【前頭筋】は、眉毛を挙上しておでこに横皺を作る筋肉で、考え事や心配事が多かったり、パソコン作業やスマホの長時間使用で緊張して硬直しやすい傾向があります。
おでこにシワが定着しないように定期的にマッサージして【前頭筋】ほぐすようにすれば、どんよりした頭の疲れもスッキリ解消します。
【前頭筋】とは?どこにあるどんな筋肉?
【前頭筋】は、名前の通り「頭の前部(前頭部:筋肉頭蓋の額部分」にある左右一対の四角形の筋肉で、頭頂部を覆う人体最上部の腱膜から眉毛に向かって下降するように眉毛の上あたりまで走行します。
- 名称:前頭筋
- 前頭筋ふりがな:ぜんとうきん
- 前頭筋英語名:Frontalis
【前頭筋】は「眉毛を引き上げると同時に水平方向に額のシワを作る作用がある表情筋」です。
また、表情筋の中でも大きく力のある筋肉なので、表情筋のハブ「眼輪筋」の動きを代償するように眉毛と一緒にまぶたを上げる作用もあり、近視の人が遠くをみようとしたり、暗がりで目を細めたりする時なども、私たちは無意識に【前頭筋】を収縮させています。
現代人は普段の生活で無意識に【前頭筋】を緊張させたままでいることが多いのですが、【前頭筋】のコリが原因で、「額のシワ」「重く感じたり垂れ下がった眉毛」「目の疲れやかすみ(疲れると見えにくくなる)」さらには「頭痛」まで生じることがあります。
【前頭筋】の解剖学構造を理解して、時々意識的に緊張をほぐすようにしたり、マッサージなどでセルフコンディショニングを心がけましょう。
パソコンやスマホの長時間使用による疲れ目対策にも効果的です。
【前頭筋】起始停止
【前頭筋】は、頭頂部にある帽状腱膜から眉毛の方向へ下降して、「眼輪筋」や「鼻根筋」と繊維を交差して眉の上縁あたりで眉間や眉の皮膚に停止します。
- 起始:帽状腱膜
- 停止:眉の上縁
【前頭筋】作用
【前頭筋】は帽状腱膜から眉の上部まで額を縦に走行する大きな四角い筋肉なので、収縮すると眉を引き上げて額に横シワを作ります。
- 眉弓を引き上げる
- 前頭部に皺を作る
- 帽状腱膜を前方に引く
- まぶた挙上する
また、眉毛の引き上げと同時にまぶたを引き上げる方向への力も加わり、「眼輪筋」の作用に影響しますし、停止部から力が働く場合は、「帽状腱膜」を前方にひっぱる力も生じるので頭部はもちろん、背面を含めた全身のコリにも影響を与えます。
【前頭筋】神経支配
【前頭筋】は、顔面神経(脳神経VII)支配です。
【前頭筋】触診
おでこを触り、眉毛を引き上げる運動で収縮が確認できます。
【前頭筋】ほぐすマッサージとストレッチの正しいやり方
【前頭筋】は、眉毛を挙上し、おでこに横皺を作る筋肉なので、凝り固まるとおでこにシワが定着してしまうので定期的にほぐすようにしましょう。
- シワを伸ばすイメージ【前頭筋】の走行に沿ってで髪の生え際から眉毛に向かってマッサージ(こぶしでもOKですが、美容ローラーを使うと効果的!)
- 頭皮全体が凝り固まっている場合が多いので、頭頂部・側頭部・後頭部も含めてマッサージすることでリフトアップや目をパッチリさせる効果も期待大!
十分にコリをほぐしたら、「前頭筋」のコリをほぐすストレッチも習慣にしましょう!
- 眉毛を引き上げる運動で前頭筋を収縮
- ふっと力を抜く
- 反対に眉毛をできるだけ引き下げるようにする
- ふっと力を抜く
【前頭筋】をほぐすストレッチに加えて、【前頭筋】を収縮させるエクササイズをすれば、血流が改善して【前頭筋】の柔軟性が取り戻せますので、頭のコリからくる全身の不調が改善し、目も開きやすくなります!
【前頭後頭筋】前頭筋と後頭筋はひとつの筋肉?
【前頭筋】は帽状筋膜とつながっているので、同じく帽状筋膜とつながっている「後頭筋」と間接的につながっています。
そのため、「前頭筋」-「帽状筋膜」-「後頭筋」を合わせてひとつの筋として「後頭前頭筋」扱うこともあり、その場合は「前頭筋=前頭筋腹」「後頭筋=後頭筋腹」と呼びます。
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解剖学構造の包括的な理解があれば、手術や投薬に頼らなくても、痛みや悩みを根本的に解決する方法がみつかる場合があります。
例えば、【表情筋】の解剖学構造を理解したトレーニング、ストレッチ、マッサージなどを効果的に実践すれば、整形手術をしなくても、老け顔を予防したり、目をぱっちりにしたり、笑顔が魅力的なスッキリとした小顔もデザインできたり、顎のトラブル、頭痛、眼精疲労、肩こり解消が同時にできる場合もあります。
解剖学構造を理解して、普段の生活への意識を変えるだけでも、体調や見た目に大きな変化が出てきます。
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