背筋(背中の筋肉) 胸郭の筋肉

【肋骨挙筋】イラスト図解でわかりやすい筋肉解剖学(起始停止や作用)

胸郭背面で胸椎と肋骨をつなぐように走行する小さな呼吸補助筋【肋骨挙筋】はについてイラスト図解を使ってわかりやすく説明しています。

【肋骨挙筋】とは?どこにあるどんな筋肉?

【肋骨挙筋】は、胸壁後面にある胸椎と隣接する肋骨を繋ぐ12対(C7 - T12)の小さな三角形の筋束の集合体です。

 読み方/ふりがな英語
肋骨挙筋ろっこつきょきんLevatores Costarum Muscle

【肋骨挙筋】は、「肋間筋」「上後鋸筋」「下後鋸筋」「胸横筋」と共に胸郭内部(内因性)の筋肉に分類される他、分節筋(「棘間筋」「横突間筋」)と共に背筋最深層部の筋肉にも分類されます。

胸壁内の筋肉は、努力呼吸の際に横隔膜の作用を助ける呼吸補助筋として作用したり、奇異呼吸を予防する役割がありますが、【肋骨挙筋】は「肋骨挙上にて努力吸息に作用」する他、最深層背筋群として「胸椎の側屈・回旋にも作用」します。

【肋骨挙筋】起始停止

【肋骨挙筋】は、「椎骨(C7-T11)横突起先端」から起始し、下外側に斜めに走行し、1〜2レベル下「肋骨上縁外面(肋骨角と肋骨結節の間)」に停止します。

起始停止
C7 – T11横突起1〜2レベル下の肋骨上縁/外面

【肋骨挙筋】の12対ある各筋束は、起始を頂点として停止部に向かって広がる三角形をしています。

上部(左右各)8つの筋束は、起始から停止まで単独の筋束を構成しますが、下部(左右各)4つの筋束は長短二つの筋束に別れ、短い方の筋束は起始から直下の肋骨に停止しますが、長い方の筋束は起始から2レベル下の肋骨に停止します。

【肋骨挙筋】作用

【肋骨挙筋】は、収縮すると「肋骨の挙上」や「胸椎の回旋や側屈」運動に作用します。

深層にある小さな筋肉なので、単独で作用するよりは表層にある他の筋肉と協調して、呼吸や背骨の運動に関与しています。

【肋骨挙筋】神経支配

【肋骨挙筋】は脊髄神経後枝の側枝(T1 – T12)支配です。

  • 脊髄神経(T1 – T12)

【肋骨挙筋】触診

【肋骨挙筋】は、「頸半棘筋」と「胸横筋」の深層で、「胸回旋筋」の外側、「外肋間筋」の内側にあり、直接的な触診は困難です。

【肋骨挙筋】ストレッチと鍛える方法

【肋骨挙筋】は、胸郭および胸椎を大きく使う意識的な胸式呼吸や胸椎にフォーカスしたツイストなどでストレッチおよび強化できます。

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