【腹式呼吸】【胸式呼吸】とは〜やり方や使う筋肉の違いと効果比較

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【腹式呼吸】と【胸式呼吸】ってどっちがいいの?

普段無意識に行っている呼吸を意識的に整えれば、体幹を整え、姿勢を整え、ケガ予防、疲労の軽減、精神安定、集中のコントロール効果が期待できます。

呼吸のメカニズムと【腹式呼吸】と【胸式呼吸】の違いについてまとめました。

【呼吸】解剖学〜呼吸の仕組みと役割〜

【呼吸】とは?

ヒトは何も食べなくても数週間、水すら飲めなくても数日間は生き延びられると言われていますが、呼吸が止まれば5分ほどで生命維持活動は停止して死んでしまいます。

意識しなくても24時間止まることのない【呼吸】とは、外気から酸素を取り入れ身体中の細胞へ血液を介して届け、体内で消費して生じた二酸化炭素 (CO2) を体外へ放出する体内の換気活動です。

「呼吸」とは、「肺の中にある二酸化炭素を吐き出して」「外の空気(酸素)を吸いこむ」ことの繰り返しです。

口や鼻を介して取り込んだ外気(酸素)は、喉(気道)を経由して胸郭に収まっている肺に集められ、心臓から動脈を介して全身の細胞に運ばれます。

全身の細胞に酸素を届け、細胞から二酸化炭素を受け取った血管は心臓に戻り、肺に二酸化炭素を渡して、また酸素を受け取って全身を廻ります。

呼吸が止まると酸素を細胞に届けられなくなるため、細胞が死んでしまうのです。

【呼吸】肺で酸素を取り込むメカニズム

私たちは生きるために息を吸って酸素を体内取り込み続け、息を吐いて体内で生じた酸素を体外に排出し続ける必要があります。

【呼吸】は意識しなくても24時間止まることはありませんし、安静時でも毎日23,000回ほどの呼吸をしています。

血管を全身に酸素を送り二酸化炭素を回収する血液のポンプ作用をする心臓の動きに合わせて、肺も収縮する必要がありますが、肺には自分の力で縮んだり拡張したりする力がありませんので、横隔膜を始めとする呼吸筋が作用します。

肺が収まっている胸郭を広げることで胸腔を陰圧にして、肺に空気ががいるようにすることで吸気(肺への酸素取り込み)が生じ、胸郭が元に戻るリバースアクションで呼気(肺から二酸化炭素の吐き出し)が生じます。

つまり、呼吸(肺での酸素交換)には、理論的には胸郭に付着している筋肉が全て関与しますが、安静時呼吸の7-8割は横隔膜の作用によるものです。

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【呼吸】=【胸式+腹式】が原則

呼吸の話になると、【腹式呼吸】と【胸式呼吸】の違いが話題になりますが、基本的な呼吸のメカニズムは同じで、基本体に誰もが横隔膜を主体とした呼吸をしています。

横隔膜は腹腔と胸腔の境界にある筋肉なので、腹部の筋肉も胸部の筋肉も直接的または間接的に呼吸に関与する呼吸補助筋です。

つまり、【腹式呼吸】か【胸式呼吸】かで呼吸のメカニズムの基本は同じで、いずれの呼吸でも胸部も腹部も使います。

【腹式呼吸】と【胸式呼吸】の違いは?

では、【腹式呼吸】と【胸式呼吸】の違いはどこにあるのでしょうか?

呼吸は横隔膜の収縮によって胸腔を広げて陰圧にし、肺に外から酸素が入るようにする吸息と横隔膜が弛緩して元の位置に戻る時に肺から二酸化炭素が排出される呼息が主体となる体内の活動です。

安静時(意識しない)のガス交換は横隔膜の収縮だけでほぼまかなえるのですが、スポーツをしたり、歌を歌ったり、大きな声を出したり、深呼吸をしたりする時は呼吸補助筋の関与が大きくなります。

より多くの息を吸う必要がある(息が苦しい)時は、肋骨(胸郭)が大きく動いたり顎をあげて気道を広げようとしますよね?

また深呼吸をしたい時は腕を大きく広げて胸郭を広げようとしますし、大きな声を出したい時はお腹を意識して凹ませます。

このように、目的・体型・生活習慣・姿勢などにより呼吸筋の使い方や関与の比率が大きく変わることがあり、腹筋(腹腔の筋肉)をしっかり使い、特に吐くことを強く意識した呼吸を【腹式呼吸】といい、逆に胸郭周りの筋肉を強く作用させて胸郭の動き(拡大縮小)に意識を向けた呼吸を【胸式呼吸】と言います。

【腹式呼吸】の特徴

呼吸運動に主に働く横隔膜は、横隔膜は胸腔と腹腔を隔てるように水平に存在するドーム状の筋肉です。

横隔膜が収縮するとドーム状の横隔膜が平になって胸腔が広がり肺に空気が入り込みますが、その分腹腔は狭くなるのでお腹が膨らみます。

腹部の筋肉は胸郭を引き下げる作用があるため、呼息(息を吐く)に作用する呼吸補助筋です。

つまり、腹腔の筋肉に柔軟性があるとより多く空気を取り込みやすくなりますし、腹筋の筋力が強いと息をより大きく強く吐くことができるようになります。

つまり、呼吸補助筋としての腹筋を意識的に使う【腹式呼吸】では、必然的に安静時よりも呼吸が深くなりますが、胸郭まわりの呼吸補助筋(首や肩の筋肉)が過剰に緊張することはないので、肩こりや首こりにもなりにくい呼吸法です。

また、「胸式呼吸」と比較すると、「腹式呼吸」の方が、精神安定・血圧上昇抑制・脳リラックス効果(α波やθ波の状態)が高いと言われています。

例えば、発声や歌唱をする方は、呼吸補助筋としての腹筋を意識的に使う【腹式呼吸】をして、喉や首周りの筋肉に過剰な負担をかけずに声量を高めています。

腹式呼吸の基本は「吐くときに腹をへこませて横隔膜を引き上げ、吸うときに腹を膨らませて横隔膜を引き下げる」ことですが、以下のポイントを意識すると効果的に実践できます。

【胸式呼吸】の特徴

【胸式呼吸】は呼息補助筋である腹筋群をあまり使わない呼吸のことです。

パソコン仕事や机で作業に集中している時は【胸式呼吸】、つまり、浅い呼吸になりがちです。

より多くの息を吸ったり吐いたりしたい時は、胸郭周りの呼吸補助筋(首、肋骨間、肩の筋肉)を強く働かせる必要があり、顎をあげて軌道を広げる、腕を大きく開いて胸郭を広がりやすくする、肩が上下するような呼吸になります。

首や肩に余計な力が入ったりしがちで、交感神経優位になる呼吸です。

女性に胸式呼吸が多い理由

安静時呼吸の70-80%は横隔膜の作用による呼吸です。

横隔膜を引き下げることで肺に空気が入るので、息を吸う時腹部は自然と膨らみます。

呼気は横隔膜が元の位置に戻ることで自然と生じる作用ですが、腹筋を使う(お腹を凹ませる)ことで意識したより強い呼気になります。

つまり、腹筋力や使い方で呼吸様式(腹式か胸式か)が変わってくるとも言えます。

一般的に、腹筋群が発達している男性は腹式呼吸の傾向が強くなりがちですが、女性は腹筋群の発達が男性と比べて悪く、体を締めつける衣服の着用が多いことから、胸式呼吸になりやすい傾向があると言われています。

また、妊娠時に胎児の成長で腹式呼吸が難しくなり、胸式呼吸に傾くようになることもあります。

ちなみに、新生児や乳児は肋骨の走行が水平に近く呼吸に関する筋肉が発達していないので、横隔膜の働きだけで呼吸をしています。

呼吸法は生活習慣や姿勢、筋肉の付き方でも変わるものなので、意識して呼吸を自分に合う方法に変えたり、使い分けたりすることで、身体の機能や精神コントロール機能を高められます。

腹式呼吸の効果とメリット

腹式呼吸により期待できるからだの変化やメリットは以下のようなものがあります。

  • 首や肩の負担軽減
  • 自律神経を副交感神経優位に調節
  • 全身の筋肉を弛緩(リラックス効果)
  • 内臓のマッサージ効果
  • 腹筋強化・腰痛対策
  • 血流改善・冷え性対策

「息」という漢字には「心」が含まれていますが、「息」(呼吸)と心(感情)が違いに関連していることは私たちも普段から経験しています。

  • 心が通じ合う=「息が合う」
  • 緊張している=「息をのむ」
  • うれしい=「息を弾ませる」
  • ストレスがある=「息が詰まる」
  • ストレス解消する=「息を抜く」

ストレスが続くと交感神経が過度に刺激され、呼吸が非常に浅くなりがちで、からだに十分な酸素を運べなくなりますので、疲れやすくなったり、体調不良の原因になります。

そんな時はまさに「息を抜く」、吐くことをより強く意識できる腹式呼吸を意識して行うようにしましょう。

呼吸と代謝(ダイエット効果)

ロングブレスダイエットなど、呼吸法を取り入れた運動やダイエット方法がたくさんありますが、普段から呼吸を意識して、内臓や普段意識して使っていないインナーマッスルに刺激を入れることで代謝が上がるため、ダイエット効果が期待できます。

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【腹式呼吸】と【胸式呼吸】どっちがいいの?

【腹式呼吸】と【胸式呼吸】どちらがいいかを考えるよりも、呼吸のメカニズムを正しく理解し、自分の呼吸に意識を向けて調整(意識的なコントロール)ができるかどうかが重要です。

安静時呼吸(無意識呼吸)は横隔膜を主体に複数の呼吸補助筋が作用していますので、腹腔および胸郭まわりの筋肉の柔軟性と機能も含めて考え、どこかに過剰な負担がかからないようにすることで、バランスが取れた呼吸ができます。

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