「腓腹筋」とほぼ同じ走行で「腓腹筋」深層を走行する細長い筋肉【足底筋】の解剖学構造(起始停止、作用、神経支配)についてイラスト図解を使ってわかりやすく説明しています。
【足底筋】とは?どこにあるどんな筋肉?
【足底筋】は、膝裏からふくらはぎにかけて7-10 cmほどの紡錘状の筋腹と下に伸びる細い腱部分で構成されている細長い筋肉で、「腓腹筋」や「ヒラメ筋」と共に下腿後面表層の筋肉群に分類されます。
ほとんどの哺乳類で足底腱膜に停止するため【足底筋】と呼ばれていますが、人類の場合は「踵骨」後面に停止しています。
- 筋肉名:足底筋
- ふりがな:そくていきん
- 英語名:Plantaris Muscle
「腓腹筋」と「ヒラメ筋」の間を「腓腹筋」に沿うように走行するため、「腓腹筋」と同じように「膝関節屈曲」と「足関節底屈」に作用すると考えられますが、筋腹がとても小さいのでその力はごくわずかで、構造(筋腹の厚さや長さ)に個人差が大きく、腱で別れた二腹の人もいれば、完全に欠損している人もいます。
【足底筋】起始停止
【足底筋】は、「腓腹筋」外側頭の上部:外側顆上線下端から起始しますが、起始部が斜膝窩靱帯まで伸びている場合もあります。
【足底筋】腱は腓腹筋内側縁に沿って「腓腹筋」と「ヒラメ筋」の間を下内側に走行し、アキレス腱内側で「踵骨」後面に停止しますが、時々、アキレス腱に合したり、屈筋支帯や脚の筋膜と結合している場合もあります。
起始 | 停止 |
---|---|
外側顆上線 斜膝窩靱帯 | 踵骨後面 |
【足底筋】腱は神経と間違えるほど非常に細いので、経験が浅いと神経と間違えることがよくあり、「 Freshman’s nerve」とも呼ばれています。
【足底筋】作用
【足底筋】は「腓腹筋」とほぼ同じ走行のため、「腓腹筋」を補助する作用があると考えられます。
関節 | 作用 |
---|---|
膝関節 | 屈曲 |
足関節(距腿関節) | 底屈 |
【足底筋】には多数の筋紡錘(固有受容受容体)が含まれるため、足関節の調整役があるとも考えらますが、存在しなくても特に問題がない(実際に欠損している人も多い)ため退化した筋肉とする論文もあります。
【足底筋】神経支配
【足底筋】は、坐骨神経の枝である脛骨神経(S1、S2)支配です。
- 脛骨神経(S1、S2)
【足底筋】触診
【足底筋】は「腓腹筋」の深層にあり、外側頭と共に膝窩下外側縁を構成しています。
【足底筋】ストレッチと筋トレ
【足底筋】は、足部全体の構造を理解してトレーニングやコンディショニングを実践しましょう。