よく知っているいるようで、正しいやり方が意外とわかっていない「ラジオ体操」。
「ラジオ体操」は正しく丁寧に実践すれば、たった3分で全身をバランスよく整える美容健康効果に優れた最強エクササイズになります。
日常生活で凝り固まりやすい筋肉がこれまでの体操で十分にほぐれた8番目からは、より流れ(リズム)のある複数の関節運動を組み合わせたエクササイズが登場してきます。
名前こそ「腕を上下に伸ばす運動」ですが、腕だけでなく全身を使った動作の素早い切り替えがポイントとなる脳トレ効果も高いエクササイズです。
「【ラジオ体操第一】⑧腕を上下に伸ばす運動」を解剖学と運動学の視点から分析し、正しく効果的に行うための考え方(コツ)、よくある間違いと対処法、更に効果を高めるためのアレンジ方法を提案します。
「ダイエットやボディメイクをしたいけれど何から始めたらよいかわからない」「運動を始めたいけど難しいのは続かない」なら、まず「ラジオ体操」を極めてみることをオススメします!
目次
【ラジオ体操】とは
ラジオ体操に関する一般情報や目的別エクササイズへのリンクは以下のラジオ体操まとめ記事を参照してください。
【ラジオ体操】は最強ダイエット運動メニュー?!【イラスト図解付き解剖学】
【ラジオ体操第一⑧腕を上下に伸ばす運動】とは
「【ラジオ体操第一】⑧腕を上下に伸ばす運動」は、「素早い動作で瞬発力を向上させる」目的で、ラジオ体操第一の8番目に登場します。
公式サイトでは以下の効果があると記載されています。
- 瞬発力アップ
- 肩こり予防
- リフレッシュ効果
- 筋力アップ
【公式サイトより引用】
【ラジオ体操第一⑧腕を上下に伸ばす運動】正しいやり方と解剖学
これまでの体操でしっかりと整えた軸(良い姿勢)を活かして、心地よくほぐれた肩周りをリズムよく大きく上下に曲げ伸ばします。
号令に合わせてテキパキと動作を切り替えながら脚の動きも連動させて、上下と左右の重心移動があるのもポイント。
号令に合わせて瞬時に関節運動を切り替える運動神経(瞬発力)を鍛えることで、脳にも十分な刺激が入り、心身をリフレッシュできます。
注目ポイント(正しく行うコツ)と効果
【ラジオ体操第一⑧腕を上下に伸ばす運動】は、名前だけ見ると腕の運動がメインのように感じてしまいますが、軸がブレずに、素早く、重心移動を伴う複数関節運動の切り替えをスムースに行うことに注目して欲しい体操です。
運動要素としては、腕(肩関節と肘関節)の屈伸(上下)運動、横歩き(股関節内転⇄外転運動)、つま先立ち(足関節屈伸運動)の組み合わせです。
軸を真っ直ぐに保ったまま重心を左右と上下に移動させながら複数の関節を協調して切り替えながら動かす運動なので筋力アップやバランス能力アップ効果ありますし、号令に合わせて素早くを意識することで、運動を起こそうと思ってから実際に筋肉が動かすまでの時間が短くなる瞬発力アップ効果、運動パフォーマンスアップ効果、転倒予防にもつながります。
また、姿勢を整えた全身運動の中で肩関節を大きく動かすことで、肩周り全体がほぐれて血流も改善するため、日本人国民病とも言える肩こりの解消効果も期待できます。
スタートポジション:正しい姿勢の作り方
「【ラジオ体操第一】⑧腕を上下に伸ばす運動」の準備姿勢(スタートポジション)は、最初の基本姿勢である「【ラジオ体操第一】①伸びの運動」で整えた背骨と骨盤をニュートラルした良い姿勢です。
大きく素早い動きができるように、姿勢を保持するインナーマッスルもしっかり意識して中心軸を安定させます。
どの方向へ動いた時も、バランスをとるために肩周りに余計な力が入らないまま基本姿勢を維持できることが重要です。
正しい運動要素と解剖学
「【ラジオ体操第一】⑧腕を上下に伸ばす運動」のやり方やコツについて公式サイトでは以下のように記載されています。
号令をかけながら行うことで、より力強く、素早い動作に
- 左脚を横に開きながら、手先を肩に添え、脇を締める
- 腕を素早く上に伸ばし、かかとを上げる
- 手先を肩に戻し、かかとを下ろす
- 左脚を戻しながら腕を下へ伸ばす
- 反対側も同様に
【公式サイトより引用】
「【ラジオ体操第一】⑧腕を上下に伸ばす運動」は、肩に余計な力が入らず「腕の運動」を大きく素早くできるように下半身と体幹をしっかりと安定させる必要があります。
つま先立ちや片足立ちの要素も加わっているので、中心軸を意識しながら上下や左右の重心移動を伴う全身の動き(連動や協調運動)をします。
運動メニュー | 運動要素 | 解剖学 | |
---|---|---|---|
関節 | 運動方向 | ||
左脚を横に開きながら、手先を肩に添え、脇を締める | 基本姿勢 | 骨盤 | ニュートラル |
背骨 | ニュートラル | ||
左脚を横に開く | 股関節 | 外転 | |
手先を肩に添え、脇を締める | 肘関節 | 屈曲 | |
肩関節 | 内転 | ||
腕を素早く上に伸ばし、かかとを上げる | 腕を素早く上に伸ばし | 肩関節 | 屈曲 |
肘関節 | 伸展 | ||
両足のかかとを上げる | 足関節 | 底屈 | |
手先を肩に戻し、かかとを下ろす | 手先を肩に戻し | 肩関節 | 伸展 |
肘関節 | 屈曲 | ||
かかとを下ろす | 足関節 | 背屈 | |
左脚を戻しながら腕を下へ伸ばす | 左脚を戻しながら | 股関節 | 内転 |
腕を下に伸ばす | 肘関節 | 伸展 |
ラジオ体操効果を高めるコツ
号令(リズム)に合わせてより素早くリズミカルに
脳からの運動指令に瞬時に反応して運動を切り替える運動神経(瞬発力)を鍛えるには、号令に合わせて素早くリズミカルに動くことを意識しましょう。
脳機能を活性化させて心身をリフレッシュする効果も高められます。
神経の構造と主要神経路まとめ(感覚神経・運動神経・反射など)
身体の軸は真っ直ぐのまま
足のかかとの上げ下ろし(つま先立ち)による重心の上下移動、一瞬片脚立ちになって脚を横に開いたり閉じたりする重心の左右移動運動があります。
重心が移動するときも軸は常に真っ直ぐのままブレずに脚の運動を切り替えましょう。
肩や首はリラックス
体幹が安定せず軸がブレるとバランスをとるために肩や首に余計な力が入ってしまいがちなので、肩や首がリラックスできる姿勢で、気持ちよく大きく腕の運動ができているかも意識しましょう。
よくある間違いとできない時の軽減方法
つま先立ちをするとバランスが取れない
つま先立ちになると支える面が小さくなることと重心が前へ移動しやすくなるため、バランス保持が難しくなります。
つま先立ちがそもそもできない、つま先立ちで腕や脚をうごかそうとするとバランスがとれなくなる場合は、足裏はしっかり床につけたまま頭の先から引っ張られるように背筋を伸ばしながら腕を上に大きく伸ばすことに集中しましょう。
動きがチグハグしてしまう
腕と脚を同時に動かそうとしたり、動作の切り替えで混乱してしまう場合は、リズムに合わせて脚の運動だけにしてみましょう。
リズムに慣れてきたら、つま先を上げて上に伸びる時に腕も一緒に上に伸ばしてみましょう。