関節の動きと可動域

【顎関節】運動方向(作用とROM)【イラスト図解でわかりやすい運動学と解剖学】

頭蓋(頭および顔部分)唯一の可動関節【顎関節(側頭下顎関節)】の運動方向や可動域(ROM)についてイラスト図解を用いてわかりやすくまとめました。

【顎関節(側頭下顎関節)】とは?どこにあるどんな関節?

頭や顔の骨である頭蓋はほぼ全てが「不動関節(縫合)」ですが、「側頭骨」に対する「下顎骨」で構成される【顎関節(側頭下顎関節)】だけは「可動関節」です。

【顎関節(側頭下顎関節)】は耳の前あたりにあり、口を開閉することで関節面での動きを触れることができ、口の開閉および摂食や咀嚼において不可欠な関節運動です。

【顎関節(側頭下顎関節)】解剖構造と特徴

【顎関節(側頭下顎関節)】は、「下顎骨の下顎頭(関節突起/凸)」と「側頭骨下顎窩(凹)」により構成される関節で、複数の靭帯や筋肉などの軟部組織で覆われています。

【顎関節(側頭下顎関節)】は「蝶番関節」に分類されますが、骨の形状により「顆状関節」の要素も含みます。

【顎関節(側頭下顎関節)】運動方向と可動域

【顎関節(側頭下顎関節)】運動は、「側頭骨」に対する「下顎骨」の動きです。

運動方向運動の説明
上下移動下制(開口)⇄ 挙上(閉口)
前後移動プロトラクション(顎を突き出す/前方突出)⇄ リトラクション(戻す)
側方移動右または左へ動く ⇄ 正中に戻す

これらの3方向の動きは、歯と歯を噛み合わせて食べ物を噛み砕く咀嚼運動などにおいて重要な動きになります。

上下移動

「側頭骨(頭)」に対して「下顎骨」が上下方向に動くことで、口を開いたり閉じたりする時の動き(運動)ができ、摂食や発声の際ににも不可欠な運動です。

前後移動

「側頭骨(頭)」に対して「下顎骨」が前に移動する運動を「プロトラクション(前方突出)」と呼び、髭を剃る時などに顎を前に出す動きです。

「リトラクション」は突き出した(前方突出した)顎を元に戻す動きです。

側方移動

「側頭骨(頭)」に対して「下顎骨」は右、または左へ側方移動することができます。

【顎関節(側頭下顎関節)】運動に作用する筋肉

【顎関節(側頭下顎関節)】運動は、咀嚼運動はもちろん発声や表情にも関与します。

【顎関節(側頭下顎関節)】に主に作用する筋肉についてまとめました。

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