『筋肉』とは?自分の身体を思い通りにデザインするための基礎知識

骨格筋は人体で唯一自分の思い通りにサイズやパフォーマンスレベルを調整できる組織ですが、筋繊維を太くして見た目を大きく変えることと、必要なパフォーマンスや力を出すこととは必ずしも同じではありません。

「どの筋肉をどういう方法で鍛えるべきか」がわかっていれば、あなたの身体は好きなようにデザインできますので、そのための前提知識として知っておきたい「筋肉」の基礎知識(解剖学と生理学)についてまとめました。

  1. そもそも「筋肉」とは?筋肉の種類と役割
  2. アウターマッスルとインナーマッスルの違いとは?
  3. 筋肉が収縮するとは?
  4. 速筋と遅筋の違いとは?

人体には3種類の筋肉がある

私たちの身体の構成要素になっている筋肉には、①主に骨に付着して姿勢や運動をコントロールする「骨格筋」②内臓を構成する「平滑筋」③心臓を構成する「心筋」と3種類あります。

筋肉の種類 役割 意識的なコントロール
骨格筋 主に骨に付着して姿勢保持や意識的な運動を行う 可能(随意筋)
平滑筋 内臓を構成する 不可能(不随意筋)
心筋 心臓を構成する 不可能(不随意筋)

生命維持装置である心臓や内臓の構成要素となっている平滑筋と心筋は自分の意思で操作できる筋肉ではなく、不随意筋と呼ばれます。

主に骨に付着して姿勢や運動をコントロールする「骨格筋」は自分の意思でコントロールできる「随意筋」と呼ばれ、私たちが普段意識的な運動や活動に使ったり、鍛えたりしようとしている筋肉は、すべて意識的にコントロールできる「骨格筋」になります。

「筋肉」の役割

「筋肉」というとスポーツ選手やボディビルダーのような隆々とした筋肉を想像し、普通の人の健康や生活パフォーマンスにはあまり関係ないと考えがちですが、私たちが普段姿勢を維持し、呼吸をして、血液を循環させ、生命を維持できるのも筋肉が正常に作用しているからです。

筋肉の役割を大きくまとめると以下の5つになります。

①姿勢(シルエット)を作る

骨格を覆うように存在する「骨格筋」は、私たちの「見た目(シルエット)」や「姿勢」を決める要素です。

骨と骨によって作られる関節の周りに筋肉がつき収縮することによって安定した姿勢を維持でき、歩行や様々な日常生活動作を行う基本姿勢(運動軸)となります。

また、まっすぐに伸びた背中、逆三角形を作る肩の膨らみ、キュッと上がったお尻、引き締まったふくらはぎ、厚い胸板など、魅力的な姿勢やボディラインのシルエットを決めるもの「骨格筋」ですし、猫背や出っちり、貧弱な身体になるのも「骨格筋」のアンバランスや機能低下が原因です。

②熱を作る

「骨格筋」は人体最大の産熱機能(熱を生み出す力)です。

運動をすると体が温かくなるのを感じることからもイメージしやすいと思いますが、「筋肉」が収縮(活動)すると熱が生まれます。

意識的な運動をしていない時(寝ている時など)でも筋肉は姿勢や身体機能を維持するために活動しているので、私たちは常に一定の体温を維持できています。

また、寒い時には自然と身体が震えますが、これは身体を震わせて(骨格筋を収縮させて)熱を生み出そうとする無意識下での「ストレス反応」です。

一般的に筋肉量の少ない女性の方が「冷え性」が多いことや、身体を鍛えている人ほど体温が高い傾向があるのは、筋肉の熱生産機能が大きく影響しています。

③循環を作る(体内物質の貯蔵や運搬)

「筋肉」というとお店で買う「お肉」ような固い塊のようなイメージしがちですが、筋肉の構成要素の約60〜70%は水分(血液の集まり)です。

筋トレや運動をすると筋肉が太く強くなっていきますが、この時いきなり筋繊維が発達するわけではありません。

筋肉を収縮させる運動には酸素供給が不可欠な為、酸素の供給器官である血管(毛細血管)がまず伸びますが、血管だけではとても弱いのでそのまわりを補強するように筋繊維が発達します。

つまり、全身に数百ある筋肉はすべて血管の周りを覆うように筋繊維が存在して、全身の血流を促通するポンプのように筋肉運動によって血液を通して酸素や栄養を運び、老廃物を戻すなどの働きが行われます。

④外部の衝撃から内臓や骨格を守る

人体は骨格で囲まれた枠組みの中に、生命維持を司る脳、心臓、脊髄、内臓、神経、血液、体液などが収まっていて、その周りを囲んで守るように骨格筋が外壁のように囲む構造になっています。

⑤運動を起こす

人間の軸となる骨を動かし、運動を起こすことができる器官は人体で「骨格筋」のみです。

これは一番イメージしやすい筋肉の働きですが、運動というと全身を動かすようなスポーツを連想しますが、日常の中でご飯を食べたり、パソコンのキーボードを打ったり、笑ったり、うなずいたり、お話をしたり、そういう小さな動きもすべて筋肉によって起こる運動で、脳から神経を通じて運動の指令が筋肉に伝えられ、筋肉が動く(収縮する)ことによって運動や動作が可能となります。

『インナーマッスル』と『アウターマッスル』の違い

運動を起こしたり、身体のラインに影響する「骨格筋」は、「インナーマッスル」と「アウターマッスル」に分類して説明されることがよくありますが、その違いは明確になっていますか?

世間一般の「トレーニングメソッド」の説明によく使われる「インナーマッスル」と「アウターマッスル」の区別は、解剖学や生理学上の区分とは異なる独自の理論になっている場合がほとんどです。

ただ、ほとんどのケースにおいて以下のような違いを明確にしようとしているものである点は共通しています。

分類 アウターマッスル インナーマッスル
解剖学による区分 解剖学的には「外来筋」に区分されるものが多い 解剖学的には「内在筋」に区分されるものが多い
構造の特徴 身体の表層(皮膚に近い部分)にある比較的大きな筋肉 アウターマッスルの深層にあり骨により近い部分に付着する筋肉群で比較的小さい
役割の特徴 シルエット(見た目)に大きく影響し、ダイナミックな動き(運動)を起こす筋肉 主は姿勢を安定させたり呼吸を制御するなどより静的安定に重要な役割を担う筋肉

「インナーマッスル」と「アウターマッスル」と呼称を区別して説明しているのには、目に見えるようなダイナミックな運動を起こしたり外から簡単に触診できる骨格筋を「アウターマッスル(外側の筋肉)」と呼ぶのに対し、身体の深層部にあり直接的に触診したり大きなわかりやすい運動を起こすわけではないけれど姿勢、軸、バランスの維持に重要な役割を持つ骨格筋を「インナーマッスル(内側の筋肉)」と区別することで、運動をする目的やターゲットを明確にしようとする狙いがあります。

確かに、表層にあり比較的大きな「アウターマッスル」は動きがわかりやすく負荷もかけやすいので強化しやすい筋肉であるのに対し、姿勢保持や静的安定に主に作用する「インナーマッスル」は、わかりやすい「動き」でトレーニングするのが難しいため、トレーニングやエクサイズをするときは、「アウターマッスル」に注目しがちになります。

その結果、求めるパフォーマンスや筋繊維の太さを引き出すことができないトレーニングになってしまうことが多くあります。

でも、自分の身体の構造を理解して適切なメンテナンスやトレーニングをするために、骨格筋をいちいち「インナーマッスル」と「アウターマッスル」に分類すること自体にはあまり意味はありません。

筋肉ごとの構造や役割、周辺の筋肉との連携や機能ユニット構造を理解していれば、「スタイルを良くしたい」「お腹を凹ませたい」「猫背を治したい」「体力をつけたい」「逆三角形ボディにメイクしたい」など目的に応じてやるべきトレーニングやメソッドが明確になるからです。

「骨格筋」が収縮するってどういうこと?

「骨格筋」が働くことで私たちは運動や姿勢保持ができますが、「骨格筋」が働く(作用する)とは一体どういうことなのでしょうか?

①筋肉はチームで働く

まず抑えておきたいポイントは、筋肉がチームで働くということです。

『骨格筋』は人体の筋肉全体の40%を占めていて、約400個の筋肉が頭から足先までリレーをするかのように張り巡らされていて、それぞれの筋肉の強弱、緩急、動静、働休、協力、拮抗…など複雑で絶妙なバランスで姿勢保持や運動が行われます。

例えば、人間の基本動作の一つである「歩行:歩く動作」は足だけが動けばできる動作ではありません。

一歩前に進むために使う筋肉の数はメインなものだけでも約200個ほどあり、姿勢を保持するための体幹の運動、バランスを取るための上肢の運動などほぼ全身の筋肉を連携させて使っています。

筋肉は単独ではなく、全身がワンチームとなって働いているという意識はとても重要で、リハビリでも、アスリートのパフォーマンス向上でも、ダイエットやボディメイクでも、この意識を持つだけで効果に大きな違いが出ます。

②「骨格筋」の収縮と弛緩の定義

先ほど筋肉はチームで働いていると説明しましたが、ある動作をするためにはその運動を起こす機能を持っている筋肉が収縮し、その反対の機能を持っている筋肉が弛緩することが基本原則になります。

例えば、肘を曲げて力コブを出したい時は、肘関節を「曲げる」働きのある骨格筋である「上腕二頭筋」が収縮し、その反対に肘関節を「伸ばす」働きのある骨格筋である「上腕三頭筋」が弛緩します。

分類 収縮 弛緩
定義 働いている(張力が生じている) 休んでいる
筋肉の長さ 短くなる場合もあれば、長くなったり、変わらない場合もある

よくある勘違いとして「収縮= 筋肉の長さが短くなる」「弛緩筋肉の長さが長くなる」と考えてしまうこと。

筋肉の作用と筋肉の長さの変化を結びつけて考えてしまいがちですが、筋肉が働いているのか休んでいるのかと、筋肉の長さの変化はそれぞれ別に考える必要があります。

「収縮」は一般的に「縮む、縮んで短くなる」という意味ですが、生理学用語では「筋肉に張力が発生すること」を収縮といい、筋肉に力を入れた状態つまり筋肉が働いている状態のことを指します。

収縮と筋肉の長さの関係は、以下の3通りがあります。

分類 筋長の変化
求心性収縮 収縮している筋肉の長さが短くなる(起始と停止が近づく) ダンベルを持ち上げる時の上腕二頭筋の動きなど
遠心性収縮 収縮している筋肉の長さが長くなる(起始と停止が遠ざかる) 筋トレで重いものを持ち上げようとして、支えきれなくなっていく過程での筋肉の使い方
同尺性収縮 収縮している筋肉の長さが一定で変わらない状態。 重いものなどをずっと同じ姿勢で持っているときなどの状態

一方、筋肉が働いていない時:伸展/弛緩と呼びます。

筋肉の収縮に相対する言葉として「伸展」がありますが、生理学的に筋肉の伸展というのは「弛緩」と同義です。

収縮と同じように筋肉の伸展といっても必ずしも長さが伸びるわけではないことを理解しましょう。

例えば、右腕の力を抜いてだらりと下げた状態から右腕は脱力したまま左手で右手を持ち上げて右腕の肘を曲げたとき、右腕の上腕二頭筋は、力を入れていないので「弛緩/伸展」したままですが、長さは短縮しています。

また、力こぶを作ったときは、収縮しているのは上腕二頭筋で、上腕三頭筋は伸展(弛緩)していますが、この状態で上腕三頭筋にも力を入れると三頭筋も収縮しますが、短縮はせず長さは伸びたままです。

「速筋」と「遅筋」の違い

久しぶりに運動をした時やダイエットやボディメイク目的で新しい筋トレやトレーニングメニューを導入した時、翌日すぐに筋肉痛を実感する場合と3日後くらいに筋肉痛になる場合があります。

そして、翌日に筋肉痛が来るのは若い証拠で、筋肉痛を感じるまでに2〜3日かかるのは歳をとった証拠と言われますが、実は筋肉痛が起こるまでに要する日数と年齢は直接的に関係なく、使った筋肉の種類や使い方によりその差が生じているだけです。

「筋肉痛」のメカニズムと時間差

まず、筋肉痛が起こるメカニズムからお話していきます。

筋トレやスポーツなどで、普段の筋肉の働き以上の負荷を課した場合や、お休みしていた筋肉に久しぶりに刺激が入った場合、筋肉の周りの組織である筋膜の細胞が破壊されて痛みを感じる物質が出て、その物質が脳に伝えられることで「筋肉痛」を感じます。

初めて行う運動時に筋肉痛が起きやすく、慣れてくるとその時と同じ運動を行っていても筋肉痛が起きにくくなる理由は、筋肉が耐えられる負荷が徐々に増えていくからです。

つまり、普段運動を行わない人は、普段から運動を行っている人よりも筋肉痛は起きやすいといえます。

歳をとると筋肉痛を感じるまでに時間がかかる理由として、筋肉で痛みの物質が発生してから脳に届くまでの時差、つまり神経の伝達速度が年齢を重ねると遅くなるからという説も作れなくもないですが、神経の情報伝達が数日もかかるようでは人間としての活動がそもそも行えないので無理があります。

実際、老化により神経伝達速度は減少する可能性はありますが、その時差はあっても人間が自覚出るほどの長さになることはあり得ません。

同じ筋力を持っていて、同じ運動(筋肉の使い方)をする限り、筋肉痛が起こる時間に年齢による差はほぼないと言えます。

「筋肉痛」の時間差を生む2種類の筋繊維

「筋肉」を構成する筋繊維には「速筋」と「遅筋」という2種類があり、全ての筋肉にそれぞれが異なる割合で含まれています。

筋肉痛は速く激しい運動で特に活発に作用する「速筋」を主に使った場合にはすぐに起こり、ゆっくりした長時間の運動で活発になる「遅筋」を使った場合には2〜3日後に起こるというメカニズムがあります。

分類 速筋 遅筋
得意な動き 速く激しい運動 ゆっくりした長時間の運動
筋肉痛 すぐに生じる 2〜3日後に起こる

    筋肉を構成している筋繊維は遅筋繊維(Type 1)と速筋繊維(Type 2)で以下のように3種類にさらに細かく分類できます。

    種類 収縮速度 疲労速度 活動開始順
    遅筋繊維
    Type 1/Slow-twitch fibers
    遅い 非常に遅い 1
    速筋繊維
    Type 2/Fast-twitch fibers
    Type 2A 速い 中等度 2
    Type 2B 速い 非常に速い 3

    筋繊維を収縮させるためのカルシウムの流れを作るエネルギーは、ブドウ糖(血糖)をエネルギーに変換する筋肉細胞組織であるミトコンドリアから供給されます。

    遅筋繊維が疲れにくいのは、速筋繊維よりも多くのミトコンドリアを含んでいてより多くのエネルギーを産出できることと、速筋繊維よりも直径が小さいため周りにより多くの毛細血管が走行できることにより、酸素供給と老廃物除去がスムースに行えるからです。

    生きている限り休むことが許されない心臓の筋肉は遅筋繊維が非常に多く含まれますし、骨格筋の中でも姿勢保持が主な作用である「インナーマッスル」の方が、主に運動を起こす役割の「アウターマッスル」よりも遅筋繊維の割合が多くなる傾向があります。

    筋肉が収縮し始めるとき最初に作動するのはType 1で、必要に応じてType 2A→Type 2Bの順に続きます。

    収縮速度は遅くて爆発力はないものの、まず最初に収縮をはじめて長時間使っても疲労しにくい「遅筋」は姿勢を保持するヨガや有酸素運動に適した筋肉です。

    一方、収縮速度が早くて体積が大きいため、短時間で大きな力を発揮を発揮する「速筋」は、ダッシュやジャンプなどの瞬発力やパワーが必要となる無酸素運動に適した筋肉です。

    ただ、Type 2Bは、Type 1と続いてType 2Aが動員されたあとでしか活動を始めないため、Type 2Bトレーニングは大変です。

    メカニズム的に筋肉痛の遅延と年齢に関係がないとしても、実際に年齢を重ねるほど筋肉痛が起きるのが遅くなるという体験談をよく聞きますが、その背景には何があるのでしょうか?

    答えはシンプルで、行っている運動の質が若い時と年齢を重ねた時では大きく変わるからです。

    年齢を重ねると負荷の大きい運動はほぼやらなくなりますし、若い人と一緒に同じ運動をしているつもりでも使う筋肉や使い方がゆっくりとしている場合がほとんどだと思います。

    つまり、年齢を重ねて筋肉痛を感じるのが遅くなったのではなく、年齢を重て筋力が低下し、すぐに筋肉痛になるような運動が行えくなった(つまり慢性的な筋力低下や運動不足)と考えるのがより正確な見方だと思います。

    そもそも筋肉痛になるだけの負荷を筋肉に与えなければ筋肉痛にはなりませんので、逆に言えば過負荷にならずに運動できているとも言えます。

    筋肉は、年齢を重ねても健康で元気に生きるための要となります。

    低い負荷でも、無理に筋肉痛を起こすような無理な運動をしなくても、正しく意識すれば効果的に鍛えることができますので、このサイトを参考に自分にあったプログラムで筋トレを楽しみましょう。

    年齢と筋力低下

    そもそも私たちの身体の筋肉は、ごく普通に日常生活を営んでいたとしても20歳をピークに年々1%ずつ減っていくと言われていますので、加齢に伴う筋力低下は避けて通れない問題です。

    また、20代の平均的な筋肉量は男性で約40%、女性で約35%ですが、70代になると男性で約26%、女性で約23%とピーク時の2/3程度になっているというデータがあります。

    20歳までは成長期なので筋力が増えやすいというのもありますが、多くは年齢を重ねるほど筋肉を使わなくなる生活習慣が原因となります。

    また、宇宙飛行士は宇宙から地球に帰還したとき筋力が衰えてしまうので、地球に戻ったあとは筋トレなどのリハビリが必要ということを聞いたことがあると思いますが、重力によるストレスを受けない状態、つまり寝た状態や宇宙などの無重力状態や水中で浮力がかかり重力の影響が相殺されている状態であれば、筋肉にほとんど負荷がかかりませんので1日に約0.5%の筋肉が失われていくと言われています。

    病気やケガで寝込むと、症状での体力消耗に加えて筋力が減少することによって身体を支える力が大きく減少してしまいます。

    高齢者が骨折後寝たきりになってしまったという話はよく聞くと思いますが、もともと筋力の少ない高齢者が一定期間寝たきり状態になることによって筋力が急速に低下したため骨折部位が治癒したとしても、その後身体を支えるだけの筋力を鍛えることが困難になってしまった為です。

    最近ではリハビリテーション医学やスポーツ医学の分野が発達し、病気やケガで安静や入院を余儀なくされても安静は極力局部に限定し早期から離床を促す方向に大きく変わってきていますし、宇宙飛行士にも出発前の十分な筋力訓練と飛行中も宇宙空間でランニングマシンやエアロバイクなどを用いて筋肉に負荷をかけることをプログラムで決められています。

    筋肉は正しく使い続けなければ、衰える一方というのは避けられない事実なので、筋力を維持するためには正しい知識とトレーニングが必要となることを知っておくことが非常に重要です。

    若くても老けて見える人は姿勢を保つ筋肉が弱いことが原因ですなので、特に重力に対抗して姿勢を維持するという意識を持つだけでも、かなり変わります。

    また、人体の筋肉の7割以上がおへそから下の筋肉であり、心臓から送られた血液を心臓に戻す最大のポンプも筋肉なので、下半身を中心に全身をバランスよく使う「歩く」という動作は筋力を鍛える為にとても有効で、この際にも姿勢と自分が使っている筋肉を意識することがとても重要です。

    骨と筋肉は常にセットで考えよう!

    200以上の骨とそのまわりを囲む数百の筋肉が互いに協力し合って作用することで、私たちの姿勢や見た目(ボディライン)が決まり、様々な活動や運動が可能になります。 例えば、「肩こり」「腰痛」と聞くと「筋肉のコリ」だから筋肉をほぐせばいいだろう、とマッサージなどに行っても一時的な効果しか期待できないのは、人体構造を理解した根本的な解決方法ではないからです。

    骨と骨がつながって関節が作られて骨格が形成され、そのなかに人体の生命活動を司る内臓が収まっていますが、内臓を囲む骨格を外部の衝撃から守ったり様々な動線やライフラインをつなぐ役割をするのが骨に付着している骨格筋という筋肉なので、「骨」と「筋肉」は常にセットで考える必要があります。

    骨格(骨と骨との連結)が歪むとその形に引っ張られた筋肉は無理な姿勢を強いられ肩こり・腰痛などの症状が生じますし、偏った筋肉の使い方をしていると筋肉のバランスが崩れるので骨格が歪み始め肩こり・腰痛などの症状に繋がります。 また、ひとつの動作を行うだけでも常に全身の筋肉や骨格になんらかの影響を及ぼしていて、例えば上半身を後ろに反らすいわゆる「伸び」の運動では背中の筋肉を緩めると同時に反対側のお腹の筋肉は身体が後ろにひっくり返らないように収縮しますし、背骨周りの小さい筋肉はもちろん、関係ないように思える首の筋肉や手足の筋肉や顔の筋肉も作用しています。

    更に、現代は高度に文化が発達して、これまでの人類の歴史にはなかった長時間机でパソコンを使って仕事をしている、満員電車でつり革につかまり必死に立っている、いつもスマホ画面を見る為に下を向いている、などのような不自然な姿勢を長時間強いられることが多くあります。

    これらの不自然な同じ姿勢を長時間そのまま続けると、本来は柔軟性とバランスに富んだ筋肉同士の相互作用が働く機会を失い、一定の方向で筋肉が固定されて動かない状態なので、筋肉の偏った張力により骨格も引っ張られ骨格も歪んだ状態になりやすく、放置すると骨格まで曲がって固定してしまうということも起こり得ます。  

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