足のアーチと足趾運動で外反母趾や扁平足を予防改善する方法

姿勢(首こり・猫背・腰痛対策)
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足の裏や足趾の運動に関与する筋肉を鍛えて足のアーチ(土踏まず)を正常に保ち、足のゆびが自由に動かせるようになると、扁平足や外反母趾などの足の問題の予防・改善はもちろん、腰痛や肩こりも解消し、疲れにくく効率よく動ける身体が作れます。


足の筋肉・骨・靭帯など、それそれ個別の解剖学に加えて、足の機能を考える上で欠かせない足のアーチ(足全体としての機能や構造)から全身のパフォーマンスを高め、扁平足や外反母趾を予防する方法を説明します。

足のアーチの構造と筋肉

足の裏には以下のように3つのアーチがあります。

  • 外側縦アーチ
    足の外側を結ぶ縦のアーチ
  • 内側縦アーチ(土踏まず)
    親指のつけ根からかかとを結ぶ縦のアーチ
  • 横アーチ
    親指のつけ根と小指のつけ根を結ぶ横のアーチ
  • 内側から補強する「母趾外転筋」など足の裏に存在する足底筋群
  • 舟状骨を真下から支えている「長母趾屈筋」と「長趾屈筋」
  • 舟状骨を上に引き上げて支える「前脛骨筋」と「後脛骨筋」
  • が足のアーチ(扁平足予防)を考える際に特に注目したい筋肉です。

    足の筋肉は意識して動かすことが少ないため、筋力が低下して歩行や立位動作で効率良い動きができなくなると、疲れやすいなどから始まり、扁平足・外反母趾など様々な機能障害へと発展します。
    結果、立位でのバランスや踏ん張る力も低下するので転倒などの事故や捻挫・骨折などの怪我にもつながりやすくなりますし、全身へ負担、疲労、不調が広がっていきます。

    足のアーチの役割【メリット】

    足のアーチがあることで以下のようなメリットがあります。

    疲れにくくなる

    長時間立っていたり歩いたりすると足の裏がだるくなるのは、足裏にある足底腱膜が常に地面に押し付けられて血行不良になるから。

    足の裏が扁平になると、慢性的な結構不良になるだけでなく、スリッパで地面をすりながら歩くような動作になるため、全身が疲れます。
    また地面からの衝撃もダイレクトにうけるため関節への負担が増大してしまいます。

    パフォーマンスが高くなる

    スポーツを考えるとわかりやすいですが、力(動き)の起点となるのは足の裏です。
    地面と接している足の裏からの反動を受けて前に進んだりする力が出ます。

    足の筋肉の弱化や硬化などで足のアーチが崩れると地面からの反動を十分に生かしきれません。
    体幹、脚、上半身をどれだけ強化しても起点となる足の機能が低下していれば大きなロスが生じ、特に踏ん張ったり、バランスを取ったり、動作を切り替えたりなどが難しくなります。

    ケガや転倒を予防できる

    バランス悪くや踏ん張りや動作の切り替えが苦手になれば、転倒や捻挫などケガの原因になります。

    足の裏のアライメントが崩れた状態では、つながっている体幹、脚、上半身にも負担がかかるので、足首、膝、股関節を痛めたり、腰痛などの原因にもなります。

    手と足の解剖学的構造はほぼ同じ

    足のゆび(足趾)は、手のゆび(手指)とほぼ同じ働きができます。

    人間は、二本足歩行を獲得することによって、手の自由度と巧緻性(細かい作業をする能力)を高めることで、文化的に大きな進化を遂げてきました。

    一方足は、全身を支えるという役割が最優先され、いつも靴下や靴の中など窮屈な環境の中で縮こまっていることが多くなってしまいました。

    現代人にとって、手と足の役割は全く違うものなので、手と足の構造は全く違うと思っている人も多いのではないかと思いますが、実は手と足の解剖学的構造はほとんど同じです。

    骨の集合体で手や足を構成し、5本の指(趾)があって、指の間に複数の関節があります。

    実際に骨模型を見てみましょう。

    足の骨の解剖学的構造

    手の骨の解剖学的構造

    多少の骨のサイズ、長さなどの違いはありますが基本的な構造はほぼ同じ。
    それぞれに付着している筋肉の形状や役割も非常に似ています。

    パー・グー・チョキにしたり、ものを掴んだり、離したりなど、足も手とほぼ同じような動きができるようにできています。

    足の機能低下が原因でも腰痛や肩こりが起こる

    使わない筋肉は、退化します。

    足のゆびの筋肉は、手のゆびの筋肉と同様に細かく複雑な動きをする小さな筋肉がたくさん集まっていますので、手のように細かく動かすことができるのですが、現代の生活ではほぼ足のゆびを意識して使うことはありません。
    靴や靴下に守られているので、外部からの刺激を直接感じる機会も非常に限られています。

    結果、足の形状を維持する為に必要な筋肉や感覚の退化や低下により、扁平足や外反母趾などの足の形の異常が生じやすくなっています。

    足の機能が低下すれば脚全体の動きも制限されるので、姿勢や歩行にも影響し、肩こりや腰痛など全身に悪影響を及ぼします。

    また、全身の筋肉は筋膜というひとつの膜で覆われていて、そのスタートが足の裏にあるのですが、筋膜の観点から見ても、足の筋肉が退化し、足の機能が低下するということが全身の筋肉の緊張状態に影響を及ぼすということが説明できます。

    足のアーチと足趾の動きを取り戻すトレーニング

    現在の足の状態や求める能力などに応じてオススメのトレーニングは異なりますが、原則としてまず硬く凝り固まっている筋肉をしっかりとほぐしてアライメントを整えてから、回数を多くやろうとするよりも1回1回丁寧にターゲットとなる筋肉にしっかりと刺激を入れることで本来の機能を取り戻せます。

    自分の状態のどこに問題があるかわからない場合は、足の解剖学を理解することから始めましょう。

    足の筋肉 【3D筋肉・解剖学】はこちら

    タオルギャザー Toe Curl (TC)

    椅子に座り床に敷いたタオルを足のゆびだけ「掴む」、「持ち上げる」、「離す」動作を行います。

    「掴む」動作

    長母趾屈筋と長趾屈筋を使って足底を縮めます。

    「持ち上げる」動作

    後脛骨で舟状骨を引き上げ、前脛骨筋で足のアーチを高くするように意識します。

    「離す」動作

    母趾外転筋の「親指を開く」という作用を意識します。

    足趾でグー・チョキ・パー

    足の趾でパーができない場合は、扁平足や外反母趾になるリスクが高くなります。

    足の趾でパーにする(趾と趾の間を開く)運動では、趾の進展運動での代償が起こりやすいので注意!
    膝や足首が緊張して頑張っているようなら趾の伸筋を使おうとしている証拠です!脚はリラックスさせた状態で足の裏の筋肉だけで動かすようにします。

    感覚がわかりにくい場合は、まずは手の指で補助しながら感覚を掴むことから始めましょう。

    Short Foot Exercises(SF)

    足趾を屈曲せずに第1中足骨頭をできるだけ踵に向かって近づけるようする運動をします。

    足のアーチを高くするイメージで足の長さを短くしていく(Short Foot)運動で、母趾外転筋へ刺激が最も入りやすく効果的な運動です。

    足のアライメントが崩れにくい靴を履く

    ハイヒールなど先の尖った靴やかかとの高い靴、大きすぎる靴など、足のアーチの機能を阻害する靴を長時間が履き続けないことも大切です。

    靴と足がぴったりフィットする靴で歩行や立位動作で崩れがちになる足のアーチを保護するように心がけると、外反母趾や扁平足の予防になるだけでなく、疲れにくく快適に過ごせます。

    足のゆびが5本に分かれるタイプのソックスなども指の感覚を意識するためにもおすすめですが、5本ゆびのシューズもあります。

    完全に足にフィットし、一見靴を履いていないようにみえるので、たまに、「靴履いていないの??」と心配されたりもしますが……….
    足趾の解剖学的特徴を十分に生かしているシューズで、素足でいる感覚にとても近く、なんとも言えない開放感が特徴です。あと足のゆびの機能を存分に発揮できるので、単純に動きやすいです。

    足裏や足趾を強化すべき例

    スポーツパフォーマンスの向上

    元体操選手の小菅真理さんが足の指でビー玉を掴んで移動させるトレーニングをしているのを拝見したことがありますが、体操のようにバランス機能を極限まで追求するような競技では、足の指での微妙なコントロールが必須となります。

    足の趾でビーチの砂をしっかりつかむ必要のあるビーチバレーの選手や接触の多いラグビーなどの競技でも足の裏や足趾の強化は積極的に行っています。

    リハビリ

    リハビリの場面でも、歩行訓練や立位動作練習につなげるために、足の裏や足のゆびの筋肉にアプローチをする手段はよく用いられます。

    成長期の子供

    昔は、子供に裸足で走り回ることを推奨し丈夫で元気な子供を育てていたといいます。

    子供は成長が早くどんどん身長も体重も大きくなるので十分に足裏を鍛えていないと簡単に扁平足になってしまいます。

    実際成長期の子供扁平足は多いので、小さい頃から足の裏を意識して鍛える習慣は必要です。

    もちろん大人も重力に対抗するだけの筋力がなければ同じように扁平足になります。

    X脚やO脚など重心に問題がある場合

    X脚の人は、ひざが内側に入っているために土踏まず部分に重心の重みがかかるので、舟状骨が落ちる扁平足、扁平足からの外反母趾になりやすい傾向があります。

    重心が外側にかかるO脚も足底を支える力が低下しやすく扁平足になりやすい傾向があります。

    ハイヒールなどを履く機会が多い人

    扁平足の状態で幅の狭い、つま先が細くなった靴を履いている人は外反母趾になりやすくなります。

    どうしても履く必要がある場合は足の筋肉をしっかりと鍛えアーチを保持できる筋力を保つ必要があります。

    まずは足の裏に意識を向けよう

    さすがに現代は外を裸足で歩くことはいろんな意味で推奨はできない場所が多いですが、家にいる時はできるだけ素足で指の間を広げ、足の裏から刺激が入る環境を意識して作れば、全身状態を高め健康を維持につながります。

    1日の終わりには、足の裏をほぐしたり、足の筋肉のストレッチをしましょう。
    足への刺激で全身のリラックス効果も期待でき、よい眠りを促すメリットも加わるのでとてもおすすめです。

    足の裏に目を向けてみることで、慢性化してなかなかよくならないと感じている肩こりや腰痛の根本的な改善策が見出される場合が多くあります。

    特にお金も時間もかけず、今すぐできることなので、改めて意識してみることをお勧めいたします。

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