に食べ物を口腔の中心に集めつつ、頬が内側に入り込んで噛んでしまわないように予防してくれます。
また、頬を凹ませて空気を排出する時にもよく働くため、トランペットなど弦楽器を吹く時などに活躍します。
【頬筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
口を大きく動かして話したり笑ったりする機会が減っている場合は、頬筋が衰えて息を吐く能力も低下してしまっているかもしれません。
ほうれい線やマリオネットラインが気になる場合も強化したい筋肉です。
【笑筋】表情筋イラスト図解
【笑筋】は「頬筋」表層にある細い筋肉で、口角を外側(やや上)に引く作用があるため「笑顔の筋肉」と呼ばれます。
【笑筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【笑筋】は、人類とアフリカの類人猿にのみ存在する筋肉と言われていて、筋腹の太さや走行など個人差も大きい表情筋です。
口と上唇の動きに作用する【表情筋】
口と上唇の動きに作用する筋肉群をまとめました。
分類 | 筋肉名 | 主な作用 | |
---|---|---|---|
口と上唇 | 口輪筋 | Orbicularis oris | 唇を集めて閉じる |
口角挙筋 | levator anguli oris | 口角を引き上げる | |
上唇挙筋 | levator labii superioris | 上唇を持ち上げて上顎の歯を露出させる | |
上唇鼻翼挙筋 | levator labii superioris alaeque nasi | 上唇を持ち上げて裏返す |
これらの筋肉は、唇の形や角度、口の開け方は表情の印象だけでなく発声や呼吸にも影響します。
「笑わない」「話さない」生活習慣で口や唇を動かす筋肉がおやすみしてしまうことで口元老化は促進します。
口の周りの筋肉が衰えると間のびした鼻下や薄い唇、ほうれい線やマリオネットライン、二重顎にもつながりますので、解剖学構造を意識した正しいトレーニングを実践しましょう。
【口輪筋】表情筋イラスト図解
【口輪筋】は口の開口部を広く囲むように存在する円形の表情筋で、唇の大部分や人中なども構成する組織です。
【口輪筋】は周辺の筋肉と連動しながら唇の形や動きに作用する筋肉で、様々は感情を表現するのはもちろん、咀嚼運動、発音、管楽器を吹く時などにも活躍します。
【口輪筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
頬や唇の動きに関連する複数の表情筋が付着している口周りの表情筋のハブ(顔下の中心)である【口輪筋】の機能が低下すると、頬や口周囲の他表情筋も動きにくくなり、表情が乏しい老け顔になるだけでなく、食事中に口から食べ物やよだれが出てしまう、発音が聞き取りにくい、口呼吸になる(唇をしっかり閉じていられい)などの原因にもなります。
【口角挙筋】表情筋イラスト図解
【口角挙筋】は口角上部にあり、名前の通り口角を引き上げる作用のある表情筋です。
【口角挙筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【口角挙筋】が収縮すると上唇がキュッと上に持ち上がりほうれい線が深くなり、笑顔を作る時によく働きます。
【上唇挙筋】表情筋イラスト図解
【上唇挙筋】は頬の真ん中あたりにある表情筋で、上唇を持ち上げて上顎の歯を露出させる作用があります。
上唇に直接停止して作用する筋肉は、他に「上唇鼻翼挙筋」「小頬骨筋」があり、その中でも中心にある【上唇挙筋】は他の頬や唇の筋肉の作用も補助します。
【上唇挙筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【上唇挙筋】が収縮すると上顎の歯が唇の下から見えるようになり、ほうれい線も深くなります。
【上唇鼻翼挙筋】表情筋イラスト図解
【上唇鼻翼挙筋】は鼻の脇にある筋肉で、停止部では、「上唇挙筋」や「口輪筋」と一部繊維を癒合させています。
【上唇鼻翼挙筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【上唇鼻翼挙筋】上唇を引き上げて裏返す、ほうれい線のカーブを大きくしたり深くする作用があります。
【上唇鼻翼挙筋】鍛えるトレーニングとコリをほぐすマッサージ【表情筋イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)】
顎と下唇の動きに作用する【表情筋】
顎や下唇に作用する筋肉は、首まわりのコリやデコルテラインとも連結しているので、二重顎やマリオネットライン、フェイスラインのたるみの原因にもなります。
分類 | 筋肉名 | 主な作用 | |
---|---|---|---|
顎・下唇 | 口角下制筋 | Depressor Anguli Oris | 口角を下外側に引き下げる |
下唇下制筋 | Depressor Labii Inferioris | 下唇を下外側に引く | |
オトガイ筋 | Mentalis | 下唇を裏返す/突き出す |
定期的なメンテナンスでコリをほぐして柔軟性を保つことで、スッキリしたフェイスラインや明るい印象の表情を維持しやすくなります。
【口角下制筋】表情筋イラスト図解
【口角下制筋】は、左右の顎外側で下顎のオトガイ結節から口角に向かって走行している三角形の筋肉で、名前の通り口角を引き下げる作用があります。
【口角下制筋】が収縮すると口角を押し下げつつやや外側へ引く作用が生じるため、いわゆるへの字口や悲しみを表現する時などによく働きます。 また、口を開ける時にも相乗的に作用します。
【下唇下制筋】表情筋イラスト図解
【下唇下制筋】はあご部分に左右対象にある四角形の筋肉で、起始部は「広頚筋」停止部は「口輪筋」と連続しています。
【下唇下制筋】は「広頚筋」と共に作用して下唇に直接作用して、下唇を下外側へ引くため、下の歯や歯茎が見えるような口の開け方(表情)を作ります。
【下唇下制筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
また、首やデコルテラインを覆う「広頚筋」ともつながっているため、二重顎やフェイスラインのもたつきなどにも影響します。
【オトガイ筋】表情筋イラスト図解
【オトガイ筋】は下顎の部分にある円錐形の筋肉で、下唇を根元から持ち上げる作用で下唇の動きの調整に貢献しています。
【オトガイ筋】が収縮すると下唇を根元から持ち上げる作用が生じるため、下唇を裏返したり、突き出したりできます。 また、オトガイ部に梅干の種のようなしわを作ります。
【オトガイ筋】作用のイメージ(アニメーション画像)。
【オトガイ筋】は、コップなどで飲み物を飲む時に唇の形を調整したり、悲しみや不満などの表情を表現する時によく働きます。
咀嚼にも作用する筋肉【表情筋】
【咀嚼筋】は、下顎骨や顎、舌を動かして食べ物を食べて飲み込む時に活躍する筋肉群です。
【咀嚼筋】は、主に顎周りに付着していますが、「側頭筋」など頭部の筋肉も咀嚼に作用します。
表情には口を大きく開ける表現に作用しますし、顔と頭の筋肉の中でも大きく強い力を発揮する筋肉群なので、間接的に頭蓋構造(顔や頭の歪み)や皮膚に付着している表情筋の緊張のアンバランスにも影響します。
頭にある【表情筋】
頭部をヘルメットのように前後左右に覆う筋肉および筋膜構造があり、主に眉毛、目、耳、咀嚼時の顎関節の動きとして表情に関与します。
頭のコリと顔のコリや首のコリは密接に関連しているので、頭のコリをほぐすだけでも、顔の印象が大きく変わる場合があります。
首にある【表情筋】
【首の筋肉】は、頭の筋肉や表情筋とつながっています。 特に頭蓋骨から鎖骨と胸骨まで走行している【胸鎖乳突筋】、下顎骨や口角から頸部を経て胸の上部まで広がる【広頚筋】は頸部の筋肉でありながら、表情に直接的に作用します。
また、首・肩・背中を広く覆う【僧帽筋】の緊張状態は、頭や顔の筋肉にも大きく影響します。
二重顎を解消して、スッキリフェイスラインで小顔効果を目指したい時に意識してエクササイズをしたい表情筋です。
【表情筋】鍛え方〜表情筋トレーニングの効果は?
表情筋の解剖図をイメージして効果的な筋トレ、マッサージ、ストレッチなどを実践すれば、リスクのある美容整形をしなくても、毎日何時間もかけてメイクしなくても、顔の印象はかなり変えられますし、より魅力的になれます。
デジタル化が進んだ現代では、喋ったり、笑ったりなど表情筋を使う機会が減り、表情筋が使えない(表情筋が死んでいる)人が増えていますので、表情筋に意識を向けて、毎日のスキンケア中や入浴中など生活ルーティーンに表情筋トレーニングを組み込んだり、普段人と話す時に表情筋を意識した笑顔をするだけでも、効果を実感できます。
- ほうれい線や老け顔予防
- パッチリ目元
- スッと通った鼻筋
- プルプルの唇
- 二重顎を解消したスッキリフェイスライン
モデル、俳優、アイドル、アナウンサーなど表情や表現が重要な職業の方も、普段から表情に意識が向いているからこそ、魅力的な表情が作れています。
普段の心がけだけ変わる!小顔美人&老け顔防止ポイント
【表情筋】の作用には、腕や脚の筋肉のようなわかりやすい関節運動があるわけではないので、意識して動かすには解剖学構造の正しいイメージと鏡を見ながらの練習が必要です。
意識して動かしたことのない筋肉を動かす時は、本来の目的とは違う場所に力が入って逆効果になりがちですなので、まずは身体のコリをほぐしてリラックスしてから、力まない、歯を噛み締めない、呼吸を忘れないように丁寧にエクササズをしましょう。
また、普段の生活で以下のことを意識するだけでも、表情筋トレーニングになり、老け顔(ほうれい線やマリオネットライン)や二重顎を解消して、豊かな魅力的な表情を作りやすくなります。
姿勢を意識する
姿勢の歪みはお顔の歪みにも影響します。
特に、下を向き猫背でスマホに見入る姿勢は、口角下がり・鼻下・頬・あごのたるみ、ほうれい線が深くなるなど、老け顔に一直線の悪姿勢です。
姿勢を整えるだけでも表情筋にもよい刺激が入りやすくなりますので、背骨と骨盤からよい姿勢を維持することを心がけましょう。
よく笑う
笑顔は、表情筋の効果的なエクササイズになります。
笑顔を作る筋肉に刺激が入ると脳からも快楽ホルモンが出るのでストレス解消やアンチエイジング効果も期待できますし、笑い声を出すことで呼吸筋やインナーユニットを鍛えるエクササイズにもなります。
笑顔が魅力的な人は、人を魅きつける人でもあるので人生も好循環になります。
頑張っていると自然と顔が強張りがちなので、気がついたら笑顔を作る習慣を心がけてみてください。
左右バランスよく噛む
咀嚼筋は、顔や頭にある筋肉の中でも特に強い力を発揮する筋肉です。
噛み癖や歯の食いしばりは、頭や顔のコリにつながりますし、左右差があればお顔のバランスを崩してしまいます。
食事のときは左右でバランスよく噛む意識をしましょう。
また、頑張っていたり、緊張していると奥歯を噛み締めがちなので、深呼吸と同時に上の歯と下の歯を意識的に離す時間を作るようにしましょう。
毎日実践したい表情筋エクササイズ
お風呂上がりのリラックスした時や、寝起きで顔をシャッキリさせたいときに習慣にして欲しいのが簡単にできる表情筋エクササイズです。
特に表情筋のハブ(多くの表情筋が付着している筋肉)となる眼輪筋と口輪筋を中心に表情筋をバランスよく整えるどこでもできる簡単で効果抜群のエクササイズを紹介します。
【眼輪筋】体操
目を思いっきり閉じたり開いたりするだけのエクササイズですが、目の周りから表情筋がほぐれ、疲れ目解消にも効果的です。
- 目を大きく開く:眼球を前に突き出すイメージで目をぐっと大きく見開き数秒キープして眼輪筋をストレッチします。
- ふっと力を抜く:思いっきり力を入れた後にふっと力を抜くことで血流が改善します。
- ギュッと目を閉じる:眼輪筋を意識して目をギュッと閉じて眼輪筋を筋トレします。
- ふっと力を抜く:思いっきり力を入れた後にふっと力を抜くことで血流が改善します。
あいうえお体操:口輪筋エクササイズ
母音を表情筋を最大限使って言うだけのあいうえお体操は、表情筋のハブとなる【口輪筋】を中心にした表情筋エクササイズです。
やりにくい音から、動かしにくい筋肉や凝っている筋肉もみつけられます。
声を出せる場所であれば、発声も加えることで、より効果的です。
- 「あ」:上下を意識して口全体を大きく開く
- 「い」:口を真横に広げる
- 「う」:口をすぼめて突き出すようにする
- 「え」:笑顔をイメージして口角をあげる
- 「お」:鼻の下を伸ばす意識で口を開く