ストレスとはそもそも何?ストレス社会の正しい対処法

イライラ・対人関係の問題・不安感・欲求不満…現代は「ストレス社会」と言われ多くの人が精神的・肉体的ストレスを感じ、ストレスは他人や周りの環境によって与えられるやっかいものだと考えていますが、ストレスは自分の身体を守るために自分が発生させている反応です。

ストレスに対する正しい知識を持つこと、ストレスに対する耐性を高める身体作りを普段から心がけることで、毎日の生活の質を大幅に改善できます。

ストレス社会を賢く生きる方法を一緒に考えましょう。

そもそもストレスとは何?

人間には恒常性と呼ばれる常に一定の状態を保つようにする働きが備わっていて、本来のバランスが崩れると生命としての機能維持が難しくなるので、元の正しい状態に戻すように自律神経が無意識化で働いてくれます。

自律神経は、意識ではコントールができない心臓や消化器官など生命維持に関する機能全般を制御していて、以下のように規則正しく切り替わることによってやるべき時にやるべき処理ができるようにしています。

時間帯 主に働く自律神経
昼(意識的な活動がメイン) 交感神経優位
夜・食後(意識的な活動の休息) 副交感神経優位

例えば、インフルエンザウィルスが体内に侵入した時には高熱が出ますが、体温を上昇させてインフルエンザウィルスを殺そうとするように、自律神経の働きを生かして自分の身体の不調を自分で直そうとする力がストレス反応なので、ストレスは身体にとって必要不可欠な反応であることをまず理解しましょう。

ストレス反応を起こす元となる外部からの刺激はストレッサーといいます。

多くの人は、ストレッサーをストレスと呼んでいますのでこのサイト内でもストレッサーのことをストレスと表記している場合がありますが、この記事内ではストレッサーとストレスを以下のように区別します。

用語 定義
ストレッサー 一般的に「ストレス」と呼ばれる外部から刺激
ストレス ストレッサーに対して身体が行う対処反応

現代人を悩ませる「ストレッサー」とは?

「ストレス」という言葉からは、パワハラとか人間関係問題など精神的なことの方が連想しやすいと思いますが、現代の生活様式では「肉体的なストレッサー」もとても多いです。

押さえておいて欲しいポイントは、あなたが「嫌だ」とか「不快」だとか主観的にネガティブに感じていることがストレッサーなのではなく、身体にとって異常な状態を作る要素がストレッサーです。

かつて人体においてのストレッサーは、飢餓や細菌・ウィルスなどの感染症などの病気の原因が主でしたが、現代の急速な生活様式の変化・多様化においてストレッサーの種類も多様化していてそのほとんどが生活習慣によるものです。

  • 不規則な生活・運動不足・食生活の乱れ
  • 解熱剤や石油系のサプリメントなどの摂取
  • 不自然な姿勢での活動
  • 対人関係や仕事のプレシャーなど
  • 承認欲求が満たされない

日内バランスの崩れ

昼夜逆転や不規則な生活、電気をつけたまま眠る、夜中でも忙しく夜更かしが当たり前で慢性的な睡眠不足、だらだらした生活、運動不足なども身体にとっては大きなストレッサーになり、自律神経の切り替えが追いつかなくなりバランスが崩れてしまいます。

解熱剤や石油系のサプリメントなどの摂取

「薬」は病気を治療する為に必要なものですが、身体にとっては異物で相当なストレスが発生するかなり破壊力のある「ストレッサー」です。

これは健康のためにと熱心に飲んでいるサプリメントでも同じで、根本的な意識改革が必要です。

日本は、世界的にも批難を受ける程の薬物乱用国として有名で、ちょっと熱が出れば「解熱剤」、 ちょっと痛みがでれば「湿布薬」、医者に行くとまず処方される「抗生物質」、気軽にどこでも変える健康増進効果を前面に打ち出したサプリメントやビタミン剤も種類が豊富。

抗生物質は農薬や食品添加物としても使われていますし、サプリメントなども素材をしっかり見極めなければ実は不要な薬物の宝庫だったりもしますので、知らず知らずのうちに健康の為にと摂取していて、実はストレッサーになっているものがたくさんあることを理解しましょう。

不自然な姿勢での活動

現代はこれまでの人間の歴史になかった不自然な環境があり、身体にとっては大きなストレッサーになっています。

例えば、パソコンでの作業は人体の構造的に不自然な前傾姿勢を長時間続けることになるので、身体にかかる負担、つまり身体的ストレッサーはとても大きいものです。

スマホに夢中の毎日でも頸部に不自然な姿勢を強いますし、視点を近い部分に集め続けるのは眼の筋肉や頸部~肩の筋肉の過緊張をはじめ全身的なストレスが発生します。

通勤時に電車で吊革につかまり長時間揺られることも、これまでの人類の歴史上なかった新しいタイプの姿勢で身体的ストレッサーとしてはかなり大きいものです。

対人関係や仕事のプレシャーなど

これも現代特に強くなっている「精神的ストレス」の代名詞です。

例えば、学校や会社など私たちが所属する組織や集団には入れ替わりはあり、特に新しい環境に入る新人さんは多大なストレスを感じ、医学的に治療が必要になるケースも出てきてしまいます。

例えば職場環境が変われば、朝起きる時間、通勤経路、トイレの場所、普段あいさつする人、苦手な人、好きな人、癒される人、食事やカフェの場所などあらゆるものが変わりますが、たとえ、どれかひとつであってもそれなりのストレスを感じるのに、いくつもの変化が一度に降りかかれば、いくら健康な人でもストレッサーを処理仕切れず体調を崩してしまっても不思議ではありません。

特に転職・転勤などの職場の変更、学生から新社会人、実家暮らしから一人暮らしなどが大きな変化で体調を崩してしまう人が多いのは、対処すべきストレッサーが一時的に増えすぎることが原因です。

また、病院でよく見られる高齢者のせん妄も環境変化のストレッサーに対応できずに起こる問題のひとつで、自宅→病院という環境の変化によるストレッサーに対応できずに脳がパニックになることが原因です。
このパニック(せん妄)は一時的であり、多くは環境を戻す(=退院して家に帰る)ことで改善します。

承認欲求が満たされない

過度に細分化され早いスピードで進化し続ける現代では、役割や日々の生活で自己承認欲求が満たされないことも大きなストレスになっています。

マザー・テレサも「この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。だれからも自分は必要とされていない、と感じることです」と言っているくらい「誰かから必要とされている」と感じられることは人間の本質的な欲求です。

思う通りに仕事が認められない、好きな人に思いが伝わらない、自分の存在意義がわからない、そんな風に考えている時にも身体は大きなストレスを感じています。

季節の変わり目

気温や外部の環境が大きく変わる季節の変わり目に体調を崩しやすいのもストレッサーが増えることが原因です。

人間の体は外の気温などに関わらず常に一定の状態を保つことで正常な状態を維持しているので、外側からのストレスの種類や量が変わるとその変化に対応がうまくいかない場合にも、身体もパニックになって体調不良として現れる場合もあります。

さらに季節の変わり目は新学期や部署の移動などの季節でもあるので、いつもと違うストレッサーを大量に処理しなければならなくなるため、体調不良になりやすいのです。

ストレス反応で対応しきれなければ病気になる

現代はこれまでの時代にはなかった様々な「ストレッサー」が私たち周りにあり、またその数や量も膨大になってきて「ストレス反応」だけでは限界がきてしまうことが多くなってきました。

「ストレス反応で」処理できる限界を超えたストレスが積み重なった時に、身体のバランスが崩れ、「病気」として症状が現れてきます。

あなたの身体が自分が処理できる以上の仕事を抱えてしまっているからです。

例えば、あなたの仕事が毎日100枚の日本語の書類を整理することだとしましょう。
1日かけてその仕事を完了するのがノルマで、完了できなければその分は翌日に繰り越しになりますが、今のあなたは大分その仕事に慣れ毎日特に問題なく完了することができています。

それが、ある日突然、日本語ではなく全く理解できないアラビア語の書類も100枚追加で整理することになりました。

さて、あなたはどうなるでしょう?

枚数が100枚増えて更に書類の内容をアラビア語で理解するというこれまで経験したことのないとても大変な仕事がプラスされるので一気に仕事量が増えますし、元々の仕事にまで手が回らなくなる可能性が高くなります。

本来人間の身体というのは常に一定の状態を保つようにできているので、ストレッサーが加わった時は身体をもとの状態に戻すように様々なストレス反応で対処しようとしますが、これまでの方法を変えるには膨大な時間とエネルギーが必要で、変えることができたとしても変えた状態を継続して慣れるまでにはさらに相当の時間とエネルギーが必要なので、ストレッサーが大きすぎたり多すぎたりすると、そのために普段当たり前にできていた仕事が遅れたり、おろそかになったりするので体調不良となって現れるのです。

人間が処理できるストレッサーには限度があるので、外側からの影響(ストレッサー)が増えれば増えるほどその対応にエネルギーが使われてしまい、今までできていた体の中の仕事がおろそかになってしまい疲労や体調不良として出てきやすくなります。

ストレッサーに対応してストレス反応を制御する自律神経ですが、自律神経が過負荷で正常に働かなくなると、まず血流などの循環障害が起こり、低体温、血液の酸化(いわゆるドロドロ血液)、そして、倦怠感や疲労感、肩こりなど慢性疲労や慢性疼痛に悩まされるようになります。

この状態は、常に心筋梗塞や脳血管疾患ガンや糖尿病などのリスクと隣り合わせで、どんどん若年化してきている傾向があり、10代でリスクを抱えている人もいます。

更に、自律神経の乱れは現代病の代表格であるアトピー・花粉症・各種アレルギー疾患に大きく影響を与えています。

アレルギーは特定の物質を身体にとって危険な物と誤認する免疫が過剰な状態のことで、本来細菌やウィルスなど身体にとって危険なものを排除する為に働いているリンパ球という兵隊さんが、特に身体に害を加えないような一般市民までも敵と判断して殺そうとしているようなイメージで、免疫機能の誤作動のようなものです。

また、「ストレス」が原因でうつ病などの精神疾患を引き起こし、社会生活が困難になる例も増えてきています。

ストレスへの正しい対処法

ストレスは本来人間には必要なもので、上手につきあえば仕事やスポーツのパフォーマンスを上げたり日常生活を活性化させる為のものでもありますが、過剰なストレスの積み重ねは確実に身体を蝕みます。

現代の心身の病気の原因にもなり得るストレスについて正しく理解して、できることから改善していきましょう。

今の感情にまっすぐ向き合う

「ストレス」を「ストレス」として感じることができるというのはとてもよいことです。

原因を見つけ、対処する方法を考えられるからです。

「ストレス」を感じたら、まずその感情を持っている自分を「だめだ」とか「もっと頑張らないと」と更なる負の感情を乗せたストレスにするのではなく、まずありのまま受け止めてください。

「大脳辺縁系(主に感情的な部分を司る)」と「前頭前野(主に合理的な判断を司る)」はシーソーのように機能していて、どちらかが強くなるとどちらかが弱くなりますので、感情をできるだけ理論的に分解して考えていくだけでもストレスが緩和されます。

アンガーマネジメントでも「怒りを感じたらまず6秒数えろ」と言われますが、この時間を意識的にとることで、ヒートアップした「大脳辺縁系(主に感情的な部分を司る)」を鎮めて、「前頭前野(主に合理的な判断を司る)」の働きを活性化させやすくする効果があります。

ストレス耐性を上げる

ストレッサーを完全避けることは難しいかもしれませんが、身体の機能や生活習慣を整えてストレス耐性を高めることは可能です。

対応できるストレスの許容量は決まっている訳ですから、できるだけ規則正しい生活をする、睡眠時間をしっかり取る、姿勢を整える、呼吸に意識を向ける、適度な運動をするなどできる努力をするだけでもストレス反応を減らして他のストレッサーへの耐性を高められます。

お腹がすいていると相手のちょっとした態度でもイライラするけど、美味しいものを食べて睡眠も十分にとれていて直前にいいことがあったらならその後多少のことは許せてしまうというような経験は誰にもあると思いますは、身体を健康で強い状態に保つことでストレス耐性は高められるのです。

特に睡眠時間をしっかりと確保して、心身の疲労をためないように毎日リセットすること、規則正しく食事をとり、腸内環境を正常に保つことはとても重要です。

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意識的にため息を吐く

人間の身体は自分で意識しなくても働いてくれる優れた防御機能を持っていますが、「ため息」も人間が持っている優れた防御機能のうちのひとつです。

「ため息」はリカバリーショットとして非常に優れていてストレスを感じたときに意識的に「ため息」をつくと、気持ちがリフレッシュできる効果が証明されています。

「落ち込んだ時」「悩んでいる時」「何か嫌な事があった時」などに無意識出るものですし、相手に嫌悪感を示す手段としてわざと大きめにため息を演じる人もいますし、「ため息をすると幸せが逃げる」と言われることもあるので「ため息」にあまりいい印象を持っている人はいません。

でも、ほとんどの場合ため息は無意識のうちに出て、自分が出したため息にハッとして我に帰れたという経験をしたことがある人も多いと思います。

私たちは嫌なことがあったり気分を変えようと思ったときに買い物に行くとか、美味しいものを食べるとか、スポーツをするとかの前に、おそらく背筋を伸ばして深呼吸をするのではないかと思います。

深呼吸をすることで心身ともにリフレッシュできることは、特に医学的な知識がなくても誰もが経験から知っています。

緊張している人や焦っている人に対して深呼吸するようにアドバイスしたりもしますよね。

ため息が出る原理もこれと同じです。

つまり、過剰なストレスを感じた身体が、その状態から解放されるために強制的に深呼吸させているのがため息です。

ため息が出るときは心身ともに余裕がない状態なので、実は深呼吸どころか十分な呼吸すらできてきません。

その結果、循環が滞り身体機能に悪影響が生じるリスクが生まれるため、危機を感じた身体がため息により深呼吸を強制的にさせ、滞った身体の循環を取り戻そうとしているのです。

呼吸は、吐くことを意識的行うことが重要で、十分に吐き出すことができれば十分な酸素を体内に取り込むことができます。

ため息は、身体のリスクを回避する防御反応であると同時に、気持ちをリセットするチャンスも与えてくれるので、とても優れたリカバリー装置になり、じつば酸素カプセルや水素吸入へ行くよりも効果的で、かつ無料のリカバリー&リラックス機能です。

「ため息をすると幸せが逃げて行く」といいますが、これは「悩んでもいいことないよ」というマインド的なアドバイスで、人間の身体的機能側面から考えた時に【ため息】にはものすごく優れたリラックスとリカバリー効果があります。

もちろんため息が出るほど追い込まれたり、落ち込んだりしないようにできれば一番いいのですが、もしため息がでたのならそれは身体からのSOS信号であると同時にリセットできるチャンスなので、是非うまく活用してほしいと思います。

また、ため息が出たらまずは意識的に深呼吸をするようにしましょう。

その際は、吸う息よりも吐く息に集中して、しっかり吐ききることを意識してください。

水素吸入や酸素カプセル並みのリラックス効果を実感できると思います。

現代人は呼吸が浅い人が多いのでストレスが溜まりやすい状態です。
そのため水素吸入や酸素カプセルなどで高濃度の水素や酸素を取り込まないとなかなかリラックスしたり、体循環がスムースに行えない人が増えてきていますが、本来人間は自分でリセットしてリラックスするリカバリー機能を持っています。

意識的に笑顔を作る

東京オリンピック2020(2021年開催)で水谷隼と共に日本卓球界史上初の金メダルを獲得した伊藤 美誠選手は、うまくいかないときや強いストレスを強く感じたときに意識的に口角を上げて笑顔を作り、「楽しんで」卓球をすることを意識しているとよく言っています。

テニスの大阪なおみ選手も、試合中に口角を意識的にあげたり、眉間のシワを手でほぐすなどしてメンタルコントロールしています。

人は嬉しいことや楽しいことがあると自然と広角が上がって笑顔になります。

反対に、強いストレスを感じて嫌な気分は口角が下がり、眉間にシワがよりがちです。

辛かったり強いストレスを感じていても、意識的に笑顔を作ることで、脳に今自分が「楽しい」「幸せだ」と勘違いさせる効果があることは様々な脳科学の研究でわかっていて、メンタルコントロールが大きく左右するアスリートも積極的に採用しています。

運動を上手に取り入れる

適度な運動にはストレス解消効果があると言われています。

デスクワークで行き詰まったときは、ストレッチしたりウォーキングなどの軽い運動をしたくなるように、身体を動かすことで気分をリフレッシュする効果があることを、医学的な知識がなくても私たちは経験から知っています。

身体を意識的に動かすと、呼吸が深まって全身の循環が高まるので身体が軽くなり、自律神経のバランスや内臓機能も整いやすくなるので気持ちも落ち着きます。

この観点で言えば、無意識に出てしまう「貧乏ゆすり」もストレス解消のために行っている「運動」のようなものです。

「軽い散歩程度のウォーキング」「凝り固まった筋肉伸ばすストレッチ」「深呼吸(呼吸筋や横隔膜の筋トレ/ストレッチ)」はいつでも誰でもどこでもできるので、是非上手に取り入れて欲しいと思います。

身体の軸を整えて呼吸を深めながら「瞑想」をするヨガもとても効果的です。

どんな運動をする場合でも、正しい解剖学知識を持って取り組むことで、効果を高め、ストレス解消と心身を強く健康にすることで、ストレス耐性を高める効果に大きく貢献します。

 

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