【頸部(首)筋肉まとめ】首肩こり&目疲れ解消ストレッチのための【イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学】

【首の筋肉】の緊張状態は「首こり」「眼精疲労」を始め、「肩こり」「老け顔やほほのたるみ(ほうれい線)」など、スマホが手放せずパソコン作業が多い現代人の悩みに直接的に影響しています。

【首の筋肉(頸部筋)】の解剖学構造を理解すると、目・首・肩周りの辛い症状が連動する理由や個別の症状に合わせた具体的な対処法(ストレッチ・マッサージ・姿勢改善など)を自分で考えられるようになります。

筋肉の起始・停止・作用・神経支配などは各筋肉の詳細ページで確認できるように【首の筋肉(頸部筋)】概要をまとめています。

【首の筋肉(頸部筋)】とは?どこにあるどんな筋肉

私たちは何か音や動きなど環境に急激な変化を感じた時、私たちはまず最初に首を動かして頭(顔)の向きを変えます。

これは動物にとって身を守るために生存本能であり、人間を含めた動物の頸部(〜一部上背部)構造は、頭部をいかに正確かつ迅速に動かせるかを追求した構造になっています。

【首の筋肉(頸部筋)】は、頭(頭蓋)と胸郭や肩とつなぐ位置にある筋肉で、主に頸椎周囲に筋腹を持って首のラインを構成しつつ、体重の10%ほどある重い頭を支えながら広範囲かつ多様な方向に動かすための構造を持っています。

【首の筋肉(頸部筋)】の主な役割をまとめると大きく以下の2つです。

  • 頸椎を支柱として頭部と胸部をつなぐ
  • 頭部を支えつつ方向を変える

頭(頭蓋)と直接接続する頸椎は、背骨(脊柱)の中でも可動性を重視した構造になっているため、筋肉の付き方にも特徴があります。

また、首と背中上部の中でも特に大きく力の強い筋肉である「僧帽筋」と「胸鎖乳突筋」は、骨格筋でありがなら「脳神経XI(脊髄副神経)」にも支配されている点から見ても、頸部筋肉の特別さが見えてきます。

「脳神経XI(脊髄副神経)」は、自律神経系の状態を調節する「迷走神経」と絡み合っているため、僧帽筋と胸鎖乳突筋の筋肉の緊張やコリ(いわゆる肩こりや首コリ)が全身の体調不良につながるのはとても自然な仕組みの結果であるとも言えます。

 

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【首の筋肉(頸部筋)】位置による分類

【首の筋肉(頸部筋)】は付着部位(起始停止)や作用が類似する前部・側部・後部の3つグループに分類できます。

筋および筋グループ 詳細
前部
広頚筋 浅層の皮筋(表情筋としても作用)
胸鎖乳突筋 頭部と胸部をつなぐように走行する浅層筋
舌骨上筋群 顎二腹筋、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、茎突舌骨筋
舌骨下筋群 胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、肩甲舌骨筋
椎前筋群 外側頭直筋、前頭直筋、頭長筋、頸長筋
側部 斜角筋群 前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋
後部
僧帽筋 首、肩、背中上部を覆うアウターマッスル
肩甲挙筋 胸鎖乳突筋と僧帽筋の深層
板状筋群 頭板状筋、頸板状筋
頸部横突棘筋群 半棘筋(頭半棘筋・頭半棘筋)、多裂筋、回旋筋
後頭下筋群 大後頭直筋、小後頭直筋、下頭斜筋、下頭斜筋
椎間筋 棘間筋、横突間筋

頭(頭蓋)を支えつつ、前後左右はもちろん回旋や回転方向にも動く頸部運動は、複数の筋肉で支えられています。

【首前部の筋肉】層による分類

頸部前面の筋肉は更に以下の3つのグループに分類できます。

筋および筋グループ 詳細
表層筋
広頚筋 浅層の皮筋(表情筋としても作用)
胸鎖乳突筋 頭部と胸部をつなぐように走行する浅層筋
舌骨筋群
舌骨上筋群 舌骨上部の筋肉
舌骨下筋群 舌骨下部の筋肉
椎前筋群
頭長筋 頸部前面最深層にあるインナーマッスル
頸長筋
外側頭直筋
前頭直筋

頸部前面だけでも、深層浅層に別れて多くの筋肉が付着し、首の運動や安定に作用しています。

【広頚筋】頸部前面皮筋

【広頚筋】は、名前の通り頚(頸)表面を広範囲に覆う膜のような筋肉で、骨に付着せず(頚部筋膜の表層)に存在します。

  • 名称:広頚筋
  • ふりがな:こうけいきん
  • 英語名:Platysma

鎖骨、肩峰、および大胸筋や三角筋など胸や肩を代表するアウターマッスルを含むエリアの筋膜から起始し、首前面を広く覆いながら上行して下顎や口輪筋周辺の皮膚および皮下組織に停止します。

【広頚筋】は顔面神経支配であり、口輪筋と共に口、唇、頬の動きを含む表情変化に関与する表情筋でもあり、首前面から胸部前面の筋肉を包み込む筋膜のように表層に存在する薄い皮膚のような筋肉のため、その深部にある筋肉を連動して緊張させたり、収縮によりシワを作るなどの作用が生じます。

スマホの長時間使用など、首や顎を引いた状態で長時間【広頚筋】の張力が発揮できない状態が続くと、呼吸機能低下、顎関節機能低下、首こり、肩こり、首全体がたるむ・シワができる、口元が下がる、口元がたるむ、デコルテが詰まるなどの症状につながりやすいので、筋膜でつながる首・肩・胸郭を含めて考えたコンディショニングを実践しましょう。

 

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【胸鎖骨乳突筋】頸部前面表層筋

【胸鎖骨乳突筋】はミケランジェロのダビデ像にもくっきり表現されている2頭からなるデコルテの筋肉で、首を左右に向けた時に簡単に視診・触診できます。

鎖骨内側1/3(鎖骨部)および胸骨柄(胸骨部)から起始し、斜め上方へ走行して側頭骨の乳様突起に停止します。

骨と骨から始まって起に停止するから【胸鎖骨乳突筋】とは、見た目だけでなく名前もわかりやすい筋肉です。

【胸骨(sterno)】+【鎖骨(cleido)】+【側頭骨乳様突起(mastoid)】=【胸鎖乳突筋(sternocleidomastoid】

  • 名称:胸鎖乳突筋
  • ふりがな:きょうさにゅうとつきん
  • 英語名:SternoCleidoMastoid

片方の【胸鎖骨乳突筋】が収縮すると首を横に傾ける運動(側屈)や横を向く(左右の回旋)運動が生じます。

左右の【胸鎖骨乳突筋】が同時に収縮すると頸部を屈曲する作用が生じ、頭と胸が近づきます。

首が頭が固定されている時は、胸骨と鎖骨を持ち上げる方向への力が働きますが、息苦しい時やスポーツのあとなどの肩が上がる呼吸(努力吸気)における呼吸補助筋としても作用します。

また、表層にある大きな筋肉のため、レスリングやボクシングなどの格闘技、ラクビーやアメフトなど首に直接的な負荷がかかる可能性のあるスポーツでは、怪我の予防目的で強化が推奨されています。

【胸鎖骨乳突筋】のまわりにはリンパ節が多く存在し、栄養血管も頭部、甲状腺、肩周りと共通しています。

【胸鎖骨乳突筋】を左右差なく柔軟性を保った状態に維持することは健康美容面でも重要で、スマホ首などで短縮した状態で凝り固まるとリンパの流れが悪くなるため、肌荒れなどのお顔のトラブルも生じやすくなりますので、解剖学構造を理解したコンディショニングを実践しましょう。

 

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【舌骨筋群】頸部前面深層筋

【舌骨筋群】は直接首の運動に作用する筋肉ではありませんが、頸部前面深層にあり、頸部の神経や血管気候と密接しています。

【舌骨筋群】は、主に顎関節作用する咀嚼筋群と共に、頭蓋内(口腔内)での舌骨、咽頭、喉頭の甲状軟骨の位置を調整して、咀嚼、嚥下、発声(音の高低の調整など)に作用しています。

 

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【椎前筋】頸部前面深層筋

【椎前筋】とは頸椎前面に接して縦(上下)に走行する筋肉で、椎前筋膜に覆われる4つのインナーマッスル:頭長筋・頸長筋・外側頭直筋・前頭直筋が含まれます。

読み方/ふりがな 英語
前頭直筋 ぜんとうちょくきん Rectus Capitis Anterior
外側頭直筋 がいそくとうちょくきん Rectus Capitis Lateralis
頭長筋 とうちょうきん Longus Capitis
頸長筋 けいちょうきん Longus colli

【椎前筋】はそれぞれ左右対称に存在し、主な作用はいずれも頸部屈曲ですが、それぞれの筋肉の走行が異なるため、私たちは頭頸部を様々な角度に屈曲できます。

構造機能の特徴から、頭蓋骨と第一頸椎の関節である環椎後頭関節の安定と運動に作用する頭直筋(外側頭直筋と前頭直筋)と頸椎間を繋ぐように走行して首を前から支えつつ頭頸部の運動に作用する長筋(頭長筋と頸長筋)の2つに大きく分類して説明しています。

【頭直筋】前頭直筋と外側頭直筋

【頭直筋】は環椎後頭関節の安定と頭部運動に作用する筋肉で、【前頭直筋】と【外側頭直筋】があります。

【前頭直筋】は、環椎(C1)外側前部から起始して後頭骨の大後頭孔前方に停止する短い筋肉です。

環椎後頭関節を安定させると共に、うなずくように頸部に対して頭を屈曲する運動に作用します。

【外側頭直筋】は環椎(C1) 横突起上部から起始し、後頭骨頚静脈突起下面に停止する小さい筋肉です。

環椎後頭関節を安定させると共に、頸部に対して頭部を小さく側屈する運動に作用します。

 

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【長筋】頭長筋と頸長筋

【頭長筋】と【頸長筋】は、長く平な筋腹で頸椎の自然なカーブ(生理的前弯)を前側から支えている首のインナーマッスルです。

【頭長筋】は、起始:第3~6頸椎(C3-C6)横突起の前結節から起始し、後頭骨底部下面に停止します。

主な作用は頭部の回旋で、顎を引くなど頭部屈曲にも補助的に作用します。

【頸長筋】は、全頸椎および上部胸椎までをカバーするように走行し、機能面では3つの部位に別れます。

主な作用は頸部屈曲で、下斜部は頸部屈曲や回旋運動にも補助的に作用します。

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【頭長筋と頸長筋】椎前筋②【イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)】

【首側(横)部の筋肉】斜角筋

【斜角筋】は、首側(横)面で頸椎横突起と上位2つの肋骨の間を斜めに走行する筋肉群です。

読み方/ふりがな 英語
前斜角筋 ぜんしゃかくきん Anterior Scalene
中斜角筋 ちゅうしゃかくきん Middle Scalene
後斜角筋 こうしゃかくきん Posterior Scalene

【斜角筋】の主な作用は胸郭に対する頸部側屈運動と肋骨挙上(呼吸補助)です。

また、【斜角筋】は首コリに伴う手の痺れなどを起こす筋肉としても有名ですが、これは「前斜角筋」と「中斜角筋」の間(斜角筋隙)を腕神経叢と鎖骨下動脈が走行するため、斜角筋のコリや過緊張による挟み込み(絞扼)で腕や手に痺れが生じることがありるからです。

斜角筋隙の絞扼による痛みや痺れの症状は「斜角筋症候群」と呼ばれ、胸郭出口症候群のひとつです。

そのため、肩こりや首こりにともなう手足の痺れや腰痛などがある場合、斜角筋ストレッチやマッサージでトリガーポイントにアプローチして斜角筋の緊張を緩めることで、痛みや痺れなどの症状が緩和する場合が多くあります。

【斜角筋】はスマホやパソコンを長時間使う姿勢や力を入れる作業をすると過緊張になりやすい筋肉なので、【斜角筋】の解剖学構造を理解し、自分でトリガーポイントをみつけて【斜角筋】ストレッチやマッサージができるようにしておくと首や肩周りを快適に保てるようになります。

 

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【斜角筋】ストレッチのためのイラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(トリガーポイント・触診・起始停止)

【首後部(背面)の筋肉】

首後面(背面)は、頭蓋を脊柱および胸郭に接続するための筋肉が複数の層に別れて付着しています。

頸部後面の筋肉は更に以下の3つのグループに分類できます。

筋および筋グループ 詳細
表層筋 僧帽筋 頸部〜肩甲帯背面を広く覆うアウターマッスル
肩甲挙筋 胸鎖乳突筋と僧帽筋の深層
板状筋 頭板状筋、頸板状筋
深層(頸部横突棘筋群)
半棘筋 頭半棘筋、頸半棘筋
多裂筋 インナーユニット後面
回旋筋 「横突棘筋」最深層
最深層
後頭下筋群 頭部(目線)調整筋
棘間筋 姿勢調整筋
横突間筋 姿勢調整筋

【僧帽筋】

【僧帽筋】は平で大きい三角形の筋肉で左右合わせると菱形状になって首後面表層を広く覆います。

頸部だけでなく肩甲帯や胸郭背面まで覆う【僧帽筋】は3つの繊維に別れます。

主な作用は頭部の回旋、側屈、伸展の他、肩甲骨や肩関節の安定と運動などです。

【僧帽筋】は背面に位置しますが、機能的には上肢運動や肩甲帯安定に主に作用する筋肉です。

【僧帽筋】筋肉解剖学はこちら!

【僧帽筋】筋トレやストレッチのための【イラスト図解ででわかりやすい筋肉解剖学(起始停止や作用)】

 

【肩甲挙筋】

【肩甲挙筋】とは、「頭板状筋」「胸鎖乳突筋」「僧帽筋」の下にある細長い筋肉で、「僧帽筋」「菱形筋」「前鋸筋」「後鋸筋」と一緒に肩甲骨運動に作用します。

肩こりの原因筋としても有名な【肩甲挙筋】は、スマホ姿勢やパソコンの長時間使用による猫背、ストレスなどで過剰に緊張しやすく、表層で触れやすい部分にあるので痛みやコリ(いわゆる肩こり)など自覚しやすい筋肉のひとつです。

【肩甲挙筋】解剖学構造を理解した正しいほぐし方(肩甲挙筋ストレッチや肩甲挙筋マッサージ)を日頃から意識して実践することで、姿勢を整えつつ肩こりを予防解消しましょう。

【肩甲挙筋】筋肉解剖学はこちら!

【肩甲挙筋】肩こり解消ストレッチや筋膜リリースのための【イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)】

【板状筋(頭板状筋・頸板状筋)】

ギリシャ語の「包帯」が語源となっている【板状筋(頭板状筋・頸板状筋)】は、後頭骨から胸椎まで繋がる長い固有背筋浅層の筋肉で、体重の10%もある重い頭を支えつつ、頭部から脊椎(頸椎・胸椎)のスムースな動きと頸部の生理的湾曲(S字)カーブをサポートしながら、運動時の頭頸部の位置調整に重要な役割を持っています。

椅子から立ち上がった後に前傾から頭頸部を戻す時など、頭部と頸部が自然なポジションに戻るように整えてくれます。

不良姿勢でのスマホやパソコンの長時間使用でコリやすいため、【板状筋(頭板状筋・頸板状筋)】の解剖学構造を理解したストレッチと筋膜リリースで姿勢を整え、首コリ、肩こり、眼精疲労などの悩みを解消しよう!

【板状筋】筋肉解剖学はこちら!

【板状筋(頭板状筋・頸板状筋)】ストレッチと筋膜リリースのためのイラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)

【頸部横突棘筋群(回旋筋・多裂筋・半棘筋)】

【横突棘筋】は、椎間を繋ぐように頸椎・胸椎・腰椎と背骨全体に渡って走行する深部背筋で、「回旋筋」「多裂筋」「半棘筋」が含まれます。

付着している椎間に対して、伸展、側屈、回旋などに作用しますので、頸椎に付着している筋肉は頭頸部の運動に作用します。

椎間をつなぐ小さな筋肉の集合体なので、運動を起こすというよりも、運動など姿勢の変化に対して背骨を安定させる靭帯のような役割をしているインナーマッスルです。

「横突棘筋」に含まれる3筋で比較すると「回旋筋」<「多裂筋」<「半棘筋」の順に長くなり、「半棘筋」<「多裂筋」<「回旋筋」の順に深層になります。

【半棘筋(頭半棘筋・頸半棘筋・胸半棘筋)】イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)

【多裂筋(頚多裂筋・胸多裂筋・腰多裂筋)】イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)

【回旋筋(頚回旋筋・胸回旋筋・腰回旋筋)】イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)

【後頭下筋】

【後頭下筋】とは、後頭下部から環椎、軸椎に至る4筋【大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋】の総称です。

読み方/ふりがな 英語
大後頭直筋 だいこうとうちょくきん Rectus Capitis Posterior Major
小後頭直筋 しょうこうとうちょくきん Rectus Capitis Posterior Minor
下頭斜筋 かとうしゃきん Obliquus Capitis Inferior
上頭斜筋 じょうとうしゃきん Obliquus Capitis Superior

【後頭下筋】は、背骨周り筋肉(固有背筋群)の中でも最も深層にある筋肉のひとつで、後頭部と頭蓋直下の環椎(1番目の椎骨)と軸椎(2番目の椎骨)をつないで頭部(目線)を安定させる役割があるインナーマッスルです。

首が前に出るスマホ姿勢やパソコン使用で負担がかかり硬直しやすく、眼精疲労を起こす原因筋としても有名です。

【後頭下筋】のうち、上頭斜筋・下頭斜筋・大後頭直筋が作る3角形の中を神経や血管が通り、内耳や脳に繋がっているため、【後頭下筋】のコリを放置すると肩こり、眼精疲労、腕の動きの悪化に始まり、全身にも悪影響を及ぼします。

スマホやパソコンの長時間使用で疲れ目(眼精疲労)や首の奥深くから感じるしぶといコリには、【後頭下筋】の解剖学構造を理解したコンディショニング(ストレッチ・マッサージ・筋膜リリース)が不可欠です。

 

【後頭下筋群】筋肉解剖学はこちら!

【後頭下筋(大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋)】イラスト図解わかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)

【棘間筋】

【棘間筋】は名前の通り隣接する椎骨の棘突起間をつなぐ短い左右ペアの筋肉で各椎骨間に存在しますが、頸椎(頸椎では二重に存在するケースもある)と腰椎に比べ、胸椎では欠如または不完全な場合があります。

起始 停止
頸棘間筋 C3-T1棘突起上面 C2-C7棘突起下面
胸棘間筋 T2, T11-T12棘突起上面 T1, T10-T11棘突起下面
腰棘間筋 L2-L5棘突起上面 L1-L4棘突起下面

【棘間筋】はとても小さく短い筋肉なので単独で運動を起こす力はありませんが、解剖学的にも伸展しやすい構造になっている頸部および腰部の伸展運動においてよく発達していて他の背骨新筋群(脊柱起立筋など)と協調的に作用し、運動時に椎間(背骨)を安定させている筋肉です。

固有背筋群の中でも最深層部にある【棘間筋】には「筋紡錘」が密になっていることもわかっていて、筋緊張の変化から姿勢変化を瞬時に察知して背骨の位置を調整することで背骨の安定に大きく貢献しています。

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【棘間筋(頸棘間筋・胸棘間筋・腰棘間筋)】イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)

【横突間筋】

【横突間筋】は、隣接する椎骨の横突起間を繋ぐ筋肉です。

頸椎で最も発達し、胸椎では欠如または不完全な場合があります。

【横突間筋】は、単独で運動を起こすには短く細すぎる筋肉ですが、主に頸椎側屈運動により表層にある大きな筋肉(胸鎖乳突筋、斜角筋、板状筋など)と協調して作用し、頸椎(背骨)の安定させつつスムースな運動を起こすのを助ける役割があります。

【横突間筋】が隣接している脊椎どうしに付着していること、脊椎分節に従って神経支配されていること、筋紡錘の数が多いこと(多裂筋の4.5〜7.3 倍)などからも脊椎の運動調整センサーとして重要な役割をしていることがわかります。

【横突間筋】が特に頸部で発達しているのは、身体の動きの変化に合わせて頸部(目)の位置を最適化させるために重要であるからとも考えられます。

 

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【横突間筋(内側横突間筋・外側横突間筋)】イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(作用と起始停止)

大人になると首コリになる理由と解消法

生まれたばかりの赤ちゃんの首が座り、ハイハイや四つ這いを覚え、立位と二本足歩行を獲得する過程で、頸部〜上背部の頭部と胸郭をつなぐ構造を発達させていきます。

小さい子供は、木登り、ボール投げ、友達との取っ組み合い、ジャングルジムなど様々な行動パターンを通して、筋肉の柔軟性や機能をバランス良く維持向上させています。

でも、大人になると職業や生活習慣が固定し、頸部〜上背部の部分的な過緊張や機能低下が生じやすく、首コリ、背中のハリ、肩こり、眼精疲労、頭痛などにつながりやすくなります。

首と背中上部の中でも特に大きく力の強い筋肉である「僧帽筋」と「胸鎖乳突筋」は、骨格筋でありがなら自律神経系の状態を調節する「迷走神経」と絡み合っている「脳神経XI(脊髄副神経)」に支配されていますし、頭頸部の筋肉の間には全身をめぐる太い神経や血管も多数通過しています。

これらの解剖学構造から考えても首こりから全身に体調不良が広がるのはなんら不思議ではなく、逆をいうと多くの体調不良は首こりの原因となっている筋肉の緊張をほぐしたり、緩んでいる筋肉を鍛えてバランスを整えることで解消する可能性があると言えます。

すべての骨格筋に関連する問題は「使いすぎ」「使っていない」「誤用」のいずれかまたは複合によって生じていますので、解剖学と運動学を理解していれば解消できます。

首を左右非対称に傾けたまま演奏するバイオリニスト、運動業など重いものを持ち上げる回数が多い人、美容師など手を高い位置においたまま作業することが多い職業の人は頸部から上背部の筋肉の使いすぎで自律神経まで影響を及ぼすことが多いため、疲れて緊張している筋肉を見極めて毎日リセットするようにほぐしたり休ませたりする習慣を作る必要があります。

反対に首を動かしたり腕を使う頻度が極端に少ない場合はその役割の筋肉が緩んで動き方を忘れてしまいます。

頭頸部の筋肉は常に頭を支え続けるという重要な役割があるため、ある程度の筋緊張を維持する必要がありますが、頸部の筋肉の一部が機能しなくなると他の筋肉での代償動作が増え、その筋肉群の使いすぎが生じたり、筋肉のバランスが全体として崩れるので「使いすぎ」と同じようにコリや痛みを感じたり、全身の不快感などにも繋がります。

スマホやパソコン使用時の首が前に出る「誤用」による首コリや肩こりにも多くの現代人が悩んでいます。

これを予防するには解剖学構造を理解した正しい姿勢を意識することが重要です。

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