たった3分!誰でもできる最強エクササイズ「【ラジオ体操第一】⑥体を前後に曲げる運動」を解剖学と運動学の視点から分析し、「うまくできない時の軽減方法」「効果を高めるためのコツ」「上級者向けアレンジ」などを提案します。
【ラジオ体操】は3分で終わる最強エクササイズ!
「なにか運動しないと!」と思ったらまず選択肢に入れて欲しいのが【ラジオ体操第1】!
わかりやすいシンプルな体操の組み合わせで老若男女誰でもできるように作られている体操なので軽い運動効果しかないと思っている人も多いのですが、【ラジオ体操】を正しく理解して丁寧に実践すれば、たった3分でも全身をバランスよく整える美容健康効果に優れた最強エクササイズになります。
「ダイエットやボディメイクをしたいけれど何から始めたらよいかわからない」「運動を始めたいけど難しいのは続かない」など身体の悩みがあるけれどどんな運動がいいかわからない場合は、まず「ラジオ体操」を極めてみることをオススメします!
【⑥体を前後に曲げる運動】ラジオ体操の正しいやり方と解剖学
ラジオ体操第一の6番目やるエクササイズは、【体を前後に曲げる運動】です。
「背・腹部の柔軟性を高め腰への負担を軽くする」ことが目的で、公式サイトには以下のような効果があると記載されています。
- 腰痛予防
- 疲労回復
- 柔軟性アップ
- 内臓器官働き促進
【公式サイトより引用】
重要な運動要素
「【ラジオ体操第一】⑥体を前後に曲げる運動」でポイントになるのは、日常動作でもよくやる「股関節と背骨」の屈伸運動で、正しく行えば、柔軟性を高めて姿勢を整える効果(特に背中美人効果や美尻効果)に優れています。
重要な運動 | 目的 |
---|---|
股関節運動の前後運動 (背骨の動きも連動) |
腰痛が起こりにくい姿勢を意識できるようになる 全身の循環改善 |
背骨や股関節における前後の屈伸運動は日常動作にも多く含まれますし、意識して身体を反るストレッチを取り入れている人もたくさんいますが、前後の屈伸運動は身体の解剖学構造を理解していないと間違った運動になりやすく、間違った運動だと腰痛改善どころか腰痛を誘発してしまう人が多いので、股関節と背骨の前後運動方向や可動域について正しく理解して効果的な運動になるように意識しましょう。
特に、動かす時に支点となるのは「腰」ではなく「股関節」であり、「上半身を背骨を反らす時は胸椎から(胸を開く)」を意識することが重要です。
正しい運動を行えば、普段の猫背や座り姿勢で硬くコリ固まりがちな筋肉をストレッチし、股関節と背骨の柔軟性を向上させる効果があるので、腰に負担がかからない姿勢と強く安定した体幹作りにつながります。
また、股関節周りには「臀筋(大臀筋や中臀筋)」、上半身と下半身をつなぐ「腸腰筋、お腹の前面を広く覆う「腹直筋」、背面から腰を広く多く「広背筋」など大きな筋肉(アウターマッスル)がたくさんあることや股関節から上半身を曲げることで上半身を重力に対して逆転させることになるため、全身の血行促進による「疲労回復効果」や腹部を刺激することによる内臓マッサージ効果(「内臓器官働き促進)」も期待できます。
基本姿勢(スタートポジション)
「【ラジオ体操第一】⑥体を前後に曲げる運動」の準備姿勢(スタートポジション)は、これまで同様に「【ラジオ体操第一】①伸びの運動」で整えた背骨と骨盤をニュートラルの良い姿勢を維持したまま、脚を肩幅よりも広く真横に開いて(股関節外転)土台となる下半身をしっかり安定させます。
運動方向と可動域
「【ラジオ体操第一】⑥体を前後に曲げる運動」のやり方やコツについて公式サイトでは以下のように記載されています。
前屈は首・肩の力を抜き、上半身の重みで弾みをつけましょう
- 弾みをつけて上体を前へ3回曲げる
- 上半身を起こす(基本姿勢に戻る)
- 両手を腰の後ろに当て上体をゆっくりと反らせる
【公式サイトより引用】
「【ラジオ体操第一】⑥体を前後に曲げる運動」は、「上体(上半身)を(股関節から)前に曲げる」「上体(上半身)を起こす(股関節を伸ばす)」「上体をゆっくり後ろに反らせる(股関節を更に伸展しつつ胸椎主体で背骨を伸展する)」要素に分解できます。
パーツ | 運動方向 |
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背骨 | 基本的に軸を維持 反らす時に胸椎中心に伸展 |
股関節 | 屈曲⇄伸展 |
上肢関節 | 上半身の動きに自然に合わせる |
「ラジオ体操効果を高めるコツ」と「よくある間違いの対処法」
「【ラジオ体操第一】⑥体を前後に曲げる運動」は、腰が運動の支点になり大きく動かすエクササイズなので、間違った動きになって逆に腰を痛めてしまうことになりがちです。
運動要素 | 効果を高めるコツ |
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股関節運動 | 股関節運動時は姿勢軸(背骨)は安定させたまjま |
身体を反らす | 股関節伸展 + 胸椎伸展(首や腰は反らない) |
肩関節 | リラックさせたまま上半身の動きに合わせる |
身体の構造正しい理解と自分の身体の動きに意識を向けて丁寧に行う必要がありますので、お手本通りの姿勢を作ろうとするよりも、その姿勢や動作をする目的を優先し、必要に応じて姿勢や運動方向の調整や軽減をしましょう。
「股関節」屈伸運動を正しく行う
運動の支点は「股関節:上半身と下半身をつなぐ関節で骨盤と大腿骨(太ももの骨)で構成」で、背骨の姿勢軸を維持した上で、肩や首に余計な力が入らず上半身がリラックスしていることが前提です。
上体を曲げる運動では、上半身を重力に対して逆転させつつ背面の筋肉を筋膜のつながりに沿って、自分の体重で引っ張るように背面筋肉を深くストレッチできますので、首や肩の力は完全に抜いて背骨も自然なカーブを保ったまま、股関節から体を前に折り曲げることがとても重要なポイントです。
太もも裏筋肉(ハムストリングスなど)やお尻の筋肉(大臀筋など)など背面の筋肉が硬く前屈(股関節屈曲)の可動域が制限されている場合は、前屈できる範囲までで構いませんので、腕や肩の力を抜いたまま股関節から身体を折り曲げる意識を最優先します。
太もも裏やお尻の筋肉をストレッチやマッサージでほぐす準備運動をしたり、背面筋肉(筋膜)のつながりを意識することで、前屈を正しく効果的に深められます。
前屈した身体を起こす時は、ロールアップのように背中を丸めるのではなく、姿勢の軸を維持するために姿勢保持筋をしっかり収縮させたまま、お尻や太もも裏の筋肉を収縮させて、股関節から姿勢軸を維持したまま上半身をひっぱりあげる意識で行うことで、腰を痛めずに美脚美尻効果も高められます。
両手を腰の後ろに当て上体をゆっくりと反らせる運動では、腰を過剰に反らせないように手を腰に当てて支え、股関節を過伸展させ(腸腰筋、大腿直筋、腹直筋などがストレッチされる)つつ胸を開く(胸椎(胸)を反らせる)運動を意識することが正しい運動にするポイントです。
背骨を反らす時は胸椎から
股関節を伸展して上体を起こしてから更に上体をゆっくりと反らせる運動では、股関節と背骨(胸椎)の伸展運動であり、(連動して腰椎もわずかに反ります)が腰を反る運動ではありませんので、腰を手でしっかりと支え、腰を過剰に反らさないように注意します。
股関節や胸椎の動きが硬い場合は、解剖学構造上(反っている感覚がわかりやすいので)腰(腰椎)を反る運動になりがちですが、股関節の伸展と胸椎の伸展を意識することで正しく効果的な運動になります。
腰はほとんど動かず、身体の前面(お腹や太ももの前の筋肉)が伸び、胸をしっかりと開いている感覚を感じてください。