斜角筋とは頸椎と肋骨をつなぐ首前横面にある筋肉群で、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋と3つの筋肉に別れます。
斜角筋はスマホやパソコンの長時間使用や力仕事で凝りやすく、「斜角筋症候群」と呼ばれる斜角筋隙絞扼(胸郭出口症候群)による手や腕のしびれの原因となる筋肉としてもよく知られています。
斜角筋の解剖学構造を3D動画を使って理解してトリガーポイントを見極め、斜角筋ストレッチやマッサージを効果的に実践しましょう!
【斜角筋】とは?
斜角筋は、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋という3つの繊維で構成されていて、頚部の運動と肋骨挙上(呼吸補助)にも作用します。
前斜角筋と中斜角筋の間(斜角筋隙)を腕神経叢と鎖骨下動脈が走行するため、斜角筋のコリや過緊張による挟み込み(絞扼)で腕や手に痺れが生じることがあり、斜角筋隙の絞扼による痛みや痺れの症状は「斜角筋症候群」と呼ばれ、胸郭出口症候群のひとつです。
肩こりや首こりにともなう手足の痺れや腰痛などがある場合、斜角筋ストレッチやマッサージでトリガーポイントにアプローチして斜角筋の緊張を緩めることで、痛みや痺れなどの症状が緩和する場合が多くあります。
斜角筋はスマホやパソコンを長時間使う姿勢や力を入れる作業をすると過緊張になりやすい筋肉なので、斜角筋の解剖学的構造を理解し、自分でトリガーポイントをみつけて斜角筋ストレッチやマッサージができるようにしておくと首や肩周りを快適に保てるようになります。
【斜角筋】働きを3D動画で確認
【前斜角筋】
【前斜角筋】英語と名前
【前斜角筋】起始停止
【前斜角筋】作用
頸椎の側面と肋骨の前面をつなぐように斜めに筋繊維が伸びているため、収縮すると肋骨を引き上げたり、頸椎の回旋や側屈に作用します。
呼吸補助筋として息を吸う時に肋骨を引き上げて胸郭を広げる(意識的な胸式呼吸や努力呼吸時)
他の筋群とバランス調整し、胸郭と頸椎のアライメントを保っている
【前斜角筋】神経支配
【前斜角筋】触診
鎖骨の真ん中あたりで前斜角筋の停止部に触れることができます。
【中斜角筋】
【中斜角筋】英語と読み方
【中斜角筋】起始停止
【中斜角筋】作用
前斜角筋よりも少し上の頸椎から同じように第一肋骨まで伸び、前斜角筋よりも少し後方に停止し、作用としては前斜角筋とほぼ同じで協同して働きます。
呼吸補助筋として息を吸う時に肋骨を引き上げて胸郭を広げる(意識的な胸式呼吸や努力呼吸時)
他の筋群とバランス調整し、胸郭と頸椎のアライメントを保っている
【中斜角筋】神経支配
【中斜角筋】触診
前斜角筋から指幅2本分外側に触れるのが中斜角筋です。
【後斜角筋】
【後斜角筋】英語と読み方
【後斜角筋】起始停止
【後斜角筋】作用
中斜角筋、前斜角筋同様に頸椎の横突起から始まり、第2肋骨に停止し斜角筋として協同して作用します。
呼吸補助筋として息を吸う時に肋骨を引き上げて胸郭を広げる(意識的な胸式呼吸や努力呼吸時)
他の筋群とバランス調整し、胸郭と頸椎のアライメントを保っている
【後斜角筋】神経支配
【後斜角筋】触診
中斜角筋よりもわずかに外側に触れる筋肉が後斜角筋です。
【斜角筋】ストレッチとマッサージ
【斜角筋】トリガーポイントを見つけますが、スマホやパソコンの長時間使用でのこりの場合は、小胸筋など連動して凝り固まっている場合が多いので、胸郭筋や肩甲骨周囲筋も含めてアプローチしていくことで効果的にほぐせます。
斜角筋の位置を指で確認し、呼吸をしながら頚部の運動を行い斜角筋ストレッチしたり、トリガーポイントを押圧するようにマッサージしたり、少し抵抗を加えて【斜角筋】の収縮弛緩を繰り返すことで筋緊張のバランスが取れて首回りが軽く感じられるようになります。
【参考記事】
