【後頭筋】は、頭部後面にある筋肉で、筋膜を介して表情や目を閉じる運動などに作用しますので、【後頭筋】機能が低下すると目を閉じにくくなったり、逆に過緊張状態が続くと頭痛や歯痛、目尻のシワ増加、眼精疲労につながる場合があります。
【後頭筋】の解剖学構造についてイラスト図解でわかりやすく説明しています。
【後頭筋】とは?どこにあるどんな筋肉?
【後頭筋】は、後頭部(首とつながる頭皮の底面部分)にある左右対象の四角い筋肉で、耳の高さで首の上あたり(目の真裏)に筋腹があります。
- 名称:後頭筋
- 後頭筋ふりがな:ことうこつ
- 後頭筋英語名:Occipitalis
【後頭筋】上部は帽状筋膜を介して「前頭筋」、下部は「首・肩・背中の筋肉」、側面は「側頭筋」へとつながっています。
【後頭筋】起始停止
【後頭筋】は後頭骨と側頭骨から上行して帽状腱膜に停止します。
- 起始:後頭骨上項線・側頭骨乳様突起
- 停止:帽状腱膜
【後頭筋】作用
【後頭筋】は収縮することで帽状腱膜を後ろに引く作用が生じます。
- 帽状腱膜を後方に引く
【後頭筋】は、帽状腱膜を介して「前頭筋」や「表情筋」作用(眉の引き上げや額のシワ)にも影響があります。
また、【後頭筋】は「側頭筋」とも結合しているので、【後頭筋】は収縮することで、頬、額、こめかみの皮膚が引き上がり、額をシワを伸ばしたり、眉を引き上げたり、目を閉じる方向にも作用しますので、【後頭筋】機能が低下すると目を閉じにくくなります。
逆に【後頭筋】の過緊張が続くと、カラスの足のような目尻のシワができやすくなったり、筋肉緊張性性の頭痛、顎関節痛、歯痛などにもつながります。
更に、後頭部は視神経や視覚情報処理機能が集結した部分で、パソコンやスマホの長時間姿勢でコリがちな首の筋肉とも直接連結していますので、【後頭筋】のコリは眼精疲労(疲れ目)トラブルを増強させがちです。
【後頭筋】は、足裏-脚背面-背部-頸部-頭部(帽状腱膜)へととながる筋膜のつながり(SBL)の中継点になっていることや、帽状腱膜を介して前頭部、側頭部、表情筋とも間接的につながって相互に影響しあっていることを理解しておくことも非常に重要です。
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【後頭筋】神経支配
【後頭筋】は、「顔面神経(脳神経VII)の後耳介枝」から神経支配を受けます。
【後頭筋】触診
【後頭筋】は耳の高さあたりで後頭部を触れることで触診できます。
【後頭筋】ほぐすマッサージやストレッチの正しいやり方
【後頭筋】は首の後ろから後頭部にかけて直接的にマッサージできますが、頭のコリは姿勢不良による身体のコリとも連動していますので、背面をSBLにそってストレッチして足裏からあたまのてっぺんにある帽状腱膜までつながりに沿ってほぐしていくことで、全身のバランスが整い、結果も出やすくなります。
頭部のマッサージをする時も、後頭部だけでなく、側頭部、前頭部も含めて筋膜のつながりの中でアンバランスがでないように整える意識が重要です。
頭を下に下げる逆転効果+背面筋膜ライン(SBL)に沿って背面筋肉がストレッチできる前屈のポーズは頭部のコリ解消やリフレッシュにもオススメです!
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【前頭後頭とは?】後頭筋と前頭筋はひとつの筋肉?
【後頭筋】は帽状筋膜とつながっているので、同じ様に帽状筋膜とつながっている「前頭筋」と間接的につながっています。
そのため、「前頭筋」-「帽状筋膜」-「後頭筋」を合わせてひとつの筋として「後頭前頭筋」扱うこともあり、その場合は「前頭筋 = 前頭筋腹」「後頭筋 = 後頭筋腹」と呼びます。
【顔と頭の筋肉】正しいトレーニングやマッサージをする方法
頭蓋(頭と顔の骨)に付着して、表情や咀嚼に作用したり、首や肩との連結を行う筋肉はは20種類以上あり、お互いに連携しています。
解剖学構造の包括的な理解があれば、手術や投薬に頼らなくても、痛みや悩みを根本的に解決する方法がみつかる場合があります。
例えば表情筋の解剖学構造を理解したトレーニング、ストレッチ、マッサージなどを効果的に実践すれば、整形手術をしなくても、老け顔を予防したり、目をぱっちりにしたり、笑顔が魅力的なスッキリとした小顔もデザインできたり、顎のトラブルと頭痛や眼精疲労、肩こり解消が同時にできる場合もあります。
解剖学構造を理解して、普段の生活への意識を変えるだけでも、体調や見た目に大きな変化が出てきます。
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